アマチュア無線の再開局前の話です。その頃の私のPC環境は、AppleのiMacによる、当時の最新バージョンであった「macOS Big sur」のひとつ前の、「Catalina」環境だったのですが、そのMacには、WindowsをMac内部に共存させる事ができる「Boot Camp」機能が、元々、標準装備されていたのを知ります。2000年代初頭までの、私の趣味の大部分は、アマチュア無線でしたが、時代は繰り返すと言いますが、再び、アマチュア無線の動画を目にする機会が増えて来ていました。ただ、アマチュア無線を再開するにも、そのログ管理だったり、デジタルモードの運用には、パソコンが必須であり、それには、Windowsが必須である事を知るのでした。

 

その多くの理由は、無線機と連動させるソフトがWindows環境下でないと、動作しないと言う問題点がありました。YouTubeの動画の中には、僅かにMacと連動させたとする動画もありましたが、圧倒的に少数で、私には敷居が高いと感じて、やはり、その時点ではWindowsは必要不可欠な存在だと感じたものでした。その頃の私の気持ちとしては、ギターを弾く事が趣味だったり、それに付随するセルフのギター動画の収録が、一日の時間の大半を占めていた時期だった事もあり、将来的にアマチュア無線を、再開する気持ちには、ポジティブではありませんでした。そこで、お試し程度に「WindowsとMacの共存」を実行させてみたいと考える様になりました。

 

私が、当時の最新バージョンの「macOS Big sur」を導入しないのには、ある理由がありました。それは、ギターの録音で使用していたBOSS(Roland)の機器のソフトが、まだ、macOS Bigsurには未対応だったからでした。その機器のソフトのアップデートが完了してからの、macOSのバージョンアップが可能になる条件だったのです。しかし、一度、湧き起こってしまった「お試し」への興味は、遂に私を突き動かす事になります。それでも、一応、ネットの情報を慎重にググりながら、Boot Campを起動して、Windowsインストールを開始しました。しかし、何故か、インストールの進捗を知らせる、プログレスバーが進まない事態に遭遇してして大いに焦ります。

 

その後、色々と試行錯誤した結果、どうも最新バージョンのmacOSにバージョンアップさせなければ、Windowsのインストールは不可能である事を知るのでした。この時点で、これは敷居が高過ぎると判断して、中止すれば良かったのですが、既に熱くなってしまった、私の心を止まる事が出来ませんでした。色々と無い頭を捻りながら考えた結果、一旦、macOS Big surにバージョンアップしてから、Windowsをインストールする事として、その後は、MacのバックアップシステムであるTime Machineを起動して、macOS Catalinaにダウングレードすれば良いのでは?と考える様になっていました。

 

当時、私はTime Machineに、外付けハードディスクの5TBを確保していたので、ある意味、絶対的な自信がありましたが、これが大きな間違いであった事を、後で思い知る事になるのでした。自分の中でインストールへの道筋が見えた時点で、インストールするWindowsの、シリアルナンバーを取得する為に、ヤフオクを検索します。シリアルナンバーを検索する理由としては、Boot Campを使用して、MacにWindowsを導入する際には、特に、シリアルナンバーが無くても問題は無いとの記事も読みましたが、一応、それでも、やはりあった方が良いとの自己判断からでした。ヤフオクで売っていたWindows10 proのシリアルナンバーを280円で落札しました。

 

この後、順調にmacOS Big surにバージョンアップさせた後、Boot CampでWindows環境に切り替えた私は、Windowsをインストールする過程で、肝心のシリアルナンバーの枠内にキーを打ち込めない事態に遭遇します。つまり、Bluetooth(無線)接続のマウスは辛うじて動くものの、キーボードが、正常に動いてくれないのでした。仕方がないので、記事にあった様に、シリアルナンバー無しでインストールする羽目に陥りました。その後は、特にトラブルも無くインストールが完了したので、いよいよ、Time Machineのバックアップから、ダウングレードするタイミングとなりました。慎重に、バックアップデータの日付を確認しながら選んだものでした。

 

そうして選んだ、バックアップデータは、前日の午前中のファイルでした。ダウングレードをスタートさせた私は、進捗をプログレスバーで確認していました。最初こそ、順調に推移していた進捗が、いきなり、3分の一の地点でストップしたのでした。その時点では、まだまだ楽観的でした。その内には進むだろうと、軽く考えていました。しかし、2時間経過してもストップしたままの状況に大いに焦ります。それでも、その内には動くだろう?動いてくれ!と、半ば祈りにも似た境地で待ち続けたのでした。しかし、数時間経過しても、プログレスバーが動かず、インストールが進まない状況は、何ら変わる事はありませんでした。そこで、あるポイントに気付きます。

