【猿の惑星:新世紀-ライジング-】 | あっちこっち…より道したっていいじゃない

あっちこっち…より道したっていいじゃない

ミーハー万歳★
あれもこれも大好きってスバラシイ・・・





前作「猿の惑星:創世記-ジェネシス-」では、ウィルスに感染した隣人のパイロットがそうとは知らずに、飛び立つところで物語が終わる。当然ウィルスは感染を広げたワケで…10年後の地球には、免疫を持つ少数の人間だけが生き残っていた…
一方シーザーたちは、森の奥ふかくで自分たちだけの世界を築いている。 

またしても人間のエゴが、平穏だった猿たちの生活を危険にさらし、暴力的なものに変える。
猿は、戦いなんて望んではいない、のに…。 


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なぜだか、公開が楽しみでならなかった本作。ジェネシスの伝えようとしていたメッセージが、予想以上にココロに残るものだったからかもしれない。
一体あの後、ウィル (フランコ) の身になにがあったのか…本作での彼の不在がちょっぴり悲しい。
シーザーをこれだけの統率力あるリーダーに育てたのはウィル。人間への理解、信頼を教えたのもウィル。この現実は、ウィルの研究がもたらした結果とも言えるけど…瀕死の状態になったシーザーが帰りたいと思った場所、それもウィル。
あの窓が見えたときにはワタシの胸にも熱いものがこみ上げてきた。 




猿にだって人間にだって、それぞれ守らなければならないものがある。共存できれば本当はそれが理想ではあるけれど…相手を敵視しちょっとでも優位につこうとすれば、せっかく歩みよって縮まった距離はまた遠ざかり、埋まりかけていた溝だってさらに深まってしまう。
そして信頼関係はいとも簡単に崩壊する。
人間だけが悪いとは思わない…けれど結局、原因をたどれば、それはやっぱり人間。
追求するのは良いけれど、得るものの代償が大きすぎる。
そしてこれはなにも、映画の中だけの話ではない。世界中の、くり返される過ちに、早く終止符を打たなければならないところまできてしまっているのだというメッセージも見え隠れする。




ウィルに育てられたことで人間に信頼を寄せるシーザーに対し、実験動物として身体を傷つけられてきたコバ。人間への不信感が、やがて人間への復讐心へと変わっていく。コバにだって守りたいものがあった訳で、忠誠を誓ったシーザーへの想いとの間で苦悩する。
人間だって同じ。猿との共存の可能性を信じる者もあれば、ふたたび人間だけの世界を取り戻そうとする者もいる。苦悩…これはまさにそれぞれが抱える苦悩と、それぞれの正義と葛藤の物語。

猿と人間との戦いの火蓋は切って落とされた。もう、あと戻りすることはできない。




ひねりのない予想通りの展開ではあるけれど、それでいい。次回作への期待が高まる。  




映像の凄さは言うまでもない。これがCGであることなどすっかり忘れ、完全にこの世界に惹き込まれていく。モーションキャプチャーというのは本当になんという技術なのか!
チラッとメイキングの動画を観たけれど、こんなにも表情のひとつひとつが、動きのひとつひとつがリアルに再現されているのにはただただびっくり。第1作目の特殊メイクも当時はそれなりに斬新だったのだろうけれど、今や技術の進歩にはamazing!のひと言。