2024.10 

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●選ぶ道は?

それまではただの同じ病気同士のセルフピアサボート(というと、なんか怪しいw)という名の愚痴の言い合いでストレス発散をしていましたが、
2018年春から、患者会なるものを作って、いろいろ考えねばならないことも出てきました。


その中でのジレンマが、
個人の考えと、患者会としての考え、の区別というか整理の仕方。

私も友人も、着床前診断(PGT-M)での次子を望んでおり、かつ、30代も半ばで、あまり悠長にしてる時間はない。
ところが、日本産科婦人科学会でPGT-Mが承認される確証があるわけでもなく。


会として最終的に目指しているものは、

遺伝性RBであれば(あるいは、ほかの遺伝性疾患でも)、病名とそれを確証づける遺伝子検査結果が出ており、ひいては夫婦が正しいカウンセリングの上で望んでいれば、PGT-Mが適用されること。

というものでした。

今後同じように結婚、出産を望む患者には適応されて欲しい。
それが、自分の子供たちの将来の選択肢を増やす、という意識もあり、
私たちの世代にたとえ実現されなくても、会の活動を続けていくという点は迷いはなかったのですが。
(もちろん、他の選択肢を選ぶならば、それについても、全面的に夫婦の決断を尊重する、という立場です)



とはいえ。


二枚看板とか、ダブルスタンダードと受け取られても仕方ありませんが、
日産婦が動くのが10年後だったら、私は40代半ばです。
んー、さすがに無理っす。って、なるよね?

将来同じ疾患の人や自分の子供が受けられるようにさえなれば、私たちは学会に承認されなくて諦めてもいいの!
といった自己犠牲なんて、まっぴらごめんだぜ。
私も友人も、今後の世代も、みんなの希望を叶えてこそ、活動する甲斐があるってもんです。


ということで、
実現するためには正攻法で徹底的にやる。
でも、私たち個人の希望だって、叶えたい。
友人の申請したPGT-Mが非承認だった場合の善後策についても、2人して調査研究、作戦会議が続きました。

やはり手っ取り早く海外渡航か?
いや、それとも、仲介業者を探すか?


気持ち的には、可能な限り早く、かつ、体の不調がないうちに産みたい!
という焦りもあります。




また、公開ラブレターになりますがw
タイプの違う私と友人。

ちゃっちゃと調べて気になったら即時突撃型の友人。
ビビりなので下調べして石橋を叩いて叩いて、叩き疲れて寝るタイプが私(使えない笑)


このコンビ、意外と相性が良くて。
お互い補いつつ、私は特に、友人の行動力に引っ張られて足を踏み出せることも多く、感謝しています。



海外でできる検査機関はどこがあるか?
医療機関の信頼性は?
PGT-Mの実際の方法は?
でもお高いんでしょ?(笑)等々。


仲介機関や海外の実施施設は意外と多く見つかりました。
(というか、友人が鬼のような速さでリストアップしてプレゼンしてくれた)
そして、ここはどうだろう?というところに風のように直電して、情報を集めてくれたのも彼女。
(あれ、私何してたんだろwていうかいいコンビとかいって、おんぶに抱っこだと今気づく)


問題は、こういう仲介機関は、丁寧なカウンセリングもなければ、金額もいわゆる言い値。
本当に信頼に足るのか、妥当な金額なのか、そこは不安が残りました。



そんな中、1つの転機となる出会いがありました。



●餅は餅屋

子育て、仕事、その合間に患者会として研修やセミナーに行ってみたり、善後策のための作戦会議を夜な夜な開いたり。


急激に外の世界との交流が増え、いろんな情報があちこちで繋がったり、奥の深さを知ったり世間の狭さを知ったり(笑)
隙間に卵巣嚢腫の手術もチャチャッと終えて、
毎週のように何か起こったり、変化があって、本当にめまぐるしかったです。



そんなわちゃわちゃした日々の中、
全く違う状況や場面で、不思議なほど連続して同じ先生の名前を耳にする機会がありました。
本当に今思い出しても何かに引き寄せられるような、不思議なタイミングで。

元々名前は知っていたけれど、というくらいの人でしたが、
一度、会ってみたいね!と、いうことになり。

張り切って私が丁寧なメールを書く。
数日待っても返事こない。
即座にその人のオフィスに直電し、予約を済ませる彼女(笑)惚れるわw
(ちゃんとメールも目を通してくださってました)


