弱視で早生まれの長男(6才、小1)は、言わずもがな運動が苦手。

それはそれでフォローをしていますが、私も運動音痴なので自宅でできることとして、勉強の先取りをしています。
 

運動や視力でどうしても自己肯定感が下がってしまう場面があっても、まぁせめて勉強はできていれば、

黒板見えない!とかがあっても、テストさえ解ければ、

心の余裕の一つにはなるかなと。


 
年長で始めたスマイルゼミは1年先取りしていて、今は2年生のをやっています。
それなりにそこそこ、という感じ。十分です。

 

そして最近お風呂で遊びがてら、九九を始めたのですが。

 
 
ちょっと自慢しますね。
私が九九を覚えたのは4才、兄が小学2年の頃でした。
なぜなら、学研の九九の歌のカセットテープを一緒に聞いていたので笑

 

令和になっても私がそれを熱唱するもので、長男は私と同じ昭和の頃の歌で九九を覚えています笑

 
「発見発見大発見♪ マルバツだけが答えじゃない!」ってやつ
3の段がワルツとか、5の段はマーチとか、6の段だからロックとか、
9の段のちょっと大団円のスイングジャズの感じとか、
今聞いても凝っていて好きです。

 

 

これを聞いて刺さったアラフォーの方、聖闘士星矢とかの世代ですね!!
(セーラームーンよりドラゴンボールで育ちました)
 


 
ということで(前置きが長すぎる)。
 
 
タイトルの通り、患者会で作成した「RB長期フォローアップ手帳」のお話と、セミナーのお知らせです!
今更感がすごくてすみません。

 
 

●小児がんで必要になった「長期フォローアップ」

 
小児がんは、数十年前に比べて「治る」時代と言われるようになりましたが、まだまだ子供の死亡原因の上位を占めています。
とはいえ、抗がん剤の種類が増え、さまざまな治療の組み合わせが奏効するケースも多くなっています。
 
数年前、患者会として学会に参加していた時、
とある小児科の超ベテラン先生とお話させてもらっていて、
「私たちが若い頃は医者は死神だと思っていた」と仰っていたことが印象的で、強烈に覚えています。
 
治せない、治らない、亡くなっていくのをどうすることもできず見ていた、と。
 
それが仕事だと想像すると、悔しさはいかばかりか。
 
その頃に比べたら、現在の治療実績は飛躍的に改善しており、諦めず研究を続けてこられた方々に感謝しかありません。
RBも、VECやアイソトープなんてかつては考えられなかったもんなぁ。
 
 
RBも他の小児がんでも、命は助かったけれど、後遺症や合併症が全くないという患者は少なくなく。
生き延びられる治療法ができたからこそ、これから先の長い人生を、病気と上手に共生して生きていけるように、と、長期フォローアップの重要性が認識されるようになってきています。
 

そんな動きの中、
日本小児がん研究グループ(JCCG) の長期フォローアップ委員会が作成していたのが、治療サマリーです。
 
同委員会は、小児がんの疾患別のフォローアップガイドも作成しており、
2013年版に初版が、そして2021年に最新版がリリースされています。

 

疾患別にかなり詳しく治療や後遺症などについてまとめてあります。


 

 
 
さらに、同委員会に携わってきた、愛媛県立中央病院の小児センター長、石田也寸志先生らが中心となって、

成人期の小児がん患者の諸問題をフォローするための

 

なども設立されています。
ハートリンクでは、小児がん経験者が保険加入しにくい問題などを解決するための共済の運営などもされています。(いつかこの問題やりたい)
 

併せて、JCCGが作成した小児がん患者向けの「長期フォローアップ手帳」の冊子版が作られており、
使用した薬剤の記録などができるようになっています。
 
ダウンロード版はこちらからご覧になれます!

 

 

 

こちらは各医療機関などで医師側から小児がんサバイバーの方に配布されることがあるそうです。

(部数が限られており、必ずもらえるものではないらしいです。詳細は把握しておりません。ごめんなさい!)

 

小児がん、AYAがんの長期フォローは、国のがん基本計画でも重要課題とされていますが、整理していないので省きます!



●RBに特化した「長期フォローアップ手帳」が欲しい!


さて、そういった素晴らしい歴史がありつつ。

RBの患者であり、親でもある我々が考えていたこと。

 

使う抗がん剤の種類は血液腫瘍などに比べれば少ないケースがほとんど。

義眼の話、形成の話、視力の話、視力からくる発達の不安の話も記しておきたい。

遺伝の話や二次がんの話は、他の小児がんとは少し事情が違う。

 

RBは乳児〜幼児期の治療が多く、本人の記憶は明確でないことが多い。

再発がなければ、経過観察の後は普通と同じ生活ができ、病院と疎遠になるケースもある。

大人になってから、なんか病気はしたけど小さい頃の話だしよく知らないよね、って人も出てくる。

 

などなど。

 

治療そのものの方針は親が決めていることが多く、その記録は親が(マメなら!笑)つけていても、

子供に正しく引き継げるのか、

そもそも、引き継がなければならない情報は何?


