チアリーディング観戦の翌日は、素晴らしい演技でエネルギーをもらえたというその満足感で幸せな気持ちである一方、ずっと前から楽しみしていたお祭りが終わってしまったのだというちょっとブルーな気持ちも入り交じり、独特な心境になります。
そして、拍手をしすぎて、手のひらはいつもと違う色ですし、押すと痛かったりします。
今回の大会は、特に感動が大きかったため、拍手も思い切りしましたので、いつもより重症です。でも心地よい痛さですね。
そして、ちょっとした瞬間に、休憩時間にかかっていた音楽が空耳のように聞こえたりします。
また、シャワーを浴びれば、その水の音が観客席の「ワー」という歓声のように聞こえますし、ときに、「Go Fight Win!」と聞こえたりもします。
また、しばらくは食欲旺盛となり、喉も乾いて、フルーツなどを沢山食べてしまいます。
これは、アリーナ席が飲食禁止で、ペットボトルの水分すら補給できないことにも関係するのかもしれません。
そして、寝ようとして目を閉じると、ダブルアップで3層目に乗ったりキックダブルしたりする選手の方がクルクル回る姿が目にうかんできたりします。
2日間の全演技を全く休まず拝見すると、こんな感じです。
社会復帰するためには、いつも2〜3日かかっています。
さて、準決勝の日の夜は、決勝のチケットをどのようにしたら譲っていただけるかと、いろいろ考えたり調べたりしていたため時間がとれず、結局、大学準決勝の観戦記は書けませんでした。
時間があれば、また思い出して書きたいと思いますが、とにかく決勝が終わりましたので、優勝争いについて印象に残った点を書き記しておきたいと思います。
準決勝を終えて、優勝争いは、ほぼ3チームに絞られました。
文理大、梅花女子、日体大です。
準決勝でのこれらのチームは、ひとことで言えば、ほぼノーミス。すなわち、全乗せです。
ただ、落下は無かったものの、3層目のトップの足が、やや落ちていたりとか、揺れていたというような細かな減点要素は、3チーム全てについて、あったといえばあったと思います。
いづれにしても3チームの得点差はわずかでしたので、決勝1本勝負と言ってよい感じになったと受け止めました。
そして、決勝戦。
3チームの中で最初に登場したのが、日体大。
13年ぶりのJAPANカップ優勝かと思って注目して見ていましたが、落下があり、準決勝の点数に届きませんでした。
このあとに控えているのが、ノーミスでなければニュースになるというほど例年完璧を期してくる文理大と、すでに準決勝でノーミスを出している梅花女子ですので、これでは勝負にならないと思いました。という以前に、すでに決勝演技の終わった帝京に合計点で届かず、優勝の可能性は完全に消えてしまいました。
しかし、日体大が準決勝で出した253.0は、男女比が2:14であるという最も不利な構成であることを考えれば、素晴らしい成績だと思います。(男子が1名なら女子チームの採点基準になりますが、2名から男女混成での採点基準になります。すなわち、男子2名は得点的には最も厳しい状況だと理解しています。ちなみに、今回の文理大は男子7名、帝京は男子1名でした。日体大については、今後、男子選手が増えることを期待したいと思っています)
日体大のキスアンドクライが終わると、梅花女子大。
スタートはいつものようにバスケットトスから。
ナショナルチームの選手紹介でもやっていた開脚のダブルツイスト。それを3基。
今の梅花女子大のトップ選手陣は、スター揃いであるだけでなく、個性というか魅力の方向がそれぞれ違った方向なので、見ていて楽しいです。
「なるほど、この選手が、これなんだ。」「そしてその一方で、この選手は、この役なんだ」「そして、これは3人ともやるんだ」のように、楽しめました。
タンブリングは、全員が着地を丁寧にバッチリ決めていました。こういう細かいところが勝負に効いてくる可能性がある状況でしたので、流石と思いました。
開脚で「クルりん」と回る私の好きなバスケットトスも中央でキレ良く決まって、演技も締まってきました。
