私は、チアリーディング以外のダンスを鑑賞させて頂いているときは、多くの場合、無心で楽しませてもらっています。

でも、特に素晴らしいダンスを見せてもらったときは、次のようなことを考えることがあります。

「この素晴らしさのうち、何割が衣装の効果で、何割がダンスの動きそのものの効果なんだろう」と。

一方、チアリーディング競技の中でのダンスは、全てユニフォームを着てのもの。衣装での工夫の余地はありません。

コミカルさを表現をするときも、どう猛さを表現するときも、衣装は同じです。

だから、チアリーディングの場合、ダンスが素晴らしければ、それは全て「振り付け」と「ダンサー」に起因するものと言えます。衣装の差に左右されることはありません。

実は、ここが、チアのダンスの好きなところです。

なぜならば、「振り付け」の工夫と「ダンサー」の努力をダイレクトに感じることができるからです。

また、ユニフォームは年ごとに変わったりはしませんし、チームが違っても極端に大きな差はありませんから、年月を超えて、チームを超えて、良かったとか、感動したとかの度合いの比較ができます。

実は、私のもうひとつの趣味であるクラッシックバレエ鑑賞にも、似たところがあります。

白鳥であろうが、金平糖の精であろうが、シンデレラであろうが、ジュリエットであろうが、基本的にはチュチュと呼ばれるほぼ同じ衣装で踊ります。

それでも(というよりだからこそ)、その役になりきるための動きの上での様々な工夫が楽しいし、ダンサーの個性の違いもたっぷり楽しむことができます。

というわけで、バレエのダンスとチアのダンスは共通点があるように思います。

さて、そうはいっても、衣装での表現が許さるか否かで、表現の可能性がどれほど変化するのかということは、やはり気になるところです。

第一の疑問は、次のようなことです。

普段は凝りに凝った衣装を身に着けているダンス専門の人が、ノーマルなチアの衣装で踊ったらどうなるのか?

そして、第二の疑問は、次のようなことです。

チアリーダーの方が、いつもとは違う派手な衣装で踊ったらどうなるのか?

今回、11~12月に行われた梅花高校と箕面自由学園の公演で、この2つの疑問を解くヒントにつながるパフォーマンスが行われましたので、今日はそれを報告します。

(1)梅花高校チア10周年記念

まず、梅花高校の公演で、第一の疑問に対する答えが少し見えた気がしました。

そうです! 同志社香里のダンス部の方々とのコラボ演技の部分です。

ここで、同志社香里の方々は、上は梅花の10周年Tシャツ、下はチアリーディングユニフォーム風のスカートという出で立ちで踊られました。

ほぼチアリーディング競技で見るような雰囲気!

色は上下とも紫色で綺麗でしたが、舞台衣装としてはむしろ地味な感じです。靴が白でなく黒であったところだけが、あえて言えばチアと違うところでしょうか。

その条件で、踊るは、ダンス専門に特化して厳しい訓練を重ねてきた方々です。全国大会で準優勝の実力!

さあ、どうなるか、かなり期待して拝見していたわけです。

結果としては。。。。

やはり、服装が特別なものでなくても、ダンスから受けた感動は特別なものでした!!

どうなるかと期待して見ていただけに、かなり感激しました。

ダンスの最初の10秒程度で、すでに「おおっ」っと思うものがありましたよね。

全身を音楽にあわせて沈めていく部分の素晴らしさ、そして、特に気に入ったのは、足の使い方です。斜めに足を振り出すポーズが高速でとても格好良く、また音楽で受ける抑揚とか効果音(拳銃の音?)にもピッタリあっていて、見ているほうもグングンと音楽に乗せられていきます。

また、手をバタバタバタッとするところなどは、1、2、3、4、というダンスのカウントとか体操的な動きとは異次元の刻みでした。音楽に対する表現がさらに深まる感じです。

やはり、ダンス専門で訓練した方々は、それはそれで凄いや!と思った次第です。

また、これを見て、チアのダンスも、まだまだ発展の余地があることがわかりました。

梅花高校は、今回の見せてくれたコラボ演技のテーマどおりの「ベストフレンド」である同志社香里から、いろいろ吸収できることが今後の強みになってくるような気がしています。

実際、前にブログで書いたように、過去の大会では「梅花高校で足を斜め横に高速に出すところが格好良かった」と印象に残ったことがありました。このあたり、同志社香里の特徴につながっていると見えないこともない面もあり、すでに良いものを伝授されているのかもしれないと思っています。

なお、梅花高校がJAPANカップで優勝を狙うためにも、ダンスはキーになるポイントだと思います。

素人考えですが、箕面自由学園は超高難度のスタンツばかりが注目されていますが、実はダンスでも高得点を取っているはずです。完璧な同時性と力強い動きで、いつも高校部門内で1~2位であることは、ほぼ確実ではないかと思っています。

そう考えると、ダンスで箕面自由を抜くことは優勝を狙うときには必須なポイントだと思います。

その作戦に、ベストフレンドである同志社香里からも協力があるとすれば、今後の大会ではダンスも重要な見所になるのではと、ファンとしても期待しています。

(2)箕面自由チア25周年記念

箕面自由の公演では、プレビュー公演において、私にとっては非常に貴重な場面を見せて頂くことができました。

オープニングの途中で、「えっさホイおどり」みたいな和風で威勢の良い踊りがあったのですが、そこでのみ、十数人~二十数人程度が、チアリーディングのユニフォームでなく、独特のギラギラの派手な舞台衣装をまとって踊られたのです。

ここは、衣装も素晴らしかったし、ダンスも活き活きとしていて、とても気に入ったシーンでした!

さて、今回貴重だと言ったのは、何度か見せていただいた中で、たった一回だけ、たぶん着替えが間に合わなかったのでしょう、ベアーズのユニフォームのまま、その踊りを踊られたのです。

三角形のフォーメーションになって、ベアーズのユニフォームの選手があらわれたとき、「やった!これは素晴らしい!」と思いました。

この素敵なダンスを、ユニフォーム姿でも拝見できるという喜びもありましたが、もっと嬉しかったのは、特別な舞台衣装での踊りと、ユニフォームでの踊りを比較できたからです。

つまり、上で書いた「第二の疑問」に対するヒントが得られるかもしれないということです。

普段、Tシャツチアパンの練習姿はTV等に映ることがあり、それとユニフォームの比較ができる機会は比較的多いのですが、チアパンとユニフォームではあまりにも差が大きくて、衣装効果の考察にはあまり役に立ちません。

でも、特別な舞台衣装と、ベアーズの正式ユニフォームなら、どちらも完璧ですので、衣装の効果の差をダイレクトに感じることができます。

で、はたしてどうだったかというと、やはりベアーズのユニフォームで踊っても、そこは普段の競技チアのダンスパートとは一線を画した、プラスαのあるものでした。

もちろん、特別な衣装を着るときには、さらにプラスβがあって最高だけれど、特別な衣装でなくても、そもそも踊り方自体とか気持ちの入れ方やモードが違うのでしょう。

今日の結論は、

1.同志社香里ダンス部のダンス。チア風服装で踊っても、特別な何かがあった。
2.箕面自由学園高校のチア部のダンス。競技会で拝見できるのはその魅力の一部に過ぎず、実はもっと可能性を秘めている。

の2つです。衣装とダンスの関係については、機会があれば今後も考察していきたいと思っています。