その晩
遅く成って仕舞ったので
と
律子さんと
少年と
春さん
三人は 一緒の部屋で
その間
貴方は
アリバイ作りの為
「工作」に奔走して
帰国する時に
律子さんに 大層お礼を言われたけれど
僕の
告白 何て云うものは
律は
此のときは
もうすっかり忘れて仕舞ったのかな
そんな風に
思って居ました
此のページを 見る迄はね
と
日付は
帰って来た直後
丁寧な
細かい文字で びっしりと
支えてくれるひとが居て 今の自分が有る事
其の感謝と
黒い髪の
子供の意志に
釣り合う自分では無い事の哀しさ
「彼は
本当に私の為に 何時も奔走してくれて
彼が
本当に私に忠義を尽くしてくれる事
なのに
私と云う女は
何時も 何て申し訳ないのか」
此の頃
律子さんは 何度かアメリカに行く事が有ったようだけれど
或る時は
他の側仕えの方
或る時は
会社の要職の方が随伴をして
その内の何度かは
兄・息子 と
ノートに書かれているので きっと逢ったのだろうね
と
でも
この頃の 或るページを捲ると
「怖い」
と
ひとことで
終わっている日が有って
その次は
何ページか 空白が有って
此の頃のページからは
とっても「暗い色」が見えます と
貴方は言いましたが
此の空白は
ひょっとしたら
律子さんの 「錯乱」の時期なのではないのだろうか
この後の
と或るページに
「寝顔を
想い出して
想い出す度に 様々な過去が去来して
恐怖し
憎悪し
歓喜し
畏怖し
悔しく
そして本意無く
でも
囚われて抗えない自分」
そんな
散文詩のような 一文が有って
わたしは
此の解釈を求められたのですが
確かに
此の詩の
主語を春さんとするならば
総ては
きちんと繋がる と
此の時は
そう 説明しましたが
でも
春さんだけでは無く
此の文は
ロウさんにも 同じ事が当て嵌まる気がします
女性とは
男性に抱かれる 女性とは
きっと誰しもが
相手の男性に
恐怖と憎悪の念を抱く 瞬間が有るのではないでしょうか
男性の
性に対する
恐怖と憎悪
でも
恋と云うものが持つ
歓喜と畏怖の感情
そんな揺れる自分への
悔しさと
相手への
本意無さ
でも
(わたしが・あなたが)恋に囚われても 抗う事は出来ない自己
もし
其れが
道ならぬ恋の事なのなら 余りに切なくて
夫との関係性なのなら 余りにも痛々しい
…
貴女が言う様に
律が 此の頃錯乱していたとしたら
春に会うのは
実は律にも相当負担に成っていた そう云う事かも識れないね
こんな想いはもういい と
解放されたかったのかも識れない
彼(少年)を
春に託した以上
父親として名乗らせる事も出来ない
母親としての役目も果たせない
ロウを裏切り続ける事は
分っているのに逢いたい
疲れていた
そうなのかも識れないね
でも
きっと此の時には もう
…
貴方が
指差した日付の
何度目かの 兄 と云う文字
此の時にね
記録にも 残っているのだけれど
ランが 同行しているんだ
と
程無く
律子さんの「密会」は ロウさんの耳に届いて仕舞い
律子さんは
此の後
外出する事も 侭ならなく成り
事実上
自宅に軟禁される事と成るのです
遅く成って仕舞ったので
と
律子さんと
少年と
春さん
三人は 一緒の部屋で
その間
貴方は
アリバイ作りの為
「工作」に奔走して
帰国する時に
律子さんに 大層お礼を言われたけれど
僕の
告白 何て云うものは
律は
此のときは
もうすっかり忘れて仕舞ったのかな
そんな風に
思って居ました
此のページを 見る迄はね
と
日付は
帰って来た直後
丁寧な
細かい文字で びっしりと
支えてくれるひとが居て 今の自分が有る事
其の感謝と
黒い髪の
子供の意志に
釣り合う自分では無い事の哀しさ
「彼は
本当に私の為に 何時も奔走してくれて
彼が
本当に私に忠義を尽くしてくれる事
なのに
私と云う女は
何時も 何て申し訳ないのか」
此の頃
律子さんは 何度かアメリカに行く事が有ったようだけれど
或る時は
他の側仕えの方
或る時は
会社の要職の方が随伴をして
その内の何度かは
兄・息子 と
ノートに書かれているので きっと逢ったのだろうね
と
でも
この頃の 或るページを捲ると
「怖い」
と
ひとことで
終わっている日が有って
その次は
何ページか 空白が有って
此の頃のページからは
とっても「暗い色」が見えます と
貴方は言いましたが
此の空白は
ひょっとしたら
律子さんの 「錯乱」の時期なのではないのだろうか
この後の
と或るページに
「寝顔を
想い出して
想い出す度に 様々な過去が去来して
恐怖し
憎悪し
歓喜し
畏怖し
悔しく
そして本意無く
でも
囚われて抗えない自分」
そんな
散文詩のような 一文が有って
わたしは
此の解釈を求められたのですが
確かに
此の詩の
主語を春さんとするならば
総ては
きちんと繋がる と
此の時は
そう 説明しましたが
でも
春さんだけでは無く
此の文は
ロウさんにも 同じ事が当て嵌まる気がします
女性とは
男性に抱かれる 女性とは
きっと誰しもが
相手の男性に
恐怖と憎悪の念を抱く 瞬間が有るのではないでしょうか
男性の
性に対する
恐怖と憎悪
でも
恋と云うものが持つ
歓喜と畏怖の感情
そんな揺れる自分への
悔しさと
相手への
本意無さ
でも
(わたしが・あなたが)恋に囚われても 抗う事は出来ない自己
もし
其れが
道ならぬ恋の事なのなら 余りに切なくて
夫との関係性なのなら 余りにも痛々しい
…
貴女が言う様に
律が 此の頃錯乱していたとしたら
春に会うのは
実は律にも相当負担に成っていた そう云う事かも識れないね
こんな想いはもういい と
解放されたかったのかも識れない
彼(少年)を
春に託した以上
父親として名乗らせる事も出来ない
母親としての役目も果たせない
ロウを裏切り続ける事は
分っているのに逢いたい
疲れていた
そうなのかも識れないね
でも
きっと此の時には もう
…
貴方が
指差した日付の
何度目かの 兄 と云う文字
此の時にね
記録にも 残っているのだけれど
ランが 同行しているんだ
と
程無く
律子さんの「密会」は ロウさんの耳に届いて仕舞い
律子さんは
此の後
外出する事も 侭ならなく成り
事実上
自宅に軟禁される事と成るのです