 

それは、もしかしたら、Time Machineのバックアップファイルのイメージと、現在の状態に乖離があったのでは?と言うものでした。つまり、バックアップファイルはWindowsがインストールされて無い状態のハードディスクをイメージしており、Windowsを入れてパーテーションを触った事で、スペースが減ったハードディスクに、空イメージのデータファイルを戻す事は、到底無理な話では無かったのか?とのポイントでした。そして、その考えは、時間を追うごとに確信めいたものに変わって行きました。そして、本当はやりたく無かったのですが、遂には、iMacの裏面にある電源ボタンを長押しして、強制的に再起動させる事にしました。

 

すると、立ち上がって来たのはWindowsでした。macOSの方は完全に初期化されている様でした。Windowsは Boot Campの中に生きていたので、このままパーテーションを操作して、スペースを、ハードディスクの容量一杯に拡張して、iMacを Windowsパソコンとして生かす事も考えたものの、それをすると、これまで購入して来たMac用のソフトが、全て無駄になる事を意味していたので、直ぐに思い留まりました。仕方ないので、Time Machineからのダウングレードは諦めて、iMacを工場出荷時の状態に戻す事を決意して、Macintosh HDを初期化してMacのディスクユーティリティから再インストールを開始する事にしました。

 

Macはネット環境さえあれば、リカバリーは容易いので、ディスクユーティリティから再インストールを実行しようとすると、何故か、先程まで繋がっていたiMacのWi-Fiが切れていたのです。しかも、Wi-Fiパスワードを書いたものを、外付けハードディスク内にデジタル文書として保管していたので、直ぐには分からず、紙ベースによるパスワード管理の必要性を感じたものの、全ては、あとの祭りでした。そこで、年賀状の作成時にしか繋ぐ事はない、古い富士通のノートパソコンを引っ張り出して、それまでiMacに接続して認識していた外付けハードディスクを繋いだものの、フォーマットが違うので、当然として認識しませんでした。

 

Wi-Fiがない事には、それ以上、前に進めない私は、iPhoneで別の方法を探って、Wi-Fiのパスワードは、外付けハードディスクからでは無く、ノートパソコンから簡単に知る事が可能である事を知り、もたつきが半端ない、古い富士通のノートパソコンで試行錯誤するも、遂には時間切れとなり翌日に持ち越す事にしました。翌朝になり、あれだけ煮詰まっていた私でしたが、大した苦労も無く簡単にパスワードが判明します。そして、昨夜ストップしていたWi-Fiパスワードを入力しようとすると、今度は、Bluetoothのキーボードとマウスまで、使用出来ない事態となります。マウスはノートパソコンのUSBマウスで、使える様になりましたが、肝心のキーボードが使えないままでした。

 

これはもうUSBキーボードを買うしか無いと言う事で、最短で行けるパソコンショップで、USBキーボードを買い求めた私は、漸く、Wi-Fiパスワードを入力する事が出来て、macOSの以前のバージョンである、macOS Catalina環境下にリカバリーさせる事が出来ました。しかし、この一連のドタバタ劇で、それまで重宝していたMacの標準ソフトのDAWソフト「GarageBand」が、無くなってしまいました。GarageBandは本当に良くできたソフトで、オーディオインターフェースを介して、Macでエレキギターを鳴らすのに最適でしたが、無くなってしまったので、DAWは「PEAPER」を購入して、アンプシュミレーターは無料の「ToneLib GFX」をインストールしました。

 

今回の顛末記は、ギターの録音で使用していたBOSS(Roland)の機器のソフトが、macOS の最新バージョンに未対応と言う問題に端を発した事でしたが、これ以降も、同様の問題が起きた事で、ある時、発想を替えて、Macで動かしていた録音機器を、その後、購入したWindowsのノートパソコンに切り替えました。結果、現在では、macOSも最新バージョンをインストール出来ており、Windowsパソコンでも、録音機器も正常に稼働しています。macOSも最新バージョンにアップデートした時点で、「GarageBand」も復活してくれたので二重のメリットと感じたものでしたね。

 

今回のAA集で最後となります。今回のAAは、リアルAAを追求して来た私にとっては、一番、苦手としていた「アニメAA」です。かなり粗悪なものになりますが、ご笑納下さいませ!