「12:12:5」

この数字を見て、JAPANカップの決勝進出枠だとピンときた方は、かなりのチアリーディング通ですね。

高校部門12チーム、大学部門12チーム、社会人部門5チーム。

合計29チーム。

これが、2013年のJAPANカップの決勝枠です。

現在、毎年必ず放送されるチアリーディング競技の全国放送は、NHKのBS1のJAPANカップ中継だけ。

この最も重要な放送において、演技がノーカットで完璧に放送されるという、最高に栄誉ある扱いを受けられるのが、この29チームです。

したがって、この29枠の配分は、最も注目を集めているところだと思います。

さて、この決勝枠、2013年は、「12:12:5」でしたが、私がチアを見始めた2010年には、「8:12:7」でした。

次の年である2011年に、社会人の2枠が高校に移動されて「10:12:5」となり、その2年後の2013年には2枠純増で「12:12:5」となりました。

大学の枠は12のまま変わっていませんが、高校はこの4年で5割も枠が増えています。

今日は、この枠の大きさについて考えてみます。

以下の帯グラフは、高校・大学・社会人の3部門に絞って、チーム数の割合を示したものです。



一番上の帯が、協会への加盟団体数です。

最も多いのが大学で130団体、次は高校で118団体、最後が社会人で71団体となります。

上から2番目の帯が、JAPANカップの予選と位置づけられている地方大会へのエントリー数です。もちろん、Dividion 1 へのエントリーに限定して数えてあります。

ここで高校と大学の逆転現象が起こります。高校は登録118団体から95チームがエントリー。エントリー率は、81%です。一方の大学は、130団体から63チームですので、エントリー率は、48%にとどまっています。おそらく、一時的に休眠しているチームや、選手数が8名まで届かず予選には参加できなかったり合併したチームが多いものと思われます。

このため、予選出場チーム数では、高校のほうが多くなり、次が大学となり、逆転が起こるわけです。

ちなみに、社会人の場合は、Bチームも、Dividion 1 へのエントリーが認められていることもあり、エントリー率は、49%と大学を僅かに超えています。

上から3番目の帯が、準決勝進出チームです。僅かに大学が盛り返しているのがわかります。

原則としては、準決勝枠はエントリー数に応じて比例で配分されますので、高校と大学の割合は変化しないはずですが、エントリー数が5に満たない地区では得点の絶対基準で準決勝進出が決まることと、フライデートーナメントから準決勝に勝ち上がるための基準点(170点)に大学と高校で差がなく、これにより大学のほうが僅かにフライデーから勝ち上がりやすいためだといえます。実際、フライデーから準決勝に勝ち上がったのは、高校で7チーム、大学で9チームでした。

上から4番目(一番下)の帯が、決勝枠です。これが「12:12:5」と大会前から決められていたというわけです。

さて、「12:12:5」は、理にかなっているでしょうか。

私の考えでは、予選出場したチーム数に比例して枠を決めるのが最も合理的と感じます。つまり、上から2番目の帯と、一番下の帯を一致させるという方針です。

その考えに立つと、「14:10:5」ということになります。

つまり、決勝に進出できる割合が「12:12:5」である現状は、高校生には少し可哀想ということになっていると思います。

予選エントリーチームが決勝に進出できる割合は、大学で19%であるのに対し、高校は13%となっているからです。

しかし、今年は、偶然、同点が出たために、高校部門は14チームが決勝進出しました。そう、ちょうどぴったりと合理的なチーム数になったのです。チアの神様が、高校部門に不利のないようにしてくれたのかもしれませんね。

いずれにしても、「12:12:5」では、若干、高校部門に薄いということがわかります。

しかし、だからと言って、「14:10:5」にすべきと主張するつもりはありません。

なぜなら、高校部門の多くの選手は、大学へ進学してもチアを続けるからです。であれば、高校のときにギリギリで決勝に進出できなくても、また大学でチャンスがあるわけですから、大学のほうを若干決勝進出しやすくしておいたほうが良いと考えます。

社会人になってもチアを続ける選手はそれほど多くはありませんので、大学が最後のチャンスという選手が多いでしょう。大学のほうをほんの少し手厚くしておくのは良いことだと思います。

また、応援団部門の件もあります。応援団部門から1~2チームが安定して出場できるようにという意味で、枠を若干広げておくのも良いでしょう。

そう考えると、現状の「12:12:5」はかなり妥当と言って良いと思います。

さて、今後は、どうするのが良いのでしょう。

観客の立場としては、どの部門も、もっと枠を増やして欲しいですよね。

例えば、2013のJAPANの高校部門で言えば、茅ヶ崎、駒場学園、如水館、大濠高校あたりが、ギリギリで涙をのんでいます。どのチームも、ぜひ、決勝で見てみたいチームですよね。

大学部門では、早稲田、桜美林、明治、立教学習院、東海大学、あたりが、ギリギリで決勝進出できませんでした。こちらも、観客としても、ほんとうに残念でした。

というわけで、増やせるなら増やしたいのです。しかし、そうすると、BS1の放映時間の関係で、キスアンドクライがカットされてしまうなどの問題が出てしまいます。

私の提案は、「同点が生じても進出チーム数が増えないようにする」ことです。これは、多数の審判員から高い順位評価を得たチームとか、全審判員の合計得点などの基準を使えば可能です。

そして、その代わりとして、枠の数は、ギリギリまで増やすのです。

これによって、同点に期待することなく、ギリギリ最大限の演技を決勝で拝見することができます。

今年の放送を見ると31チームも出場してしまうと、放送にはかなり無理が生じていました。

そこで、現状の合計29枠から1枠だけ増やして、合計30枠として、以下の配分はいかがでしょう。

「13:12:5」

これでも、(決勝進出率は14%にとどまりますので)高校チームには若干不利ですが、上であげた考え方も加味すれば、このくらいが丁度妥当かなと思います。

ちなみに、同点が出ても順位付けするという方法は、日本のチア競技の方法を海外に輸出するとき、より不正に強い方法として紹介するためにも良い方法だと思います。なぜなら、世界は広いので、地域ごとにいろいろな文化や固有の力関係があり、場合によっては「なんとかこのチームをボーダーのチームと同点にして予選通過させてくれ。他のチームが困るわけではないから、いいじゃないか」と、ゴリ押しでねじ込もうとするような不心得者がいるかもしれないからです。もちろん審査員の方が動じることはないでしょうが、厄介は無いにこしたことはありません。予選進出チーム数を厳格に固定することで、このような懸念を未然に防ぐことができます。

その他、チア競技大会を生中継しようとしたとき、演技数が固定であれば、タイムスケジュールを大会開始前に確定できるので、TV局もずっと安心できると思います。