前の記事に続いて、梅花中学校・レイダースについて書きます。

今回のチアリーディング大会の演技の中で、
一番楽しかったのがこのチーム。

もともと実力はありながら、
夏のジャパンカップでは、後半、大きく崩れてしまって、
大変残念だったのですが、今回はやってくれました!

何が楽しかったって、新規性、独創性のあるところ。

チアの採点項目に、「オリジナリティ」ってのがあったらいいなあと
いつも思うのですが、今のところありません。

それでも、がんばっていろいろ工夫してくれるチームがあるのは、
嬉しいですね。

そもそも、中学の部では、安全規則上、3層は許されていないとか
制約がありますので、普通に考えたら面白みは制限されるはずです。
ところが、今回のレイダースの演技、
「お!」というのが沢山あって楽しかったですね。

最初の見せ場は、オリジナリティあふれる連続技。

まず、トップ2名が別々のベーズ陣にあげてもらった高い位置で、
前屈状態になります。

柔軟性を試すために床に手をつけるような姿勢です。
体操の段違い平行棒などでは選手がよくやる姿勢で、
腰が鋭角に折れて、選手の柔軟性をアピールできる姿勢ですが、
チアでは意外に、ほとんど見ない姿勢ですね。

と、思っていると、そのまま、蒸気機関車のピストンのように、
あるいは遊園地のブランコのように、トップ選手が床すれすれを通って
ぐるっとまわされ、あっと思っていると、何と2名の選手が
エクステンションの位置まで上げられて、今まで別々だった2人が
互いに肩を組んでキメのポーズ。で、これで終わりかと思いきや、
いったん2人が倒れて起き上がったらトップが3人になっていていました。
これが最後のキメポーズ。

この長い連続技、すごい充実感でした。スピード感も満点。
3層が禁止でも、こんなに見ごたえのある技が創れるのですね!

第2の見せ場は、4基が、ボーアローから、スイッチして、
スケール。

梅花高校のスケールを思い出しました。
独特の綺麗さをもっています。レイダースのスケール。

そして、第3の見せ場。

第1の見せ場ほど長い連続ではないですが、
自分が今回一番気に入った技です。

ベースの選手団の後ろに隠れて、
トップ選手が後方からタンブリングで入ってきます。

そして、逆立ちしたところを、ベースががっちり捕まえて
足がV字形に固まった逆立ち状態で、祭り上げられるというもの。

なにしろ、あまり見えないところでタンブリングして入ってくるので、
正面から見ていると、唐突に、綺麗な足2本が、
にょっきりと、突っ立ってくるのです。

観客席からも「え?」という声が聞こえました。

ちょっとミステリアスな感じです!

何を連想したかと言えば、
ミステリー作家の横溝正史原作の映画「犬神家の一族」。

自分は、この技を「スケキヨ」と呼ぶことにしました!

今回は、可愛い中学生が演技されているので、
「犬神家の一族」というよりは、同じ古い日本映画でも、
今は亡き、相米慎二監督による不朽の名作「台風クラブ」の
ラストシーンの逆さの足のほうがピッタリくるのではないかと
言われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、やはり、ミステリーな印象を尊重すれば、
「スケキヨ」でしょう!

それはともかく、2人のトップが、そのスケキヨを行ったあと、
どこを、どう支点にとったか分からないほど高速回転させられて、
トップ2人が表返って、キメのポーズ。
このとき、トップの顔が後方から前方に立ち上がってくるので、
前髪が額にちょっとかかって、なかなか可愛い感じでした。

ミステリーな感じから、一転して、可愛い笑顔になるという
コントラストの高さが、たまりません!

ヤラレタ! って感じです。

以上が、一番気に入った第3の見せ場の全貌です。

そして、まだまだ演技は続きます。

第4の見せ場は、トップがエクステンションの位置で
ボーアローをやる直前に、540度回るというもの。
例の、ふわふわです。

世界選手権のグループスタンツで高校1年チームが実施して
みんなを驚かせた回転角度540度を、なんと4基です。
ちょっとぐらついた基もあったけれど、全員残しました。

第5の見せ場は、左右両側のキックダブル2基と、
中央は、3回転しているので、キックトリプル1基。
スカートが真ん丸にひらいて、大輪の花。綺麗です!
キックも鋭かった!! 
頭のてっぺんまで蹴っていたように見えました。

梅花女子大、梅花高校と並んで、レイダースのお得意技ですね。
観客席からは、「お~~」の声が聞こえました。

第6の見せ場は、開脚でベース陣の上に乗ったトップが、
630度(1回転+3/4)するというもの。
そして、驚く間もなく、このあと、怒涛の連続技で
フィニュッシュまで行きました。

2~3箇所、ヒザが曲がったり、ふらつく場面はありましたが、
脅威の回復力でリカバリーしていました。お見事です。

これだけの難易度、初お披露目で、一度も落下しなかったのは
素晴らしいとしか言いようがありません。

選手たちは、青マットの上で、全身で喜びを表現され、
駆け出して退場されていきました。

まさに、台風が去ったような、そんな感じでしたね。
しばらく唖然としていました。

この演技で、223点。

ラインオーバーがあって、最終的な得点は、
218点になりましたが、それでも2位の箕面自由学園中学に
15点以上の差をつけての堂々たる優勝となりました。