全くの不意打ちでした
今日と云う日が こんな日になるなんて
昨日は全く 本当に思いもしなかったのです
今日はお休みだったし
少し体調も悪かったので(一昨日倒れたばっかり☆だったし)
朝はゆっくり休もうかな と思って
特に何も考えずに
昨夜は休んだのですが
明け方
何か 冷たいものが指先に触れるのを感じて
でも それはゆっくりと暖かくなって
どの位 時間が経ったのか
気が付くと ベッドの横に
「貴方」が
其処に 居ました
わたしは
夢を見ているのかと
軀が 動かなくて
一言
やっと名前だけを呼んで
彼はぽつりと
久し振り とだけ云って
其の侭
暫くの間
但 お互いを見つめていました
余りにも わたしが驚いていたので
貴方が 手を貸してくれて
何とか起き上がって
その時に初めて
暖かかったのは 貴方の指だったのだと
気が付きました
朝早くに着いたから
其の侭タクシーで来た と
細い声で言った貴方は
今迄見た事が無いくらい
痩せてしまっていて
何故 とやっと聞くと
わたしが倒れたと
少年に聞いたから と 少し微笑んで
何だか訳が分からなくて
でも
貴方の頬に指先が延びて
声は出ないのに
何故か涙だけが 止まらなくて
貴方が髪を撫でてくれて
わたしが落ち着くまで
何も 話さない侭
少年と「貴方」は実は
(少年はわたしに何も教えてくれなかったのに)
かなり密に 連絡を取り合っていたらしく
何処に居ても彼には見付かって仕舞う と
貴方はぽつりと言って笑った
何故
としか
わたしには言葉が無く
貴方は唯 悪かった と
どれ位 そうしていたんだろう
携帯のアラームが 沈黙を止めるまで
ひとつ呼吸を入れた後
彼は我儘だから
今日は沢山人が来るよ と
貴方は困ったように 少し笑った
何だかもう日が高くなっていて
少しずつ 落ち着いて来て
改めて 顔を眺めて
貴方は
思い出したようにわたしの足首に
何時かのように軽く触れて
あれから病院に 行ってないでしょう と
其の一言で
何だか急に
物凄い懐かしさと
複雑だった思いが 急激に込み上げてきて
其の侭
胸に 飛び込んでしまった
わたしの心が
傾れ込んでしまったのだろうか
貴方の手にも 少しずつ力が籠って
頭が 真っ白になって
其の侭暫く 抱擁した後
今迄に
経験した事の無かった
とても静かな
静かな キスを
貴方から 貰いました
少し我に帰ると
何だかリビングの方から声がしていて
ドアをノックされて
少年が
もう挨拶は済んだかー と
茶々を入れるまで
何だか訳が分からなくて
もう少し待って貰えますか と
貴方が 以前と同じ調子で答えるまで
少しも
現実だと 思えなくて
もう一度改めて
何故 と聞くと
彼が予定を早めたがってるから と
Cさん(少年の彼女の名前)の処に
日曜から入ります と
貴方は静かに言って
其の前にどうしても
一度顔を見ておきたかったのだと
それから
わたしの左手の事が
どうしても気になって と
服を脱いで と
貴方が促がす侭
わたしは 貴方に軀を見せて
貴方は 少し傷跡を確かめた後
動くの と
わたしが左指を動かすと
貴方は 少し安心した様子で
傷跡に 軽くキスをして
指先で 少し触れた後
消さなかったの と
ぽつりと 尋ねて
わたしは何も言えなくて
貴方も 其れ以上は何も言いませんでした
そう云えばわたしは今迄
貴方の「仕事の後の顔」を識りませんでした
今迄の貴方がたまに 居なくなる何週間
以前少年は
アイツは実際の仕事よりもリカバリに時間が掛かるんだよと
話していた事があったけれど
こんなにも痩せてしまう程に
擦り減らしていただなんて
思いもして居なくて
ご免なさい
そう云うと
貴女のせいではないです と
貴方は少し微笑って
もう一度
今度は優しく
抱き寄せてくれました
リビングに出てみたら
あーあ随分ごゆっくりな事で と
少し照れたような 呆れ顔の少年と
もう会えないと思って居た
懐かしい顔が何人も
…リビングに 撃沈していて 笑
ひろのんさん
飯作ってやれる と少年が言うから
慌てて軽い食事の用意をして
遅い朝御飯を
皆で食べたのでした
聞けば
貴方を始め
一昨日 急に少年から号令が掛かったらしく
成田宿泊組とか
羽田朝イチとか
なんだかもう 全く状況が解らなくて
少年はいつもの 何ともない顔で
貴方に一言
久し振りだな と言って
いいえ と貴方が言って
急に 時間が巻き戻った様な
不思議な気分に成って
その後
少年はわたしに
前言った事 憶えてるよね
ちょっと事情が変わって来たから前倒しにするよ と
そう
わたしは確かに聞いていました
あの 少年が会社に訪ねてきた日
「アイツ」の思い通りには
ちょっと今回は無理かもよ と
少年が 貴方に
貴方は少し微笑って
そうかもしれませんね と
此処に居た メンバーの事は
全員の事は書けませんが
本当にこんな形でもまた会えるだなんて
思っても居なくて
まあ
知った面子のが動き易いし
「アイツ」程 オレは大所帯は持てないしな と
少し お互いの役割を確認して
貴方の今回の契約は 今年中のみで有る事
他の人に関しては お互いの持ち場を守りながら
隠密且つ「穏便に」済ませる事を確認した後
少し懐かしい話をして
(此の事は 機会がもしあったらまた書こうと思います)
少し「知らなかった時間」の間の話をして
貴方は 2日だけ
此処で休ませて下さいと
少年に言って
其の侭
以前使っていた部屋で
今も未だ
眠っています
夕食も 今夜は賑やかだったけれど
貴方は眠ったままで
多分暫くは起きないと思う と
少年は簡単に言うのだけれど
どうしても
今迄見た事の無かった
あの明らかな疲労が
気になってしまって
さっき ほんの少しだけ
お夜食を置きに 部屋を覗いてみました
今朝
どの位
何を憶って
このひとは
わたしの寝顔を 眺めていたのだろう
物音には人一倍敏感な筈のこの人が
こんなにも 深く眠る事が有るのだという事を
当たり前の事なのに
わたしは少しも 気が付かなくて
貴方も少しも 素振さえ見せずに
でも
少しだけ見た 久し振りの貴方の寝顔は
とても穏やかで
何だか少しだけ
わたしも息が 出来た気がします
明日は会社を休むことにしました
少年と色々な 準備をしなくてはいけません
でも
貴方は 帰ってきたのね
おかえりなさい
そして
本当に
本当に 有難う