笑顔のきずなの紹介記事の最終回です。

番組のラストは、ジャパンカップのシーンです。

代々木第一体育館の全景が映り、ナレーションは。
「気持ちを、ひとつに。。。ジャパンカップへ」

見ているほうも、気がひきしまります。

梅花高校の選手団が、門から体育館までの、
あの長い上り坂の道を歩いてきます。

「おはようございま~す」
「おはようございます」
「おはようございま~~す」

これですよね! 

チアリーディングの選手たち。チームが違っても、
みんな、気持ちよく挨拶します。いつも関心します。

この1年、代々木体育館で、入場を待つ列に並んでいても、
この清々しい挨拶が爽快に飛びみだれるので、
いつも、代々木の待ち時間は、気持ちよく過ごせるんですよね。

それはともかく、やってくる選手達に混じって、
梅花高校のコーチの顔も見えます。

今、見直して気づいたのですが、日本文理大の選手が
入ってくるところも、カメラは、しっかり、捉えていますね。
チアリーディングの番組って、作っている人が「通」だから、
説明無しでも、重要なシーンはキッチリ入れてきますね。

ちなみに、日本文理大の選手たち。さすがに貫禄が違います。
この場面だけ見ても、強豪チームの選手から出ているオーラは、
明らかに、際立っているように思いました。

充実した練習の結果として得られる自信が、
このオーラを作り出すんでしょうね。

天気は、どんよりした、曇りです。
地面が濡れているのは、にわか雨でも降ったからでしょうか。

そして、前回の優勝杯返還のシーン。
もちろん、箕面自由学園です。7連勝めの優勝杯を返還します。

そのあと、梅花と箕面の演技直前の様子が映ります。

梅花のほうは、選手達を正面から捉える、梅花コーチの
視点での映像です。みんな、ドキドキしつつも気持ちのよい
緊張感にひたっているような、良い表情しています。

見ている視聴者も、コーチの気持ちになって、
「がんばれよ!」という気持ちになります。

対して、箕面自由の選手の様子は、
TVカメラが、あえて、遠くから選手をとらえます。

しかも背中姿が多くて、ふと振り返ったコーチが怖い顔をして
いるという、「敵チーム」的演出での映像になっています。

「梅花の前に立ちはだかる超強豪チーム」という印象が
はっきり感じられる名演出です。

さて、いよいよ梅花高校の決勝演技。

このとき、観客席での梅花コーチが映るんですが、
このときの仕草が、何度見ても、胸にささるんですよね。

こぶしを握った右手を、振り上げるでも叩くでもなく、
ものすごい力で「びびびっ」て、振るわせるんです。

もう、明らかに、「がんばれよっ」って気持ちで、
感極まった様子なんですよね。
結果を知っていて、これを見ると、結構せつなくて。。。

そして、演技が始まります。

冒頭から、1.5を2基を成功とか、レベルは高いです。
ひとつ成功するたびに、コーチが「OK~!」と叫びます。

次々を難関の技をクリアしていき、ナレーションは、

「あとは、逆シャチと、最後のスタンツ」

そして、逆シャチ。成功です。

ところが、その直後、向かって右側で
1-1-1を作るとき、崩れてしまいます。
それも、大きな崩れで、ミドルまで落ちてしまうのです。

「演技終了直前の右側の1-1-1」という点では、
前年のジャパンカップの決勝と全く同じで、
あたかもブルーマットに住む悪霊がまたも現れた感じ。

しかし、決して突発的な出来事でないことは、
逆シャチのところから見直してみると、明らかです。

すでに逆シャチのところで、前後に揺れてしまっているのです。

梅花コーチが、この番組の冒頭の練習シーンで、
「16人のひとりが、ちょっとでも、だめかな、と思ったら
もう終わりだって!」と、おっしゃっていましたが、
あの揺れで、ごく一部の選手に「もしかして、だめかな」
という一抹の不安が心を横切ってしまったのかもしれません。

なんだか、そんなことを感じさせるような、ある意味、流れの
中で必然的に生じてしまったミスだったように思えます。

ミスの直後が、もうフィニッシュ。

片方の翼をもぎとられた鳥のような、
ラストのキメのフォーメーションが痛々しい。。。

いずれにしても、またもや、最後の最後で失敗ということで、
梅花の選手は、涙を流しながら退場します。
いや、声をあげて、泣いていらっしゃる選手もいました。

梅花のコーチが、目に涙をいっぱいためている姿も映ります。
でも、なんだか表情が麗しくて美しくて、
単純に悲しんでいるのではなくて、
選手への愛情みたいなものが感じられます。

「何を考えているんだろう」と、
いつも考えさせられるシーンです。

そして、箕面自由学園の登場。

そうです。もう、みなさん、予想されていると思いますが、
堂々として、女王らしい演技です。
バスケットトスや、スタンツで、
左右の2基が、ぴったり揃っている。

それを、ぼうぜんとして見る梅花の選手たち。

梅花の多くの選手が泣いていますが、このシーンを見て
強く印象に残っているのは、ひとりの1年生選手。

2010ジャパンカップで、距離をとったトータッチでの
トスアップを成功させたトップ選手です。

ひとりだけ、泣かずに、仁王立ちのように立ち尽くしているのです。

なぜ、印象に残っているかというと、重なるものがあるからです。

そうです。

2010のジャパンカップで冒頭のダブルを行った
箕面自由学園の1年生のトップの選手です。

箕面自由学園が優勝を逃したあと、コーチが、
「よくやったよ」「あんたら悪くないんだよ」などと慰めて、
ひとりひとり抱いているシーンがありましたが、
そのとき、この1年生選手だけが、涙を見せずに気丈な態度で、
やはり仁王立ちのように立ち尽くしていたのです。

梅花の1年生選手は、このあと、3年生になって、
梅花高校初優勝という歴史的シーンに貢献しました。

きっと、箕面の1年生トップも、これから、いろんな花を
大きく咲かせていくんだろうなあ、と思ったりするわけです。

話がそれました。

結果発表。

やはり、箕面自由学園優勝です。

抱き合って喜ぶ、箕面チーム。
廊下で並んで座って涙する梅花チーム。

箕面のコーチにインタビュー。
梅花の印象を聞かれて、
「○○コーチの思いのつまったチーム」と。。。

この番組での、箕面コーチは、名ジョークは皆無だけど、
ズシっという名言を、いくつもおっしゃいます。

会場あとかたずけの中で、梅花選手にコーチが駆け寄ります。

「みんな、がんばった!」と、
悲しいかな、前年と全く同じセリフの梅花コーチ。

ただ、そのあと、コーチの
「来年も、挑戦者でがんばろうねっ」に対して、
選手達が元気に「はいっ」で、
見ているほうは、少しだけ救われます。

会場を出ると、外は雨です。

この年は、雨のジャパンカップ決勝だったんですね。

こうして、2008ジャパンカップは幕をとじました。

番組もここで終わるわけですが、みなさんご存知のように
次の年は梅花高校がさらにレベルアップして、準決勝を
1位通過。

ところが、その直後に梅花高校選手の中から
インフルエンザ患者が出てしまい、決勝を辞退。
箕面自由学園の9連覇となるわけです。
梅花高校が優勝するのは、
さらにその次の年の、2010年になるのです。

長い長い、感動的なドラマですよね~。