感想書きながら気づいた
本当にハマった舞台の感想は書けないんじゃないかって・・・
グルグル渦巻いてるのに、言葉として出てこないよ~

とか叫んでる、ども(‐^▽^‐)私です。


改めまして、こんばんは。深夜の更新すみません。

感想、どうにか纏まりました。

誤字脱字はいつもの事。それでも自分の語彙を総動員してます。
話があっち行ったり、こっち行ったりします。
そして、長いです。

それでは殺生石・感想その②あくまで私見
いきまーす(^O^)/

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☆あらすじ☆

お話は天竺から始まります。

~天竺編~
九尾は摩訶陀国の太子に取り入って殺戮の限りを尽くし、国を滅ぼそうとします。
そこに現れたのが普明王でした。
近隣の王や僧侶に呼びかけ、殺戮や搾取を止めてくれるよう進言するために。
そこで九尾(華陽夫人)と光(普明王)が対峙するのですが、九尾は普明王の光に触れ、また、観音様の力におののき、現身である華陽夫人の姿を捨てて逃げていきます。

~京都編~
その後日本に渡った九尾は、京都で玉藻の前となり鳥羽天皇に取り入ります。
しかし、ここでも陰陽師・安倍泰成に正体を見破られ調伏されそうになります。
それを助けたのが泰成の友人であり、玉藻の前に恋心を抱いていた源秀親。
その身を呈して、矢の前に立った彼によって、九尾は命をつなぎ再び逃げおおせました。

~那須野編~
更に月日は流れ、諸国を旅する玄翁が、那須野の原を通りかかります。
玄翁はある巨石の上を飛んでいた鳥が落下するのを目撃します。不思議に思って見ていると、女が現れ「その石は殺生石と言い、近づく者の命を奪うので近寄らないように」と告げます。そして、「殺生石」の由来を語り、玄翁の供養を受け消えていきました。
光の導きを受け、あるがままの自分を見ていてくれた「虹」のもとへ。


お能では「那須野編」が表現されるとのことです。

配役は。。。

九尾(華陽夫人・玉藻の前・里女)・・・甲斐田さん
牛飼いの男・源秀親・迎えの虹・・・・津田さん(津田さんの役はすべてオリジナル)
普明王・安倍泰成・導きの光・・・・・大ちゃん(導きの光のみオリジナル)
玄翁和尚・・・・・・・・・・・・・・平田さん

でした。

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舞台上には丸椅子が3つ。その後ろに雅楽器が設置してありました。
客電が落ちて、舞台が暗くなると「ひゅ~」って風の音が
この風の音、私ははじめ那須の風景が思い浮かびました。
そして、楽器に薄暗いスポットが当たって、奏者が一礼してスタンバイ。
静かに楽の音が流れます。
風の音からすでに「殺生石」の世界に誘われました。



3つ並んだ椅子の上手側がストーリーテーラー的な役割を担っているのかな
天竺変では、津田さんがこの席。
京都編では、大ちゃんが。
そして那須野編では平田さん。

上手席は客席の視点も担っていたので、臨場感が増して自分も物語の世界の一員になっているようでした。


また背景もとても効果的で、能楽堂の松の映像が初めにあって、そこに扇面画が映し出されてくんですね。

その一つが「華」の絵。
食虫花とダリアみたいな大輪のとても派手な華で、その周りに白い蔓が9本描かれてました。
食虫花は捕食者としての一面を。
そして派手な9本の蔓をもつ華は、その時代時代の九尾の現身を表現していました。

もう一つは、明るい部分と暗い部分がある雲のような球体の絵。
その境界は曖昧で混ざり合っていました。
おそらく「陰陽」と「混沌」なんだと思います。



天竺編での物語の中心は九尾(華陽夫人)と普明王。

九尾のライトの色は「赤」普明王は「白」
このライトの色だけでも、役柄のイメージが出来上がりますよね。

天竺編のラスト。観音様の救いがある場面では、背景にすーってライトが下りてくるんです。
似た感じだと、レ・ミゼラブル(またかいww)の天国へ召されるシーンのスポットの使い方なんですけど。。。

ひらめき*

エンジェルラダーって言えばいいのか('-'*)(,_,*)('-'*)(,_,*)

あと印象的だったのが、班足大使に九尾と普明王が呼びかけるシーンでの赤いライト。
センターを四角く切り取り、いないはずの人物を表現してて、九尾に魅了されて殺戮を繰り返した班足大使がそこにいるようでした。(だから赤いスポット)



背景とライトの効果に加えて、雅楽器と言葉のリズムが螺旋を描くように絡まって。
そして九尾が観音様の慈悲を拒んで逃げた後の「静寂」

私は天竺編を「邂逅編」と受け止めてるんです。
この「殺生石」の物語ではプロローグなんですけどね(笑)

闇(九尾)と光(普明王)は、ずっとこの出会いと決別を繰り返してきたのかな~って。

混沌の闇から生まれた表裏一体の光と闇。
同一の物でありながらその性質は真逆で、強烈に求めながら反発する。
互いに自分の本質を研ぎ澄ませていって、更に反発は強くなって。
認め合って、融け合ってしまえば、安らぎが得られるのに。
九尾はそれを良しとしませんでした。
それが宿命であるかのように。

そして「闇」と「光」の対峙と攻防を、第3者として見ていたのが牛飼いの男。

誰よりも早く華陽山に墜ちた九尾をみつけ、その美しさの虜になった男。
不穏な噂を確かめるために、自分が感じた華陽夫人の本質を信じるために王宮に忍び込み、事の顛末を見届けます。
彼女の正体を知り、愕然としながらも何を感じたのか。
ラストのセリフが、これからの3人の運命を暗示しているかのように感じました。

たぶん「闇」と「光」の間には、お互い以外は何も存在しなかったんじゃないかな。
その中に入ってきた、その魂の中に両方を持つ「人間」
彼の存在で九尾がどのように変わってくるのか。
余韻を残して一幕が終わりました。


私、初日見た時、しばらくぼんやりしてました。緊張しすぎて(笑)
知ってる話だし、とても解り易かったんですけど。。。
雅楽器の生音、映し出される背景。
全てが、客席にいるはずの自分を物語の世界にグイグイ引き込んで、眼前で殺戮や攻防が繰り広げられてる感じがすごかったんです。
そして九尾に感情移入してる自分がいて。

お能を諦めて、譲った自分を悔やんじゃいました。

来年こそは行こう!!


それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。

次、京都編頑張ります。