たったひとつの命だから
僕の祖父が先週なくなりました。
朝起きるとお父さんたちが慌しく動き回り救急車でじいちゃんは病院へ運ばれました。
しばらくして病院から電話があり じいちゃんが亡くなったと聞かされました。
今まで一度も家族を失ったことがなかった僕にとって 初めての別れでした。
お葬式のとき 僕は必死で涙をこらえました。
一週間がたって 僕はじいちゃんがいつも乗っていたトラクターの座席に座ってみました。
「たか 乗るか？」そう言って いつも運転席に立たせてくれました。
じいちゃんの声が今にもしてきそうでした。
「たか いっぱいご飯ば食べやんぞ 大きくならんぞ」
「たか 食べもんば粗末にしちゃいかんぞ」
「たか 男は泣いちゃいかんぞ ぐっと我慢して泣くなら一人で泣け」
時には厳しく 時には笑顔でいろんな事を教えてくれたじいちゃん
じいちゃん もう会えないんだね
ばあちゃんが一人ぼっちで寂しそうにしてるよ
僕がばあちゃんの話し相手になるから心配しなくていいけどね
今まで僕達に美味しいお米をいっぱい食べさせてくれてありがとう
もう会えないけど 天国で美味しいお酒をいっぱい飲んでください
好きな歌もうたってください
うるさか～ってばあちゃんに叱られることもないね
じいちゃん 大好きだったよ
大きな真っ黒の手で高く肩車してくれたじいちゃんのこと忘れない
僕は忘れない じいちゃんの口癖を
「たか 男なら泣くな」と
たったひとつの命だから 僕は一度の人生を男らしく生きる
筑後市 高校１年