とある三日月の晩…綺麗だなあとつぶやいていたら、アマルコルドさんに「ペーパームーン」のポスターを思い出しますね、と言われた。
オニール親子が作りもの三日月のはしっこに座ってこっちを見ているあの写真…ほんとだ。
あ~ワタシ絶対この映画、好きだろな。
ポスターは知っていたのに、映画はまだ観てなかったなあ。
母親を事故で亡くしてしまった少女アディと、母の恋人だった詐欺師のモーゼ。聖書を売っては小金を稼ぐモーゼは、商売の傍らアディを親戚の家まで送り届けることになるのだけれど…ライアン&テイタム・オニール。実の親子が演じているからか、他愛ないおしゃべりでも喧嘩をしてても2人の粋な会話の息はぴったり。アタマの回転が速くて機転のきくアディはモーゼの良き相棒となって、やがて2人の間には友情とも親子愛とも言える感情が芽生えてく。
じんわりと心地の良い後味がのこり、思ったとおり大好きな映画の仲間入り。
「ペーパームーン」ってタイトルがまたステキ。
移動遊園地の一角にある記念写真のブースで、アディはモーゼと一緒に写真を撮りたがるのに、モーゼったら踊り子のトリクシーにくぎ付け。
ペーパームーンは、実際には紙よりも丈夫な板でできた月のようだけど、1900年代初頭の大不況の時代…その月を背景に写真を撮るということが、人生のささやかな幸せの記録として当時は人気があったそう。例えそれが紙の月であろうと、信じることができればそれは本物。
ワタシの大好きなウッディ・アレンの「ギター弾きの恋」にも、そういえばペーパームーンに座ってギターを弾くシーンがあったなあ…
アディとモーゼはもしかしたら本当の親子だったのかもしれないけれど…答えは分からないままでいい。2人の間に生まれた絆は確かなものだから。
口が達者でおしゃまで小生意気で…それでもまだまだ甘えていたいお歳頃。もうアディが愛おしくって仕方ない。ちょっぴりザジを思い出したりもしてw
秋から冬にかけての空気の澄んだ夜空には、今晩も月がキラキラ