そのあと、4人のトップが、2人づつの組で、上がったり下がったりロールしたりで、新しい展開が開けたと思ったら、いつのまにか、ヒルヒル4基の準備が整っており、ヒルヒル4基を見事に成功。
そして、2-2-1の宙返り乗りをひねり付きで行ったあと、その両側でも宙返り乗り。つまり宙返り乗り3基。
今回の梅花女子の演技構成は、ある高度な技を3つそろえ、また、次の場面では別の高度な技を3基で実施するというように、時間ごとに充実したテーマが決まっており、そのテーマが時間軸で紙芝居をめくるように展開していくという、そんなポリシーを感じました。
ダブルアップは、まずセンターで1-1-1。
このダブルが実にシャープに決まって、ミドルが「バシッ」ではなく「パッ」と一瞬にしてキャッチした様が、「ピタリ」な感じで、そりゃもう爽快でした。
と感動している暇もなく、両側でダブルの1-1-1を2基。
こちらは、ふわふわっと上がって、ひらりと乗った感じで、最初のダブルとは全く逆の魅力を持っていたのも多彩感の演出に一役かっていたと感じました。
その後、センターのトップが下りて、ひかえていたもうひとりのトップが、少し距離を出して、床屋のサインポールみたいに軸をしっかり出して優雅にダブルを回り、4つめのダブル成功。
ダブルをマスターしたトップが4人別々にいることを強烈にアピールをするという、例の演出ですね。
大学部門で優勝するためには、ダブル4個は必須とも言えますので、必要条件を、彩り豊かにクリアしたわけです。
これが成功した時点で、私はノーミスをさらに確信しました。
ここまでコチコチで見ていましたが、あとは、楽しんでみることができました。ふつうは、「このまま、ノーミスで終わってくれ!」とか「早く終わってくれ!」という感じになるのですが、今回はなんだか選手の方々の自信が演技を通じてこちらにも伝送されたようでした。
しかし、このあともフルツイストのトータッチ1-1-1タイムなど難所の時間帯があります。
しかも、上で書いたポリシーにそって3基での実施です。
期待して見ていますと、成功しただけでなく、ミドルはかなり高い位置でトップをキャッチしており、大成功であったことがわかりました。
最後は、両側フルアップでの3-3-4。
右側がちょっと低いか、と一瞬ドキリとしましたが、ミドルがなんなく手を伸ばしてスッとキャッチ。
むしろ、想定の範囲内の位置であったのかもしれません。
ここまで、落下どころか、細かなミスも全く無くきていましたので、最高の出来だったと思います。
得点は、準決勝の点を9点上回る267.5点。
文理大の準決勝の得点261.0点をも上回っていましたので、文理大の前に一歩出た感じだと思いました。
そして、文理大登場。
場内は興奮の最高潮に達しました。
JAPANカップ決勝ならではの、この興奮です。
演技の最初はバスケットトス。
偶然、梅花女子大と同じく、開脚つきのダブルツイスト×3基でした。
男子選手が上げるので、高さも高いし、開脚の位置も高いところで実施されていました。
すぐに6基のパートナースタンツにうつり、かなりの時間、連続技で楽しませてくれました。
男子選手の上での逆立ち6基などもあって、場内がわきました。
ただ、今回もヒルヒルはなし。(と申しますか、これだけ高度な技がテンコ盛りなのに、スイッチ技自体が無かったように思います)
少なくとも、2011年のJAPANカップから、これで7年連続で決勝でヒルヒルがありません。
Division 2 チームでは、ヒルヒルを沢山入れてきている文理大ですので、きっと、何か考えがあるのでしょう。
宙返り乗りは、ひねりつき後転の2-2-1が2基同時。
そして、前転の宙返り乗り2-2-1も2基同時。
これは、横から見せていました。見せ方がうまいですよね。
そして、2基同時のこの宙返り乗りの連続ですが、後転のときと前転のときで、同じミドルを使わず、わざわざミドルを入れ替えているのですよね。
ひねりつき後転を飛んだトップが、前転のときはミドルになっているんです。
そして、その交代の手際の良いこと!
