雨が上がり、太陽は俺を見ろと言わんばかりの暴れ具合。そんな日に綺麗な桜が咲く場所に行き、すっかり姿を変えた桜の木に思いを馳せていた。


前回ここに来た時は、落ちてくる桜を受け止める勇気もない、弱い自分と決別したいと来年の春に期待していた。

春が終わった頃だが、私にも青い春が来た。

子供と言うには老けすぎてるし、大人と言うには未熟すぎる。

私があと3つほど若かったら、恥ずかしがらず青春と大きな声で言えただろうが、私はもう幼い自分と決別したので、青い春と誤魔化している。


1週間前に彼女が出来た。

そして昨日第1志望の企業から内定を貰えた。

敗走に次ぐ敗走。敗走の一等賞。

私の人生は、負けては逃げて、その先で負けて、逃げて。受け止めてくれる人も居なければ、受け止めてくれる街もなかった。


幸せと口にしていいのか分からない。

その先にある不幸も怖い。

相変わらず弱い。

軟弱。

葉音に慰められていた日が懐かしい。

枝の先にいる虫は怖い。

いつ飛び下りる。

自殺。


その虫がきっと私だ。