【三人の妻への手紙】 | あっちこっち…より道したっていいじゃない

あっちこっち…より道したっていいじゃない

ミーハー万歳★
あれもこれも大好きってスバラシイ・・・



これもまた古い映画のひとつですが・・・
アカデミー監督賞・脚本賞を受賞してるだけあって
派手さはないけれど…魅せますflower1

1949年 ジョセフ・L・マンキウィッツ

・・・手紙・・・

良く晴れた5月の土曜日・・・
親しく交流している3人の妻たちは
遊覧船に乗りピクニックへ出かけようとしてた


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船が出る直前…3人に1通の手紙が届けられる
差出人は共通の友人であるアディ
 
「これから私は貴女たちの夫の一人と駆け落ちします」
 
・・・えっ!?

真相を確かめようにも
遊覧船が出てしまってはどうしようもない
しかも3人にはそれぞれ
過去に「もしかしたら・・・」って思い当たる節がある

それにアディは夫たちが昔から憧れている女性だし・・・


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田舎育ちのデボラ
由緒ある家柄のブラッドとの格差婚に引け目を感じているし
ダンスパーティに参加するのにも気後れしてる
ドレスをうまく着こなすこともできないし
夫をたてることもできない

そんなとき…パーティーの席にはアディから
デボラをこの街に歓迎するシャンパンの贈り物が届けられる

・・・手紙 ・・・

ラジオドラマの脚本家として成功したリタ
貧乏な学校教師のジョージより収入が多く
それが原因で夫婦仲は気まずくなってる
 
リタがラジオの演出家を自宅に招いたその夜…
アディからジョージに届いたプレゼントを見て
はっとその日が夫の誕生日であったことを思い出す

・・・手紙 ・・・

ローラメイは美貌の持ち主ではあるけれど
住まいは列車が通るたび揺れるような家…

いくつも百貨店を経営するポーターを
お色気を巧みに使った駆け引きのすえ手に入れるも
そもそも彼に愛はあったのか…
結婚を渋っていたのは心にアディへの想いがあったからに違いない


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夫が本当に愛しているのはアディなのでは…?


妻たちを動揺させるアディだけど
彼女がその姿を現すことはない
彼女についての何かが語られそうになると
うまく他の会話にすりかわるので
彼女がどんな髪の色をして…何色の目をしてるのか…
そしてどれほど美しいのか…

ワタシたちには想像するしかできない
アディの不在が ますます彼女の完璧さを強調するってワケだ

アディが持っているものは妻たちに欠けている「何か」・・・
それは夫たちが求める「理想」であり
妻たちが幻想する「完璧」さ

女なら誰もが知っているであろう不安と嫉妬・・・
これが見事に掻きたてられるんですねww

大切なものってのは
そう簡単になくなってしまうものではないんだけれど
やり場のないモヤモヤ感に居ても立ってもいられない

これって女の心理を実にうまく捉えた名作なのですsss