今年中に終わらせるはずの陽子線ブログを少しお休みしまして。
11月の日曜日、京都まで1泊2日で出かけて来ました。
目的は、たまたま今年日本で開かれた「国際小児がん学会(SIOP)2018」に患者会として参加するため。
ん?どっかで似たような記事みたような、と、お思いのそこの方(笑)
別目線ではどう見えるかでお楽しみください。
SIOP2018は16日から19日までの4日間。
さらにはその直前に日本小児血液•がん学会が開かれていたり、看護系の学会も同時開催していたり、小児がんの支援団体や患者会の大会(CCI)も同時開催の、大規模な学会ウィークでした。
日本小児血液がん学会の方にもRB関係の演題、または陽子線の演題もあり、とても興味があったのですが、
平日はさすがに仕事をこれ以上休むわけにも行かず断念。
さらに、土日は夫が奇跡的に休みで、長男とも一緒に京都入りして、土曜は観光するはずだったのです。
が!!
長男の喘息の咳が治らずキャンセルに|д꒪ͧ)…
パックツアーの旅行費、半分パーです(@_@)
さらに、旅館(京料理のお店併設)の朝食も、朝8時半からRBの演題があったため辞退。
そんな犠牲も払いつつ、
「本当にこんな素人が行って何か分かるのか」と思いつつ、
おそるおそる会場へ。
学会の学術大会は毎年別の都市で行われる慣例で、国際大会では世界のどこかの都市、となるため、
日本で開かれるのは本当にラッキー!なのです。
がんの子どもを守る会(のぞみ財団)が、がんサバイバーとその家族向けに、
参加費の助成をしてくれていました。
そのため、1日150ドルの参加費は半額程度の負担で済みました。
国内外で学会はたくさんたくさんあり、規模もバラバラ。
同じ分野でも細分化していたり似たような(失礼)名前の学会があったりします。
同じ分野でも細分化していたり似たような(失礼)名前の学会があったりします。
これまでちょこっと顔を出したことはありましたが、オール英語の大規模な大会は初めて。
朝8時半からの「RB患者の世界調査」に関する演題を聴講。
今回のSIOP2018に合わせた企画調査のようで、
欧米や日本などだけでなく、アフリカ大陸など途上国を含め、登録した医療機関で診察されたRB患者の統計データについての発表でした。
先進国では発見が早く治療が早い、比較的予後のデータもよい。
後進国では発見が遅れがちで、進行している場合も多く、予後も良くない
ここまでは「まぁそうだろうなぁ」という感じでしたが、
「両眼性(遺伝性)患者は途上国に少ない」
というデータはすこしびっくりしました。
一般的に両眼性の方が発症が早く、進行も早い。
発見が遅れるほど致死率はあがり、途上国では、結果患者数が少ない。
先進国では命が救える分、親子間遺伝もあったりで両眼性患者の絶対数は増える。
RBは「生存率の高い小児がん」と言われますが、
医療体制が整った先進国だからこそ、それが当たり前になっている、という側面もあり。
改めて、世界の医療格差(RBだけに限った話じゃないけれど)、ずーんと心が重くなりました。
え、その演題を英語で聞いて理解したの?
と、尊敬の念を抱いたかも知れないそこのお方(笑)
実は、同じく演題を聞いていたバイリンガルの先生に、
あとで答え合わせのように解説していただきました。
来年の目標は「英語力アップ」にしよう(実は毎年そう言ってる)、と固く心に誓った瞬間でした。
●主治医を質問攻めにする
こういった学会の発表は、1つのテーマをもとに何人か続けてスライドと共に口頭発表する形式と、
ポスターを掲示し、それを自由に閲覧できるポスター展示があります。
(時間を区切って、ポスターの前で発表したりもするそう)
RBの病名でプログラムを検索して、関係ありそうなポスター周辺をうろうろ。
RBだけでなく、初発の小児がんの種類別にまとめた二次がんの発生率の統計のポスターにたどり着き、
ソウルメイト(もういいよ)と2人でかじりついていたところ、
私と、長男と、そして友人の子の主治医でもあるS先生がふらっと登場。
先生自体も前日発表をされていたようなので、来られているのは知っていましたが、鉢合わせにびっくり!
