此処に有るのは
フェラガモの 「カルラ」
薄いピンク色の
6センチのヒールが 歩き易い
わたしのファーストパンプス
この靴は
…仮にその方を 此処では「谷崎さん」と呼ぶ事にします
その谷崎さんから 頂いたもので
君は未だ若いので こう云う可愛らしいのがいいね
でも綺麗でしょう
靴はきちんとしたものを選びなさい
靴は
女性の品性の鏡だと 僕は勝手に思っています と
そう 言いました
貴方は何度か わたしの靴箱を覗いていますが
フェラガモは この一足だけなので
似合う気がするんですけど 他は持っていないのですか
そう聞かれたので
フェラガモは男性に頂く靴のような気がします と
冗談めかして言ったら
あはは と貴方は声を上げて笑って
靴は 確かにそんな簡単にはあげられませんねえ と
そう 言っていたけれど
先日の誕生日に貴方から貰ったのは ルブタンのパテント
「簡単にあげられない間柄」では無くなったのか と
可笑しくなり乍ら
ねえ
谷崎さん
わたし結婚したんです
君は
腕っ節と男運の無さは天下一品だねえ と
何時か笑い飛ばされましたけど
ちゃんと結婚しましたよ
とっても素敵な人ですよ
この間 社長の「芥川さん」(勿論仮名☆)が此処に来られて
久し振りに
谷崎さんの事を 一緒に話しました
わたしが会社に居る間
なかなかこうやって あなたの事を
口に出す事が
お互いに
出来なかったから
芥川さんと わたしの関係は
谷崎さん
あなたが作って下さったものです
芥川さんには
わたしとの事を 随分詳しく話しておられたのですね
亡くなった後に 知りました
あなたの後輩にあたる 芥川さんは
あなたの事を
大勢に流されずに 繊細な分析が出来る人
全然偉そうじゃないし
話し易くて
皆に好かれていて
僕も大好きだった
…奥さんとそんなに
上手くいってなかったとは思わなかったけど
でもねえ
確かにヤバいよね
本当にびっくりしたよ
あの谷崎さんの相手が
まさか10代の君だなんて
でも
最後の何年か位は ちょっと思ってたんだよ
〇〇さん
君 本当に谷崎さんに「似てきてた」
H(=必殺仕事人:わたしの直属上司)の手前言えなかったけど
是非また一緒に仕事したいね
若(=少年)もその頃には いい年になってるでしょう
君が居ると
谷崎さんとの「いい時」を 僕は思い出すんだよなあ
と
あなたが一線で活躍した 90年代は
バブルが弾けて
国も業界も本当に大変だった頃
でも
そんな中でも着実に 利益を重ねる判断が出来たあなたが
どんなに凄い人だったかなんて
一緒に居る時は
わたしは ちっとも思わなくて
唯の
笑うと顔が しわくちゃになる
おっとりして
さばさばしているけれど 何処か品のいい
ギャンブル好きの変なオジサン 笑 くらいにしか思っていなかった
総てが分ったのは
自分の気持ちに 気が付いたのは
あなたが
亡くなられた 後の事でした
谷崎さん
お母様は
この冬が 寒くて辛そうです
護って差し上げて下さい
わたし お母様に初めてお目に掛かった時
滅茶苦茶に 殴られました
そりゃそう ですよね
本当に悪い人
わたしに済まないと あれだけ言っておき乍ら
死んで尚
ウルトラ迷惑なひとでした
噫でも 其れは
誰も 望んで居なかった事 だから
今思っても 仕方無い事です
ねえ谷崎さん
わたしが「宝物」だったって 本当ですか
わたしの夫は
あなた以上に
危うい立場に 居るひとだけれど
護って下さい
夫は あなたの選んだ靴を見て
素敵なひとだね と
この人は貴女をよく解ってる
妬けますね と
そう 言っていました
わたしも
そう 思っています
あれは 5月のロンドン
映画みたいな
偶然が 有るのなら
あなたと出会った時以上の 出会いはもう無いと思います
本当に
短い間だったけれど
わたしは
谷崎さんに出会えて
本当に
本当に よかったと
嬉しかったと
わたしは
あの後
いっぱい泣いて
大人に成って
今では
本当にそう思っています
(あれ、本文に入れなかった 笑 このタイトルでまた明日以降に続きます☆)
