おはようございます。
いよいよラスト。那須野編。
前置きなしで、サクサク行きまーす。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~那須野編~
上手から平田さん、下手から甲斐田さんが登場。
玄翁和尚の語りから静かに始まりました。
ここでは玄翁が那須の原にたどり着くまでが語られ、背景には溶岩石だらけの那須の原の扇面画が映し出されます。
とてもとても静かな語り口が、返って「地獄」を具現化したような、那須の原の禍々しさを強調していたように感じました。
那須の原の風景を見まわしていた玄翁の目の前で、今まで飛んでいた鳥が、ある岩の上に来た時、急に落下して死んでしまいます。よく見ると、その岩の周りには、動物の沢山の骨が。
不審に思って近づこうとしたとき、どこからともなく現れた女に制止されるのです。
「その岩は殺生石といい、近づくと死んでしまう」と。
玄翁は「殺生石」のいわれを女に訪ねます。
女は詳しくは知らないが・・・と言いつつ、殺生石に取り憑いた玉藻の前の話を話し始めます。
あまりに詳しい話に、玄翁は問います。
二百年近く前の話を、見てきたように語るあなたは何者かと。
女は全てを告白してしまいたい衝動と、また拒絶されるかもしれない恐れの狭間で逡巡します。
ですが、玄翁が持つ光が穏やかである事、そして前世を覚えていないことに安堵し、自分こそが岩に取り憑いた玉藻の前である事を告白し、日が暮れてから自分の正体を見せることを約束します。
そして夜。
九尾が姿を現し、自分の生きてきた道を語り始めます。
この時の背景は、あの禍々しい華と食虫花、そして陰陽の球体でした。
背景見てるだけで「天竺編」と「京都編」が蘇ってくるんですよ。
まあ今の今まで、華陽夫人と玉藻の前だった時代を体感してるから、当たり前なんですけどね(笑)
そしてこの段で、初めて背景にお能のシテの画像が登場しました。
赤頭に面をつけたあれです。和の会さんのHPのトップ画像です。
この画像、切れ切れに出てくるんですが、九尾の心の動きに合わせて面の表情が違うんです。
すごいですよね。光の加減で泣いてるようにも、怒っているようにも見える。
識っていても実際見たことなくて、今回初めて能面がとても雄弁であるという意味が解りました。
九尾は語ります。
殷の紂王の后妲己から始まり、帝の放った刺客によって命を落とすまでを。
そして、自分がどれほど「光」にあこがれ、手に入れたかったかを。
自分の都合だけで生きようとするのに、光を手にできる人間が、どれだけ妬ましかったかを。
その九尾に対し玄翁は言います。
「宿命を呪うな。ありのままの自分を受け入れなさい」と。
そして、玄奥の声に「導きの光」の声がかぶります。
平田さんの後ろに大ちゃんが立って、平田さんの声と大ちゃんの声が交互に九尾に声をかけ
るんです。
平田さんの練れて温かみのある声に、大ちゃんの凛とした声がかぶることで、九尾が初めて素直に「光」の言葉を聞けたんだなって思いました。
というか、自分が九尾になって二人の声を聴いてたが正解(笑)
「闇があるから光がある」「お前がいたから自分がより輝けた」
「私(光)ばかり見ているから、お前を見守ってくれている眼差しに気づかない」
この言葉と共に「光」は九尾の背後を指さします。
九尾が振り返ると、そこには、かつての牛飼いの男であり、源秀親であった「迎えの虹」が待っていました。
ここで初めて、今まで座っていた演者が動きます。
九尾・甲斐田さんの視線の先、下手側客席の階段通路に津田さんが立ち、無言で舞台上を見つめていました。
光・大ちゃんの誘導で舞台を降りていく甲斐田さん。
何度も振り返るその姿、表情に九尾の戸惑いが現れてました。
そして、まっすぐに虹・津田さんを見つめて一歩を踏み出しました。
玄奥と「光」が唱える読経に見送られ、九尾は「虹」のもとに向かいます。
悠久の時を経てようやく自分を受け入れて。
前の二つのお話で、九尾の変化や苦しみ、光との対決を見て来てるからかな、この那須野編はとても優しい感じがしました。
自分を認める、良い面も悪い面もすべて受け入れて肯定する。
すごく難しいですね。
那須野編は、より素直に九尾の心情が表現されていたので、完璧九尾に同調して見てました。
そして玄翁の言葉と祖父の言葉が重なったんです。
「嫌なことをする人は、自分にこれはしてはいけないことだよって教えてくれてる」「上見て暮らすな、下見て暮らせ」って言葉が。
「下」って、自分より苦しい人って意味かと思ってたんですけど、この「殺生石」を観て、自分の足元をちゃんと見なさいって意味だったんだな~って思いました。
じいちゃん素敵な言葉、残してくれてありがとう
すいません。自分語りしちゃいました(笑)
妬みや憎しみ、羨望。そして諦め。
九尾が持つ感情は誰の中にもあって、それを抱えながら沢山の人と出会って、ぶつかりあって、お互いに変化していくんだなと、全編を観終わって思いました。
悪感情も、認めて受け入れることで見方が変わる。
色んなことを考えさせ、教えてくれた舞台でした。
お、終わった~(*´Д`)=з
初めて勢いじゃなく、まともに感想書いた気がする~www
ここまでお付き合いいただいて、ありがとうごさいました。
でもあと少し(笑)
演者さんの事とトーク書けたらな~って思ってます。
ほとんど記憶の深淵に墜ちてますけどww
今から阿蘇と大分に職場の仲間と、水源めぐり&お見舞いの旅に出てきま~す