見とれるような展開です。
3-3-4のピラミッドは、両側がダブルアップで乗ります。
このとき、トップ選手は地上で完全に正面を向いていますので、1.75ひねりなどではなく完璧な2.0ひねりです。凄いですよね。
そして、トータッチ1-1-1は、まず両側でフルツイストのトータッチ乗り。
そして、センターが、なんとダブルツイストのトータッチ乗りです。
1.5ひねりしたところで、足を開くので、力学の法則により、回転が一瞬止まり、また足を閉じると、急速に回転が復活して残り0.5ひねりします。
このアクセントが素晴らしい見栄えで、文理大の演技の中でも最高の見せ場だと思います。
ただ、むつかしい技だけに、キャッチする時点で低くなってしまい、足がミドルの手からすり抜ける形になってしまいました。
文理大のミドルですので、驚異的な筋力を持った選手と思われ、一瞬にして回復しましたが、トップ選手が斜めになった瞬間もまぶたに焼き付いてしまいましたので、ある程度の減点にはなったかと思います。
そのあと、ダブルアップの1-1-1のところでも、トスアップがやや低いところがあり、ここもごく軽微な減点になったかもしれません。
しかし、そんなことを吹き飛ばすように、7人の女子選手を7人の男子選手が片手で持ち上げ、場内から歓声があがりました。
ダンスは、なかなかエネルギッシュで良かったです。
私が今までに見た文理大のダンスの中で、一番良かったかもしれません。
あえてセンターを開けて、そのあとまたセンターに選手が押し寄せていくフォーメーションチェンジも良かったですし、ウエーブみたいになるところも、躍動感がありました。
私の席から当日見たときは、ダンスはもう本当に良いなと、そう感じました。
ところで、さきほど、ネットにあがっている動画を見たのですが、正面から見ると、後半部分で選手が縦方向に4列になるところで、選手が重なってしまい、私が当日見た、斜めからのほうが、ずっと綺麗だったなと思いました。
普通、ダンスは正面から鑑賞するのがベストですが、そうでないこともあるのだなと、ひとつ勉強になりました。
女子選手だけだと、完璧にピッタリ重なればキレイですが、男女混成だと身長やユニフォームも違いますので、重なるとなんとなく濁った感じになってしまうのかもしれないと思いました。
最後に細かいことを書いてしまいましたが、それでも、今回の文理大のダンスは好きでした。
そのあと、トップ選手を横向きに寝そべった形のまま持ち上げてアルファベットのTの字を作る技×4基でも、場内は沸いていました。
揺れることもなくピタリと決まっていましたが、男女混成チームの場合には、こういう部分での水平度合いもより厳しく評価されるのだろうと思いました。そして、相当に体幹を鍛えないと、あのように真っすぐにはならないのでしょう。
文理大の演技のフィニッシュは、珍しく0.25ひねりのトータッチ1-1-1×3基でした。
これはピタリと決まって、拍手喝采。
2〜3か所、やや、減点になりそうなところはありましたが、落下は無し。
さあ、どうなると、興奮も絶頂になりました。
そういえば、こんなJAPANカップが過去にありました。
それを思い出していました。
忘れもしない2013年のJAPANカップ。
あとのきも、帝京が最高の演技をした後、文理大が、ノーミス演技を完成。
「え、どっち!? どっちが勝ったの??」と場内が騒然としました。
そのときは、文理大が3.5点差で帝京を振り切って優勝しましたが、今回も振り切りがなるかどうか。
私の理解では、現在の制度では、女子チームと男女混成チームがどちらも最高中の最高の演技をしたときは、すごく僅差ですが、男女混成チームが有利。
難度などでより高い点数を出せるのは男女混成チームです。男女混成チームの採点表では、どの項目もほぼ満点に近くなると思われます。そして、減点の理由がなければ減点はされませんから、高得点がそのままつくと思われ、女子チームがひっくり返す余地がありません。
しかし、男女混成チームでは、より完成度が求められますから、小さな欠点でも大きくとがめられ、少しでも完成度が落ちれば、男女混成チームのほうにより大きな減点がいくように考えています。
という前提のもと、今回の演技を復習してみます。
演技構成は、文理大は男女混成での現時点での極限に近いものですし、梅花女子は女子チームでの極限に近いものでしょう。
そして、完成度はと言うと、梅花女子の場合は、上に書いたように、あったとしても極々軽微な不完全が1か所あるかないか。
対して、文理大は明らかな減点事項が1か所あり、他に極々軽微な不完全が1か所か2か所。
文理大の難度は凄いのだけれど、梅花女子に軍配があがる可能性のほうが大きいかなと思って得点のスクリーンを見ていました。
得点が出ました。
文理大の得点は、264.5点。
準決勝で得ていた文理大の貯金は役に立たず、逆転で梅花女子が優勝となりました。
キスアンドクライで「ありがとうございました」と頑張って発声したものの、一部の選手は、そのままうなだれたままの文理大。
あれだけの演技を完成させるには、いかほどの練習と努力をしたかということは、観客席の誰もが直観できたと思いますので、胸に迫るものがありました。
一方、会場のスクリーンは切り替わって、抱き合って喜ぶ梅花女子の選手の方々。
5年ぶりのJAPANカップ優勝です。
したがって、16人の選手全員が梅花女子大選手としては初のJAPANカップ優勝。
箕面自由出身者と、梅花中出身者を除く選手は、自身としても初のJAPANカップ優勝ということになったのだと思います。
25周年記念を拝見させていただき、選手の方々の団結力の強さと熱い雰囲気は認識しておりましたので、それが今回このように実を結んだものと思われました。