田中恒成 | すぱんち~Sのボクシング徒然

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ボクシング観戦歴二十数年、今まで見たボクサー、試合等について適当に書き込んで行きます。

さぁ、久しぶりに書きますか。
今回は5戦目での世界タイトル最短奪取記録を持つ田中恒成です。
僕はこのテの記録を全く評価していないことは、大昔に書いた通りですが、
それはそれとして、最短記録に関して言えば、
長年破られなかった8戦目の壁を井岡が破ってから(7戦目)、
尚弥(6戦目)→恒成(5戦目)と、トントン拍子に更新されてきた感はあります。
まあ時代と言ってしまえばそれまでですが…。

こういった記録に挑戦できる訳ですから、当然アマの下地は十分。
2コ上の兄、亮明(こちらは五輪候補)とともにキャリアをスタートさせ、
中京高校時代には石原英康の指導の下、4冠を達成。
井上拓真とは3勝2敗で勝ち越し…という実績を引っさげ、
畑中ジムより鳴り物入りでプロデビュー。

プロではここまで僅か6戦のキャリアですが、内容はかなり濃いものとなっています。
デビュー戦以来ここまで全試合で世界ランカーか世界王者を撃破。
4戦目で原隆二を下して東洋タイトルを獲得…これも最短記録。
そして前述したように世界王者に上り詰め、昨年の大晦日に初防衛に成功。
ここまで順風満帆に思えますが、原戦以降は決して楽に勝ってきた訳ではなく、
むしろ激戦を潜り抜けてきた印象です。

スタイル的には万能型のボクサーファイターですが、特徴的なのはそのハンドスピードですね。
全体的なスピードももちろん早いですが、ハンドスピードはレベルが一段上。
ただし手数だけの選手ということではなく、その拳には十分な威力が宿っています。

畑中会長は恒成を井上尚弥に匹敵する才能の持ち主と豪語していますが、
個人的にはさすがにそこまでの器とは思っていません。
あんなのがそうそう何人も出る訳ないですしね。
ただし…相当強いことは間違いありません。というより、まだ底を見せていません。

僕のもう一つの趣味に競馬があるんですが、結構前にセイウンスカイという馬がいました。
この馬は前半スピードの違いで逃げることが多いんですが、
最後追いつかれそうになると、そこからもう一度突き放すんですね。
恒成の試合を見ていると、この馬のレースとイメージがダブります。

原隆二戦は前半は互角か、少しリードを許している内容(採点ではない)でしたが、
中盤と終盤にパンチを効かせて競り勝ちました。
世界奪取戦は前半飛ばして中盤失速しかけましたが、
後半にもう一段ギアを上げて突き放しました。
そして初防衛戦、前半からポイントを持って行かれて5Rに痛烈なダウン。
しかし追い詰められてから前に出て、ボディで逆転KO。
一度ピンチに陥って、そこからアマ上がりらしからぬ底力を発揮して逆転というパターン。
不安定さと言えなくもないですが、逆に試合は毎回面白くなってますね。

今後は階級を上げるようですが、三人の日本人王者の誰かを狙うんですかね。
僕の予想は木村なら8ー2、田口なら6ー4、八重樫なら3ー7…といった感じですが、
尚弥のように階級を上げることで見違えるように化けることも有り得ますし、
Lフライはこれから盛り上がりそうです。
普通にニエテスとか狙いに行ったらカッコイイんだけどな…。