皆さんも良い週末を
いよいよラスト。那須野編。
前置きなしで、サクサク行きまーす。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~那須野編~
上手から平田さん、下手から甲斐田さんが登場。
玄翁和尚の語りから静かに始まりました。
ここでは玄翁が那須の原にたどり着くまでが語られ、背景には溶岩石だらけの那須の原の扇面画が映し出されます。
とてもとても静かな語り口が、返って「地獄」を具現化したような、那須の原の禍々しさを強調していたように感じました。
那須の原の風景を見まわしていた玄翁の目の前で、今まで飛んでいた鳥が、ある岩の上に来た時、急に落下して死んでしまいます。よく見ると、その岩の周りには、動物の沢山の骨が。
不審に思って近づこうとしたとき、どこからともなく現れた女に制止されるのです。
「その岩は殺生石といい、近づくと死んでしまう」と。
玄翁は「殺生石」のいわれを女に訪ねます。
女は詳しくは知らないが・・・と言いつつ、殺生石に取り憑いた玉藻の前の話を話し始めます。
あまりに詳しい話に、玄翁は問います。
二百年近く前の話を、見てきたように語るあなたは何者かと。
女は全てを告白してしまいたい衝動と、また拒絶されるかもしれない恐れの狭間で逡巡します。
ですが、玄翁が持つ光が穏やかである事、そして前世を覚えていないことに安堵し、自分こそが岩に取り憑いた玉藻の前である事を告白し、日が暮れてから自分の正体を見せることを約束します。
そして夜。
九尾が姿を現し、自分の生きてきた道を語り始めます。
この時の背景は、あの禍々しい華と食虫花、そして陰陽の球体でした。
背景見てるだけで「天竺編」と「京都編」が蘇ってくるんですよ。
まあ今の今まで、華陽夫人と玉藻の前だった時代を体感してるから、当たり前なんですけどね(笑)
そしてこの段で、初めて背景にお能のシテの画像が登場しました。
赤頭に面をつけたあれです。和の会さんのHPのトップ画像です。
この画像、切れ切れに出てくるんですが、九尾の心の動きに合わせて面の表情が違うんです。
すごいですよね。光の加減で泣いてるようにも、怒っているようにも見える。
識っていても実際見たことなくて、今回初めて能面がとても雄弁であるという意味が解りました。
九尾は語ります。
殷の紂王の后妲己から始まり、帝の放った刺客によって命を落とすまでを。
そして、自分がどれほど「光」にあこがれ、手に入れたかったかを。
自分の都合だけで生きようとするのに、光を手にできる人間が、どれだけ妬ましかったかを。
その九尾に対し玄翁は言います。
「宿命を呪うな。ありのままの自分を受け入れなさい」と。
そして、玄奥の声に「導きの光」の声がかぶります。
平田さんの後ろに大ちゃんが立って、平田さんの声と大ちゃんの声が交互に九尾に声をかけ
るんです。
平田さんの練れて温かみのある声に、大ちゃんの凛とした声がかぶることで、九尾が初めて素直に「光」の言葉を聞けたんだなって思いました。
というか、自分が九尾になって二人の声を聴いてたが正解(笑)
「闇があるから光がある」「お前がいたから自分がより輝けた」
「私(光)ばかり見ているから、お前を見守ってくれている眼差しに気づかない」
この言葉と共に「光」は九尾の背後を指さします。
九尾が振り返ると、そこには、かつての牛飼いの男であり、源秀親であった「迎えの虹」が待っていました。
ここで初めて、今まで座っていた演者が動きます。
九尾・甲斐田さんの視線の先、下手側客席の階段通路に津田さんが立ち、無言で舞台上を見つめていました。
光・大ちゃんの誘導で舞台を降りていく甲斐田さん。
何度も振り返るその姿、表情に九尾の戸惑いが現れてました。
そして、まっすぐに虹・津田さんを見つめて一歩を踏み出しました。
玄奥と「光」が唱える読経に見送られ、九尾は「虹」のもとに向かいます。
悠久の時を経てようやく自分を受け入れて。
前の二つのお話で、九尾の変化や苦しみ、光との対決を見て来てるからかな、この那須野編はとても優しい感じがしました。
自分を認める、良い面も悪い面もすべて受け入れて肯定する。
すごく難しいですね。
那須野編は、より素直に九尾の心情が表現されていたので、完璧九尾に同調して見てました。
そして玄翁の言葉と祖父の言葉が重なったんです。
「嫌なことをする人は、自分にこれはしてはいけないことだよって教えてくれてる」「上見て暮らすな、下見て暮らせ」って言葉が。
「下」って、自分より苦しい人って意味かと思ってたんですけど、この「殺生石」を観て、自分の足元をちゃんと見なさいって意味だったんだな~って思いました。
じいちゃん素敵な言葉、残してくれてありがとう
すいません。自分語りしちゃいました(笑)
妬みや憎しみ、羨望。そして諦め。
九尾が持つ感情は誰の中にもあって、それを抱えながら沢山の人と出会って、ぶつかりあって、お互いに変化していくんだなと、全編を観終わって思いました。
悪感情も、認めて受け入れることで見方が変わる。
色んなことを考えさせ、教えてくれた舞台でした。
お、終わった~(*´Д`)=з
初めて勢いじゃなく、まともに感想書いた気がする~www
ここまでお付き合いいただいて、ありがとうごさいました。
でもあと少し(笑)
演者さんの事とトーク書けたらな~って思ってます。
ほとんど記憶の深淵に墜ちてますけどww
今から阿蘇と大分に職場の仲間と、水源めぐり&お見舞いの旅に出てきま~す
皆さんも良い週末を