2年ぶりにメールします。
2年前、高校で初めて聴いた朗読会。
とても感動した内容がありました。
交通事故で恋人を失った女性のものです。
あれを聴いたとき、胸が苦しくて 怖くて かわいそうで息が詰まりました。
その女性のことがずっと気になっていました。
その翌年、私は彼氏を失いました。
入院して手術を受ければ助かると聞いていたので、彼の病気について深く考えることもなく過ごしていました。
ところが、軽い病気ではない事を隠しきれなくなった彼のお母さんが、そんなに長く生きられないことを教えてくれました。
崖から突き落とされる、とはこの事を言うんだなと心から思いました。
泣いて泣いて泣きまくりました。
彼は、それから半年で亡くなりました。
元気だった人がいなくなる、本当にそんな事があるのだと知りました。
歩けなくなっていく、話すことも出来なくなっていく、そんな彼を見るのがたまらなくて、お見舞いに行く回数が減ったころ、彼からメールがきました。
『今までありがとう』
『俺の分まで幸せになれよ』
彼が、生きることに対してケジメをつけたんだなと思うと、それがたまらなくて病院へ走りました。
わあわあ泣きました。
それから、彼が静かに息を引き取るその日まで毎日一緒にいました。
まだ、心の整理がつけられません。
恋愛をする勇気も持てません。
出来ることなら もう一度会いたい。
泣き虫な私から卒業したい。
笑っていたころの私に戻りたい。
私の心は とても忙しい。
前向きになれたかと思うと、次の日はくよくよしています。
彼が教えてくれたことがあります。
それは、生きているって 可能性がいっぱいだという事。
体があるから なんでもやれるんだという事。
命があるから 愛し合えるんだという事。
ああ これが 『たったひとつの命だから』 の答えなんだな
私は そんな風に思っています。
大好きな人の命が教えてくれたことです。
こんな形で気づきたくはなかったけれど、今、私は感じています。
たったひとつの命は、とても貴いということを。
私は社会人になりました。
いっぱいいろんな経験をして、しっかり生きたいと思います。
階段を上るように。