生物ー科目を超えて東大2次を凌駕する 3 | アニメ、カブト、クワガタ三昧そして東大理Ⅲを目指す受験生の方へ捧ぐ

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問2)A 植物細胞を高張液につけたときに顕微鏡で観察される、植物細胞に特有な現象は何と呼ばれている      か。名称を記せ。
   B この現象がおこる理由を、植物細胞の構造とその性質を考慮して120字以内で述べよ。

【解答・解説】
非常に簡単なサービス問題です

A 植物細胞を高張液に入れた場合、細胞内の水が外液に浸透します
  結果、原形質や液胞が縮小します
  しかし細胞壁は非常に堅牢なため、ほとんど変化せず、シュリンクした原形質が細胞壁から離れてしま  います

回答)原形質分離

B まず、植物細胞は外側(細胞壁)と内側(細胞膜)の2種類に分かれます
  そして細胞壁は全透性、細胞膜は半透性であるという知識
  この程度の問題であれば理由は皆受験生であれば理解しています
  問題は文章としてまとめあげる能力とキーワードをいかに入れ込むかです
  ①細胞壁は全透性
  ②細胞膜は半透性
  ③上記2点が原因で原形質分離が発生
  この3つを全て回答に入れる必要があります

正答例)植物細胞では、細胞膜のさらに外側を細胞壁が取り囲んでいる。細胞膜は半透膜であり、高張液中では、細胞内の浸透圧が外液と等しくなるまで水を出し、原形質が収縮するが、細胞壁は全透膜であり、厚く丈夫であるので変化しないため。(110字)

問題文の色分け部分と回答文の色分け部分が一致しているのがポイントです

因みに青本の回答)植物細胞の細胞は半透性に近いが、その外側に丈夫な全透性の細胞壁がある。そのため細胞を高張液に浸すと、細胞膜の内側の浸透圧が外液より低いので脱水され、細胞膜の内側の部分(原形質体)の体積が減少するが、細胞壁は形を変えないので、分離する。

青本の解答→70点

青の回答では前半に問題文の「植物細胞の構造」を書いています
この事自体は良いのですが
前半の構造説明記載箇所で、半透性、全透性に言及してはいけないのです
半透性、全透性は、問題文中の
その性質を考慮」の部分で記述しなくてはならないのです

かつ青の回答で2か所良くない点があります

植物細胞の細胞は半透性に「近い」
これは細胞膜を構成する主要な成分であるリン脂質には頭部と尾部があるが、頭部は親水性、尾部は疎水性であるので、「近い」という抽象的な表現を使ってしまっているという事がまず一つ
後は、半透性に「近い」という日本語が明らかにおかしいです
半透性に近いも近くないもありません
どうしても「近い」と言いたいなら、リン脂質の特性に言及する必要があります
ですがそこまで問題は求めていませんし、第一字数を超えてしまいます

無駄な2文字なのです

かつもう一点

細胞壁は形を変えないので、「分離」する。
問Aの回答が原形質「分離」です
「分離」という単語は使ってはいけないのです
前問題で登場したワードは次問題で直接使ってはいけない
回答間でループしてしまうためです