それまでの社会科見学気分から、一気に姿勢が良くなる2人(笑)
そして、直立不動ながら、ありがたくも先生にいろいろ質問したり、展示の解説をしていただいたり。
普段、入院の時も外来診察の時も、超多忙で、なかなか質問する時間もないため、
気付いたら2人で質問攻めしていました。
治療まっ最中の子どもと違い、今すぐ命に関わることではないけれど、
30も半ばにさしかかった今、体調に不安な日も出てきました。
二次がんって、何にかかりやすいの?
どの検査を受ければ早期発見できるの?
そういった海外の統計や研究はないの?
検査を受けたい場合、RBのことをどう説明したらいいの?
そういう相談窓口は、国として作る予定はないの??
などなど。
もはや国レベルの質問まで一眼科医に答えを要求するという。
先生の答えは、
予想を遙かに上回るほど進んでいる研究とか、
これ!!とずばっと当てはまる統計があるわけではなかったけれど
今分かっていること、世界でやろうとしていること、
1つ1つ丁寧に説明してくださいました。
ここまでが自分でできること、こういうことが今世界で進んでいること
改めて整理できて、
金銭的にも時間的にも、少し無理してでも来て良かったと、心から思いました。
そして、居合わせた別の先生が、緊張しすぎてる我々に笑いながら、
記念写真まで撮ってくれました。
そういや、長男はあちこち先生や看護師さんと撮ってもらってるけど、
私、自分の主治医の先生との写真って、人生で初めてです(笑)
と言われた前と後の写真。
距離が縮まりました(笑)
●向き合うってこわいこと?
患者会で長期フォローアップの体制構築について触れているためか、
少し前、友人が、RBのお子さんを持つお母さんに
「あなたたち遺伝性RBのサバイバーは、いつも二次がんにおびえて生活しているの?」
と、質問されたことがあったそうです。
実際私が学生の頃はそんなこと気にもしてなかったので、
それを聞きたい気持ちはよくわかります。
その話を聞いてうーん、と考えたこと。
別に1分1秒震えて生活しているわけではない。
たいていの時間は笑って普通に過ごしているけど。
あー咳が続くなぁとか、
なんか、肘が痛いなぁ、とか
体が重いなぁとか。
それは子どもの風邪をもらって、副鼻腔炎になってるからだろうなとか
昨日、ずーっと抱っこで筋肉痛なんじゃないかな
とか、
疲れてるんだろうなぁとか、
直近の原因に思い当たるものがあったとしても。
ふっと頭をよぎるのは
「あー、なんかのがんだったらやだな。まさか、ね」
という思い。
普通の人なら、思いもしないだろうけれど、
まさか、が、まさか、じゃない可能性がある体だ、ということも知っている。
結婚する前、子どもが生まれる前までは、
「もうそうなったらそうなった時だよね」
と、半ば無知の開き直り、半ば楽観視していましたが。
子どもがいる今、
100歳までとは望まないけど、ある程度成長は見届けたい。
きちんとした情報を基にした自己メンテナンスでその可能性が向上するなら
怖いから、と目を背けている場合ではない。
そう思うようになりました。
そして同じ遺伝を引き継いでいる長男が育つ頃には、
二次がんについて、安心して相談できる窓口があればいいな。
いちいち自分で説明して、情報を探し回らなくても安心できる体制が整っていればいいな
と。
そう思うようになったのは、
同じ思いを抱えるソウルメイト友人の存在も大きいです。
「頭痛いー、腫瘍かなw」
「まじか、MRI撮りにいくなら、詳しそうな先生いないか一緒にネットで探すよw」
とか、一見不謹慎きわまりないやりとりをしながらも
不安を共有して、一緒に解決しようとしてくれる存在がいることが、
本当に、涙がでるほど有り難い。
理解してもらえるというだけで、こんなに前向きになれるのか、と自分でも驚きます。
そして、人体実験ばりにちゃんと検査して自分の体と向き合う彼女を、
私も見習わなくては、と、いつも力をもらっています。
なるかもし」ないし、ならないかもしれない。
2人に1人ががんになる時代、ともいいます。
なので、知らない権利もあると思います。
不安を抱えて苦しいなら、見ないふりで平和な日々が送れるなら、それもありだと思います。
