「ごめん…急にびっくりしたよね…」
体を離してお互いに向き合う。
声を出さず静かに涙する由依。
「嫌だったよね…」
少し距離を置きつつ、頭を撫でる。
触れられることは嫌じゃないんだ…。と少し安心する。
「ううん…」
首を小さく横に振るそんな姿でさえ可愛く見えてしまうが、泣かせてしまったという罪悪感が押し寄せてくる。
「由依…」
「違うの…」
「違う…?」
上目遣いで理佐を見上げる。
「その…ど、どうしようって…」
どうしよう・・・とは?
「理佐に触られるとね、ゾワゾワってしちゃうし、変な声出ちゃうし…」
「えっ?」
「い、今までね、お仕事の同伴とかで男の人も女の人ともその…したことはあるんだけどね…」
「うん」
同業者だったってことに落胆してない。むしろ、だから由依はこんなに綺麗なんだって思える。
「き、気持ちいいって思ったことなくて…あとその、下手…だし。得意じゃなくて。そのことをみいに相談したら、ここだったらそんな悩み1発で解決だよって教えてくれて…」
「そっかそっか…ん?」
「さっきみたいな感覚初めてで…どうしようって思っちゃったら涙出てきちゃって…」
言ってて恥ずかしくなったのか、正面から抱きつき、理佐の肩に頭を乗せる。
…いやいやいやいや、え?
え、ってことは、感じてみたいから、ここに来てくれたってこ…と…?
「…えええ!?」
「ひ、ひいたよね…」
可愛い。無理だ。食べたい。
「…由依」
「ん?」
「まだ緊張してるね」
「…?」
由依の腕をひっぱり、後ろから抱き締める。
「こういうことするときは、何にも考えなくていいの」
「うん」
「反応しなきゃ、楽しませなきゃーなんて考えなくていいの」
「うん」
「だからさ、私に身を任せてくれたら嬉しいな」
「ふふっ…ありがとう理佐」
由依に笑顔が戻り、一安心した理佐。
今は由依が理佐の手で遊んでて、すべすべーなんて子供みたいにはしゃいでる。
そろそろ上がらないとのぼせちゃうかな…。
「そろそろあがろっか?」
「そうだね、のぼせちゃう」
そう言って二人して立ち上がる。
「あとさっきはさ、襲って欲しくてキスしてきたんでしょ?」
「!?」
びっくり顔で理佐を見上げる。
コロコロ変わる表情、見ていて飽きないなあ…。
「えっちだなあ由依ちゃんは」
「え、だって、こういうところって、じ、自分からしないとダメなのかなって…」
顔がみるみる真っ赤になっていく。
「んふふ、でも勇気出してくれたんだよね、ありがとう」
「…恥ずかしいから言わないで」
そういって2人はバスルームを後にした。