その先生との出会いが、いろんな意味で転機になりました。


話し方が難しいのですが、
これまで私や友人が深く実情や気持ちを伝えていたのはいずれもPGT-Mを希望していた病院での医師やカウンセラーさん。
つまり、主治医と患者の関係で。

2人で会いに行った先生とは、医療者と遺伝性腫瘍を持つ当事者という、持ってる肩書きは同じでも、利害関係などがないということもあり、
すっと、気持ちに寄り添って共感してくれたり、間違いや知識不足を訂正して補ってくれたり。

例えるなら、向かい合って悩み相談してたのが主治医。
すぐ隣に並んで座って、話を聞いてくれたのがこの先生、という感じ。

そして我々は素人で、向こうはロープー(笑)
持っている情報の量は桁違いです。
餅は餅屋。隣に座ってくれるお餅屋さん。


私たちも、本当にお悩み相談室のように、時間を惜しんで、これまでの活動や気持ち、葛藤などを
伝えることができました。

そして実際の様子はあれです。
親鳥に口開けてエサをねだるヒナたちの図(笑)

私「ピーピーピーピー!!」
先生「それは、これこれこれこれで」
友人「ピー!ピーピー!」
先生「ああそう、ならこれこれこうで」

初対面でこれを休む間も無く2時間くらい。


そしてもし、日産婦に申請する正攻法でPGT-Mができない場合について。

「海外でやればいい」という意見はこれまでの医師や関係者たちと同じでしたが、
より具体的な情報を教えてくれました。

検査機関の信頼性、海外の現状、国内の現状、金額の妥当性などなど。

私が、大学病院で勧められた海外渡航を決断できずに悩んでいるという話も、
「そりゃ、出来る人は行けばいいと思うけど、仕事も子供も生活もあるし、そんな簡単に決められないよね」
と、すっと共感してくれて、ありがたく思いました。


私の中の強硬派は、
それしかできる方法がないなら、仕事や家族への負担とかいってぐずぐずしないでやるべきだ!
やらないのは本気でやる気がないからだ!
と、火を吹いていました。

実際、普通の不妊治療でも、仕事を辞めたり休職したりして、新幹線や飛行機でまで通院する人もいるし。と迷う一方。


穏健派の私が出てくると
たしかにPGT-Mはしたいし、自然妊娠での賭けはもう絶対嫌だけど、
それは今、長男についての心配事があったり仕事が忙しいなりに、家族が日常を楽しく暮らせている生活を犠牲にして、波風を立ててまでやるべきなのか。
と、躊躇してしまいます。



最近別の医療者から聞いた話。

治療を受けたい患者が、
自宅に近いそこそこ専門的に治療ができる病院で治療するか、
飛行機で通わなくてはならない超専門の大病院で治療するか、
どちらを紹介するか、決めるのが難しい、という話。
ここでなければ治療できない!みたいな例は除外してです。


遠くて家族と離れたり負担が大きくても大病院の方が満足度が高いという場合もあるし、
家族がお見舞いやサポートできる近くの病院の方が治療の間のQOLは高く、患者も精神的に楽な場合もある。

それを聞いて、
昔も書きましたが、当時の私は「将来の輝かしい幸せな未来」のために、「今」を犠牲にするのが嫌だったんだなぁと思いました。
数回の海外行きくらいで大げさかっw



結局、いろいろ調べて石橋叩いて情報を集めたのに、一歩を踏み出せない私の悪い癖なのかもしれません。
ドーンと決めて、パパッと動く、ということが昔から苦手です。(夫はもっと苦手w)

ネチネチ悩んでるなら、さっさと決めたらいいのにねぇ。


でも、直撃型の友人の行動力や、
医療者と患者の垣根をすっと超えて、寄り添ってくれたこの先生のお陰で、
この出会いがあった2018年の夏以降、いろんなことが具体的に動き出したし、私も動き出せたと思っています。


私は、本当に本当に、人に恵まれています。
これから公的?にも私的にも、そういった方達に恩返しができるように、それを行動で示せるように、頑張ろう、と思う。
そうやってもらったエネルギーを他の人たちにも分けられる余裕を持ちたい。





そう、今洗濯物の山を目の前にして、そう決意してます。
ひとまずたたもう。