この絵は、気になるでしょ
Twitterで見かけて、その日にでも観に行きたい衝動にかられて調べてみたけど、その時は上映館が全国でたったの3館と知って落胆…福岡で公開される日を、首をなが~くして待っていた。
アルモドバルだって絶賛しているし、なにやら世界的にもすごい人気らしい。怪しげな人たちと、ところどころに散りばめられてるっぽい日本愛。そして、予想を裏切るらしい構成と結末。わくわく、というより観たくてうずうずする。
余命わずかと言われている少女アリシアとそのパパ、ルイス。
ひょんな事からルイスが出逢ったココロに闇を抱える人妻バルバラと、過去に彼女と訳ありの教師ダミアン。
ルイスが、ある一線を越えてしまったとたん、あれよあれよと4人は悲劇の連鎖にハマっていく。可哀想なアリシアと優しいパパの、感動の父娘物語だと思って観ていると、ワタシたちは全く違うところに着地させられている。
大好きなアニメのコスチュームを欲しがるアリシアの望みを叶えてあげたくて、金の工面に奔走するルイス。かと言って失業中のルイスにできることなんて、本を売ったり、友達に借金をお願いしたり…強盗を試みたり強迫したり、くらいしかない。
アリシアのために奔走するルイスと、バルバラに翻弄されるダミアン。ある意味、ファム・ファタールな彼女たちに狂わされ、破滅の道をたどるオジサマたちの人生ああ、かなし。
この「マジカル・ガール」をもっと楽しむためのお薦めラインナップに挙げられている作品が黒くて闇でスタイリッシュでまた凄い。
「ファーゴ」「ドライヴ」「昼顔」「レザボア・ドッグス」「冷たい熱帯魚」
そして「魔法少女まどか☆マギカ」などなど…
まどか☆マギカは観ておらず、ワタシはキタコさんのブログでしか知らないのだけれど、多分これがこの映画の発想の原点。アリシアが大好きなアニメは「魔法少女ユキコ」だし、ピンクのドレスだし。そしてアリシアは、ひとつの願いごとの代償としてとてつもなく大きいものを失うことになるし。
バルバラとダミアンの過去や、ダミアンの罪、黒いトカゲ…説明がなく想像に委ねるところが多くある。ポスターにも見られるパズルのピースがカギを握っているようなのに、なくてはならないそのピースがひとつ、ない。ルイスがそれを拾っていたのに、どこかに捨ててしまうなんて…ここからすでに歯ぐるまは狂っていたのだ。
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終わってみると、アタマがぼ~っとしている(笑)
意外にもBGMの少ない静かな映画で、不穏な空気がいつまでもずっとそこにあるような感じ。
なんとなく、セットで話題になっている「ロブスター」は来月公開。
こちらも、かなり楽しみな1本。