フェラガモの 「カルラ」
薄いピンク色の
6センチのヒールが 歩き易い
わたしのファーストパンプス
この靴は
…仮にその方を 此処では「谷崎さん」と呼ぶ事にします
その谷崎さんから 頂いたもので
君は未だ若いので こう云う可愛らしいのがいいね
でも綺麗でしょう
靴はきちんとしたものを選びなさい
靴は
女性の品性の鏡だと 僕は勝手に思っています と
そう 言いました
貴方は何度か わたしの靴箱を覗いていますが
フェラガモは この一足だけなので
似合う気がするんですけど 他は持っていないのですか
そう聞かれたので
フェラガモは男性に頂く靴のような気がします と
冗談めかして言ったら
あはは と貴方は声を上げて笑って
靴は 確かにそんな簡単にはあげられませんねえ と
そう 言っていたけれど
先日の誕生日に貴方から貰ったのは ルブタンのパテント
「簡単にあげられない間柄」では無くなったのか と
可笑しくなり乍ら
ねえ
谷崎さん
わたし結婚したんです
君は
腕っ節と男運の無さは天下一品だねえ と
何時か笑い飛ばされましたけど
ちゃんと結婚しましたよ
とっても素敵な人ですよ
この間 社長の「芥川さん」(勿論仮名☆)が此処に来られて
久し振りに
谷崎さんの事を 一緒に話しました
わたしが会社に居る間
なかなかこうやって あなたの事を
口に出す事が
お互いに
出来なかったから
芥川さんと わたしの関係は
谷崎さん
あなたが作って下さったものです
芥川さんには
わたしとの事を 随分詳しく話しておられたのですね
亡くなった後に 知りました
あなたの後輩にあたる 芥川さんは
あなたの事を
大勢に流されずに 繊細な分析が出来る人
全然偉そうじゃないし
話し易くて
皆に好かれていて
僕も大好きだった
…奥さんとそんなに
上手くいってなかったとは思わなかったけど
でもねえ
確かにヤバいよね
本当にびっくりしたよ
あの谷崎さんの相手が
まさか10代の君だなんて
でも
最後の何年か位は ちょっと思ってたんだよ
〇〇さん
君 本当に谷崎さんに「似てきてた」
H(=必殺仕事人:わたしの直属上司)の手前言えなかったけど
是非また一緒に仕事したいね
若(=少年)もその頃には いい年になってるでしょう
君が居ると
谷崎さんとの「いい時」を 僕は思い出すんだよなあ
と
あなたが一線で活躍した 90年代は
バブルが弾けて
国も業界も本当に大変だった頃
でも
そんな中でも着実に 利益を重ねる判断が出来たあなたが
どんなに凄い人だったかなんて
一緒に居る時は
わたしは ちっとも思わなくて
唯の
笑うと顔が しわくちゃになる
おっとりして
さばさばしているけれど 何処か品のいい
ギャンブル好きの変なオジサン 笑 くらいにしか思っていなかった
総てが分ったのは
自分の気持ちに 気が付いたのは
あなたが
亡くなられた 後の事でした
谷崎さん
お母様は
この冬が 寒くて辛そうです
護って差し上げて下さい
わたし お母様に初めてお目に掛かった時
滅茶苦茶に 殴られました
そりゃそう ですよね
本当に悪い人
わたしに済まないと あれだけ言っておき乍ら
死んで尚
ウルトラ迷惑なひとでした
噫でも 其れは
誰も 望んで居なかった事 だから
今思っても 仕方無い事です
ねえ谷崎さん
わたしが「宝物」だったって 本当ですか
わたしの夫は
あなた以上に
危うい立場に 居るひとだけれど
護って下さい
夫は あなたの選んだ靴を見て
素敵なひとだね と
この人は貴女をよく解ってる
妬けますね と
そう 言っていました
わたしも
そう 思っています
あれは 5月のロンドン
映画みたいな
偶然が 有るのなら
あなたと出会った時以上の 出会いはもう無いと思います
本当に
短い間だったけれど
わたしは
谷崎さんに出会えて
本当に
本当に よかったと
嬉しかったと
わたしは
あの後
いっぱい泣いて
大人に成って
今では
本当にそう思っています
(あれ、本文に入れなかった 笑 このタイトルでまた明日以降に続きます☆)