浅い
眠りに入った所で

一本の 電話



長く
会っていなかった 幼い頃の地元の友達



入院をしていると
お父さんから 聞いたの

驚いたよ
ひろのんが

病気がちだなんて



病院は
9時に 消灯なんだよ
噫でも 個室だから大丈夫

夜はね
眠れないから …



東京で
元気に お仕事しているとばかり …
結婚したのも知らなかった

ひろのん
余所余所しいよ



うん
ご免ね

本当は
ちゃんとしたかったのだけれど



理由が
あるの

連絡も
お式も

出来ない 理由が



本当に
ご免なさい





理由 …



聞いちゃ
いけないことなの ?



うん



そうか

お父さんもね 何も言えないから
ひろのんが話すのなら ちゃんとお知らせします  って

いろいろ
あるよね



いいや
気にしないようにする

ゆっくり治して
ゴメン
もう寝る時間だったんだね



でもさ
よく分らないけれど

身体は 早く治しなね



うん



たまには
こっちにもおいでよ

近いんだから



同級生で
結婚した人も 居るし
噫でも 私は未だなの

たまに
話に出るんだよ

いろいろあって
大変な時も あったみたいだけど
がんばっているみたいだよ って

素敵な男の人と
歩いてるのを見かけたひとがいたよ





ああ

秋口かな

それがきっと 主人だよ
今 仕事で日本に居ないんだ





そうなんだ



急に電話をしてご免ね
此の番号は お父さんから聞いたの

会いに行くのは
いろいろ 普通とは勝手が違うみたいだって
お父さんが

噫でも
今夜は切るね



声 聞けて良かった

ご免ね
早く良くなってね

あのさ



ひろのんは
どう思っていたか 知らないけれど




私は
また会って 話したいって





ずうっと ………






唯の
電話なのに

切った 後
可笑しく成って



涙が 出た



理由って
何だろう

勝手が違うって 何  ?



でも
仕方が無いの

何も知らない頃には
もう 戻れないの

捨てる事 は



わたしが 決めた事なの




何もかも
わたしが 考えて

頼まれる 事も無く





選んだ






遠い

余りにも 
遠い



遠い 昔の
何も考えない

無邪気な
時間の中に居た



くすぐったい 季節を共に生きたひと



でも
有り難う



何時か
一緒におばあちゃんに なって

ずうっと 経った後に




一緒に
お茶でも 飲み乍ら

そんな事も 有ったねなんて




笑って

話せたなら 






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