でも、今回の学会でも、やはり明らかに、普通の人よりガンへの罹患率は高い。
知らなくて後悔するなら、
知れるかぎりのことは知って、出来るかぎりのことをして立ち向かおう、
どうせやるなら、将来同じようなことで悩む人たちのためにもなるように制度が整えばいいな。
今の私には、その考え方が合っているなぁと思います。
そして、少し勇気をだして足を踏み出せば、
まだまだいろいろ足りないなと思える現実だけど、
一生懸命応えようとしてくれる先生たちがいることも、長男を産んでから知りました。
学会の最中、遺伝カウンセリングについて専門の先生と話していて驚いたことがあります。
RB以外に、小児がんで遺伝性の腫瘍はあるのか、という話をしていました。
いろんな先生からすぐ出てくるのは、
リ・フラウメニ(Li-Fraumeni)症候群という、多発性がんの病名。
※難病情報センターのリンクです。
TP53遺伝子という遺伝子の変異で、肉腫をはじめ、いろいろな部位にガンができるそうですが、
RBとちがい、発症場所はさまざまなため、最初は別の単発ガンだと思われることが多いそう。
時間の経過と共に複数発症した場合など、希望した人が遺伝子検査をして初めて
病名として特定できる、という話を聞きました。
RBは両眼性なら遺伝する、ともう知られているので、心の準備もなにも、という感じですが、
1つがんを発症し、克服し、また発症し、「多発性」にたどり着くのは、とてつもなく恐ろしいだろうなぁと。
やはり説明を受けた上で、今は検査を受けないと決めるご両親もいるそうです。
知らなかったと後悔することもあるかもしれないし、
知ったことで受けるストレスも、患者の人生の質という意味でマイナスになることだってある。
分かってしまう怖さを選ぶか、分からないという不安を選ぶか。
遺伝カウンセリングの難しさを垣間見たお話でした。
やっぱり。
大事なのは、「知りたいと思ったときに、知ることのできる窓口があること」だろうなぁ。
そのために、せめてRBについては、日本の医療に命と生活を救ってもらった患者(大げさw)として、
できることはしたいな、と。
お土産と、関西に住んでるころ好きだったカツサンドをゲットするのに45分(@_@)
秋の京都の紅葉を見ることもなく、クタクタで新幹線に滑り込みました。
夫と、新幹線に乗れなかったことを嘆きながら、いい子で留守番していてくれた長男にも感謝です。
●RBセミナーのお知らせ
で、患者会の宣伝になるの?
と,お思いのそこの方。さすが!(笑)
宣伝する、って私、苦手なんです。
だから、興味があって知りたいと思った人だけ、
来てくれたらいいなぁと思います。
仕事以外で(というか仕事をしながら)、何かを企画するってすごく大変。
でも、学生時代の文化祭のように、アドレナリンがばーっと出てわくわくすることも多いです。
日常生活では普通の人々に溶け込んで生活しており、RBのことを話す機会ってほとんどないから、
それを堂々と経験を話せることへの安心感もあったり。
私自身、ここ最近、いろんな人の小さな一言に助けられる事が多かったので。
情報を必要としている人にで 一人でも必要な情報が届いたら。
それだけで、今年1年頑張ってきた甲斐があるなぁと思います。
患者会としては来年1月に初めて、専門家を招いてのセミナーも行います。
絶賛参加者募集中です。
会員でない方も参加できます。
今回の学会では長期フォローや二次がんの話の演目などが中心の印象でしたが、
来年のセミナーでは「遺伝」がテーマです。
遺伝子外来ってタイミングや勇気がないと行きにくい。そもそも行ったら何がわかるの?
と、患者さんやその親に聞かれたりすることが多く、その入り口になればということ。
また、私たちが経験した親子間遺伝について、正面から具体的に向き合おうと思っています。
ネットには「遺伝するかもしれません」から先が書いてない。 その情報が欲しかったのに。
まだまだ、遺伝については日本の体制は整っていないなぁと思うので。
ご興味があれば、ぜひ。
宣伝苦手と言いつつ、がっつり宣伝してしまった。
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