「あなたは あと3年くらいでしょう」 そう言われた私は まだ14歳だった
一人でチャリを押して祖母の家に向かった
20キロのみちのりを泣きながら
途中で河原へ降りて行き 大きな岩の上に立った
川の流れは緩やかだった
この水の流れに身を任せて
眠りたい
二度と目覚めることがないように天国へ逝きたい
時間だけが過ぎていく
飛び込む勇気なんかなかった
水面に映る自分の顔はボロボロだった
こんな顔でおばあちゃんに会える訳がないよ・・そう言い聞かせて引き返した
誰にこの話をしたらいいのだろう
誰が聞いてくれるのだろう
親友? それとも彼? 先生? お姉ちゃん?
いっぱい考えた
でも 私は誰にも言えなかった
あの時から 私の心は冬眠してしまった
不思議なことが重なって 私はそれから34年も生きている
私の心の冬眠を解かしてくれたのは たった一人の男性だった
13歳から大好きで 大好きで 大好きで想っていた男性
この世でたった一人の彼
私に与えられたたったひとつの命と同じ たったひとつの命を持つ彼
大きく大きく人生の回り道をして 再会するまで33年の月日が経ってしまったけれど
この命がある限り
彼を愛していく
私の命より貴い彼の命
たったひとつの命だから
ずっと消えなかった想いを 私は大切に大切にして 生きていきます