昨晩はインディージョーンズを夫婦そろって見た。
今日の夕食は美味しかったなんて、他愛のない話なんかしてた。
見終わって、歯磨きして、寝室へ行く前に、旦那に言う。
「携帯とか大丈夫?」
「もう寝室に置いてきたよ。」
インディー見る前に、私は寝室に旦那の携帯があることを知っていた。
しかし、知らないふりをして、
「携帯そんなところに置いてさ、鳴ったら娘ちゃん起きちゃうでしょ?」
と話ながら、二階の寝室へ行く。
「もういいかと思って、ごめん。」
布団に入って話を続ける。
「起きたら誰が寝かせると思ってるの?
娘ちゃんが寝ている時間に携帯鳴ることあるでしょ?」
「わかりました、気を付けます。」
ニヤニヤしながら、旦那は話す。
「それじゃ常にマナーモードにしておくよ。」
話の流れから、冗談交じりで旦那は言う。
「常にマナーモードだと、なんかやましいことでもあるのかと思っちゃうよ。
誰からメールが来たんだ?!って。
なんかやましいことでもあるの?」
私は話の流れから、これも冗談交じりに軽く聞いてみた。
「ないですよ・・・・」
歯切れが悪い。
「ほんとに?」
「・・・・・」
「ホントに?」
「ないよ・・・」
「どれくらいまでが、やましいことなのかな?
女の子とのメールはやましいよね?!」
「ないよぅー」
「携帯とか見ちゃおっかな?」
「いいよー見ても」
「じゃあ見るー。」
きっとやましいことなんてありませんから、見てもらっていいよ、と思っていたのでしょう。
私は旦那の携帯のメールを見出した。
「かえる(私)って人からいっぱい来てるねー。」
「そうや。」
「157って人からも来てるー。」
「料金の請求やー。」
「いっぱいかえるって人からメール来てるから、並びかえちゃおー。」
メールの受信履歴を差出人別に変える。
なんやらちゃん、
なんやらと名前を言う。この辺りは友達関係。
そして、以前エロ画像を送って来ていた同僚を発見。
もちろん、このことは内緒で見ていた時に知っていた。
「★ちゃんって人から来てる。」
「それはIちゃん」
私も旦那と同じ会社だったのでその方の本名を言う。
私はメールの添付されている画像を見て、
「なんか卑猥な画像ばかり送ってくるんね、みんなにも送ってるん?」
「さあ、知らない。」
イライラしながら旦那は答える。
ここで動画を発見。開いてみようとするが、ゲームのアプリが途中だったので、
「このアプリ終了させてもいい?」
と私は聞く。
「いいよ」
アプリ終了をさせ、動画が始まるのを待つ。
しかし、動画は始まらない。
「これ調子悪くてさ、動画とか。」
暫く待つがやっぱり動かない。
「電源切ってもいい?」
そう私が返事もほぼ聞かず、電源を切ったところで、
「もう、いい加減しろ!今日のかえるさんおかしい!!」
携帯を私から奪い取り、布団を払いのけ、一階へ行こうとする。
「はぁー!ちょっとなんなん?
私がおかしいってどういうこと?
まあいい、下で話そう。」
旦那のパジャマを掴みながら、私は答える。
一階のダイニングテーブルに向かい合い、私は座る。旦那は立ったまま、
「今日のかえるさん、おかしいって。なんなの?」
「なんなのじゃないよ。私、知っているんだ、SDカード のこと。」
「何の事?」
「画像とか動画とかいっぱい入っているよね。知っているよ。」
観念したのか、半泣き状態で私の隣に座る。
「そういうの、しょうがないと思っていたけどさ、娘ちゃんの生まれた日まで見てたよね?そういう日まで見るんだ。」
旦那はガックリうなだれた。
「誰の子だと思ってるの・・・私は産んだ後歩けないんだよ。血もたくさん出たし。そういう日に!!」
私は旦那の肩を掴み、キッチンカウンターに叩きつけた。
そのまま再び旦那はうなだれ、私は掴んだ手を更に強く力を入れた。
「そういう日にでも見てることが許せなかった。娘の生まれた日だよ!!」
「このこと一生忘れないからね!!」
「最初はこんなこと言うつもりはなかった。
きっと我慢してもらって大変な思いをしているって思ってたから。
でもさ、娘の生まれた日、
私や娘がそこにいる時間も見ているのが嫌だった。
さみしい思いをさせているって思って、一緒に寝て、私は努力した。
それでも、トイレで見たり、今日も見てたでしょ?」
「見ていない!」
「○○○ちゃんねる!」これはエロ画像が多くある投稿サイト。
「そんなことも・・・」
「あぁ知ってるよ、どんなサイトかも調べたよ。
素人の人の裸見ても興奮してたんだ!」
「プロの人ならまだ、許せる。でも素人だよ。
私が他の男の裸見て喜んでたらどう思う?」
「いやだよ・・・」
「娘の生まれた日も、日付が残らないDVDならまだしも、そういう日付が残っているの嫌だった。」
「私の努力も無駄だったのかな・・・毎日片付けはできてないけど、ご飯作ってさ、一人で育児してさ。
休みの日の朝もゆっくりしてもらおうと思っていたのに、そういう時間も見ててさ。」
旦那はうなだれながら、ずっと聞いている。
「携帯も忘れていかなっかたら、見ていなかったと思う。見たことは悪かった。
でも見たのも、やましいことがないと思って安心させる意味で見た。」
「見たことのほうが悪いのかな?私に対しておかしいって」
「いえ、悪くないです・・」
「でも逆切れしてさ、悪いなら悪いって言って。」
「悪くないです・・・」
「じゃあ謝ってよ」
「ごめんなさ・・・・」
「ほんと、もう、どうしようね? SDカードは?」
「会社です。」
「私にバレそうだと思って抜いたの?」
「いえ、そんなことはないです、差し込みの接触が悪いのか、エラーが鳴るから邪魔で抜いた。」
「ふーん、そうなの。
じゃあ明日持って帰ってきて、処分だね。」
「はい・・・」
「サイト、常習的にみてるもんね、どうしようか・・」
「・・・閲覧制限でもする?」
旦那は黙って携帯を持ち、私に見えるように操作する。
アクセス制限完了する、そして目の前でお気に入りに入っていた全部を消去、
ネットの接続履歴も消去。
「この前の喧嘩もこのことも原因なんだよ。
私置いて行った、仕事だけじゃなかった。車のこともあって楽しそうに出で行った。
あの時私、泣いていたんだよ。
知ってた?」
この辺りはお互いの言い分に勘違いが生じていた。
私は、わなわな泣いてしまった。
「知らなかった・・・」
私が泣いてたのは知らなかったらしい。
なんだか、とりあえず落ち着き、少し話をする。
「こういうの(Hなの)、見たいんだよね。」
「・・・・」
「それはしょうがないと思っているよ。」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「寝るよ・・」
「・・・・」
私は二階へ上がった。
興奮状態だったので眠れるはずもなかった。
携帯でこのことを忘れないうちにうっていた。
途中、トイレに行き、お茶を飲み、まだダイニングにいる旦那を直視せず二階へ戻り、
しばらくすると、旦那も上がってきた。
私も起きていたが、何も会話せずに、そのまま寝てしまった。