チョコレート(英: chocolate)・ショコラ(仏 : chocolat)は、カカオの種子を発酵・焙煎したカカオマスを主原料とし、これに砂糖、ココアバター、粉乳などを混ぜて練り固めた食品。
ただし、近年の工業生産コストでは、主要材料以外に、原料コスト削減や加工性を上げる目的で植物性の油脂などを加えたり、加工コスト削減の目的で乳化剤などを加えたり、風味の向上の目的で香料や甘味料などを加えるなど、様々な添加物が配合されることも多い。
イギリス人が固形のチョコレートを考案するまでは、チョコレートといえば飲み物を意味した。
現に、例えばアメリカでは今でも「ホット・チョコレート」と言えば日本で言うところの「ホット・ココア」飲料を意味する。
日本国内では昨今、ココア粉末を使用したものをココア、生チョコレートの水分を多くしたものをチョコレートドリンクと称し分ける傾向があるが、これらチョコレート飲料の名称について厳密な定義は今のところない。
"chocolate"の語源については、辞典などでナワトル語のチョコラトルが由来とされているが、アステカがスペインに征服される前にはチョコラトルという用例が無く、そもそもナワトル語には「チョコ」という言葉も「ラトル」という言葉も存在しないなど、はっきりしたことはわかっていない(ナワトル語でチョコレート飲料は「カカワトル(カカオの水)」)。一説によれば、スペイン人がマヤ語の「チョコル(熱い)」とアステカ語「アトル(水)」から作った新語だという。
スイートチョコレート
粉乳を含まないチョコレート。特に甘味が抑えられ、苦みの強いものをビターチョコレートと呼ぶこともある。
- セミスイートチョコレート
- 粉乳が若干量配合されたチョコレート。ミルクチョコレートほど乳成分を含んでいないもの。
- ミルクチョコレート
- 粉乳が配合されたチョコレート。
- ハイミルクチョコレート
- 粉乳と、若干量の非脂肪カカオ分が配合されたチョコレート。
- ホワイトチョコレート
- 粉乳が配合され、非脂肪カカオ分が含まれないチョコレート。カカオ分はココアバターのみである。
- チョコレート飲料
- チョコレート若しくはカカオ由来の原料(粉末ココアなど)を、乳製品や水と乳化させ、飲料用にしたもの。
磨砕工程
チョコレートは、製造時に概ね粒径約10~30μmに磨砕されるが、この粒径により完成したチョコレートの口溶けが変化する。
粒径が大きいほど口溶けが早いが、大きすぎると口内に粒状感を生じ、ざらついた食感となる。
粒径が小さいほど滑らかな食感となるが、小さすぎると口溶けが悪くなり、もたつき感を生ずる。
また、粒径にあわせて固形分の表面積が変化するため、チョコレートに含有される油脂の量が同じでも、チョコレートの粘性や食感が異なるようになる。
精錬工程
チョコレートの製錬工程において、温度とチョコレートドゥ(精錬生地)の固さは製品の味を決める最も重要な条件である。
精錬度の低いチョコレートは雑味が多く、使用する原料によっては特有の臭気を含んでいることがある。
このためチョコレートとして望まれている風味を最適な状態で味わえるように精錬を行う。
しかし、精錬の度合いが高すぎるとチョコレートの風味が消し飛んでしまう。
テンパリング(予備結晶化)
作る時の温度も風味に非常に影響する。
チョコレートに含まれるカカオバターの結晶にはI型からVI型までの6種類の型があり、融け出す温度は17 ℃(I型)~34℃(VI型)の幅がある。
同一の原材料であっても、型によって食感はまったく異なる。V型が最も美味しいともされる。
作る時の温度推移によって、それぞれの結晶の型の割合・率が変化し、食感・商品としてのランクが変わることになる。
ある段階では○○度、次に□□度、その次に△△度と、いくつかの時点で変化させることになり、各段階の温度の組み合わせの数は非常に多くなる。
温度設定・設計は品質に関わる重要なノウハウであり、大手製造者などでは企業秘密として扱っていることが多い。良いチョコレート作りを伝授する場面ではこれも伝える必要があるということになる。