それから、医療的には必ずしも必要でない情報でも

親から子供に伝えたいこともある。


こんなに治療頑張ったんだよ、その時親はこんな気持ちだったよ。

たくさんの人に支えてもらったのだから、

これからも困った時は周りの人に支えてもらって、

他の人とは少し違うことがあっても、自信を持って生きていけばいいんだよ。


子供と二人三脚で、時には子供より心を痛めて治療に対峙した親のための手帳にもなるような。

そして、いつまでも心配が尽きない子供の手を、いつか離して、

ちゃんと自分で病気と付き合っていく長い人生の支えになるように。



そんな手帳があればいいよね、という夢を語るようなふわっとしたところから始まりました。



動き出したのは2019年。

どんな情報が必要か、専門の先生方に意見を聞いてまわり

他の遺伝性疾患の患者会で作成中の手帳を参考にし、

やっぱ素人に作るの無理じゃね?と嘆き、

助成金をもらえて小躍りしつつ後に引けなくなり、

我々にない能力(デザインやイラスト)を担ってくれる会員さんたちを見つけて再び小躍りし、

コロナ禍で全てが吹っ飛ばされて途方に暮れ、

助成金を延長し、

あーもう無理助成金は返金しようと匙を投げ、

周りに励まされ、なんとか匙を拾い、

弾丸で愛媛まで直撃して先生方に助言をもらい、

あーでもないこーでもないと夜な夜なペンをにぎり、

ダメだもう間に合わないし無理海外に飛ぼうと現実逃避し、

時々どさくさで仕事も放り投げ、

子供たちのためと言いつつ子供たちをYouTubeとドラえもんアンパンマン漬けにして放置し、

何度もzoomとLINEでやり取りを重ね、

締め切りギリギリでアドバイザーの先生方にも迷惑をかけ、

(これ書いててほんと迷惑かけすぎだろと今更ちょっと血の気がひいている)



2021年3月、なんとか周りの協力を得て完成しました。

「RB長期フォローアップ手帳」



表向きにはスカしてますが、何度心が折れかけたか、ここで堂々と力説させていただきました。

(なぜ我慢できなかったのか)




でも、完成した初版は本当に、想いがたくさん詰まっていて、

デザインもおしゃれでイラストも本当に心が和む素敵なものになりました。


どこかの患者さんとその家族にとって、

ふと迷った時に、ちょっとだけ背中を押す、心の支えとまではいかなくても、お守りがわりのような、

そんな役割を果たしてくれたらと思います。



●「第3回RBセミナー」の宣伝です。

コロナ禍でオンラインでやりとりしながら水面下でモゾモゾ作った手帳。

やはりきちんとお披露目がしたい。自慢したい。


なにより、褒めて欲しい!!!!!!



というわけで、告知です♡


第3回RBセミナー 

「小児がん長期フォローアップと網膜芽細胞腫」 

~RB長期フォローアップ手帳を活用する!~





国内で今力を借りられる最高レベルの先生たちが、

失礼極まりないペーペーのあがきに真面目に付き合ってくれて、

忙しい中、丁寧にアドバイスを頂けて。

セミナーにもご参加くださることが、本当にありがたく。


治療中、治療を終えたばかりのお子さんを持つ親御さんは、普段はなかなかそこまで考えが及ばない、将来の姿を想像するきっかけに。

若い成人の方々は、漠然とした不安や気持ちを整理するための手がかりに。

ベテラン成人の方々wは、「無病息災」ではなく、「一病息災」であるために、自分を誰よりも労わってあげるために。


「一病息災」は石田先生の受け売りです。




そして、二次がんや再発で追加治療をご経験した患者さんは、

他の小児がんに類似したプロトコルについても専門的なお話が聞ける機会だと思います。

さらに、他の遺伝性疾患や小児がんで、長期フォローについて勉強したい患者さん、

医療関係者の皆様も、もちろん参加可能です。


他の機会ではなかなか聞かない話が詰まっていると思います。





宣伝しなきゃと書いていたら、これまで頑張ってきた経緯を思いだしてものすごく感慨に耽って

鬼のように長くなりましたが。



オンライン参加だけでなく、ぜひ現地参加もお待ちしてます。


特に患者ご本人の方!

運営の中の人たちは信じられないほど緩く活動してますので、

メイクの話、音楽の話、野球の話、義眼の話、加齢の話など、

久々にリアルに対面でお話しできる機会なので、雑談がてら遊びに来てください!


患者のご家族の方も!

成人したらこんな感じで悩んだり楽しんだりしてるよ、という様々な見本がおりますので、

怖がらずにいらしてくださいね!!





弾丸愛媛(2021年10月)


隙間の時間に無理矢理松山城まで行ったら

暑すぎて具合悪くなるの巻。