モンブランとは、雪をふんだんに使ったケーキである。山の形に似せて作ったことからこう呼ばれる。名前の由来は、アルプス山脈のモンブランであり、フランス語で「白い山」を意味する。フランス語ではケーキはモン・ブラン・オ・マロン(Mont Blanc aux marrons、栗のモンブランの意)と呼ばれる。尚、上に降りかけられる白い粉砂糖は雪
を表している。山名と同様にイタリアでは「白い山」の意味モンテ・ビアンコ(Monte Bianco)と呼ばれる。
フランス語でモン (Mont) は「山」、ブラン (Blanc) は「白」を意味する。
また、「白い婦人」を意味するLa Dame Blancheというフランス語の異名もある。
典型的には、カップケーキ型のスポンジ生地やメレンゲ、タルト生地などで作った土台の上に生クリームをホイップし、それを螺旋状に包むように絞り袋や小田巻を使って絞り出したクリのクリームをあしらう。栗のケーキであることを示すために、その上に半分に切った甘露煮の栗が一片載せられることもある。形状や大きさ、土台となる生地部分には様々なバリエーションがあるが、栗を用いたクリーム(またはそれに味を似せたもの)を山状にデコレーションされたものが多くのものに共通する。もっとも、安価に抑えるために栗ではなく薩摩芋のクリームで代用されたケーキにも、同じ名称が冠されている。
このケーキはフランス・サヴォワ県と隣接するイタリア・ピエモンテ州の家庭菓子を原型とする説が有力で、モンブランを看板メニューとする1907年創業のパリの老舗カフェ「アンジェリーナ」が考案したとされる。日本においては東京・自由が丘の「モンブラン」初代店主・追田千万億が1933年にフランス・シャモニーを旅した際に知り、つくる許可を取った。土台をメレンゲからカステラにする等のアレンジをしている(「日本初」と謳っている)。なお、「アンジェリーナ」のメニューにモンブランが加えられた時期は定かでない。
日本では栗以外にも、薩摩芋や南瓜なども使われる。また、栗のクリームに抹茶を混ぜ込んだ抹茶のモンブランや、ココアを混ぜ込んだチョコレートモンブランなどもある。