光回線のインターネットが、まだまだ地方の一般家庭には、整備されて無かった時代の話です。それでも徐々にではありましたが、都市部から順番に光回線が整備されつつありました。その頃の、私の自宅のインターネット回線は、地元のケーブルテレビの回線を使った、ケーブルインターネットでしたが、速度は、約2〜5Mbps程度だったものの、それでも、モデムを使った激遅の電話回線とは違う、爆速の世界に大満足でした。

 

出張先のホテルでも、インターネットを完備するホテルも、徐々には整備されつつありましたが、その回線はモデムでは無かったものの、低速回線に分類される程度のものでした。ある日、愛媛県松山市の石油会社に出張する事になります。その出張は、6月29日に投稿した韓国から来た同僚と「冬のソナタ」に登場する、李(イー)さんとの最後の仕事でもありました。

 

時代的には、丁度、低速回線ながらインターネット使い放題の「エアーエッジ」が登場した頃で、私も速攻で契約して1ヶ月間は使用出来たものの、電話代とは別契約のエアーエッジに、遂には、家内のメスが入り、結局は解約の憂き目に遭ったばかりでした。しかし、その僅か1ヶ月間の所有ではありましたが、丁度、ミスターチルドレンの野外ライブが、広島県庄原市の備北丘陵公園で開催されたタイミングでした。

 

ミスターチルドレンのグッズを購入希望だった家族4人を、ライブは夕方からにも関わらず、早朝から会場に送り届け、庄原駅からライブ会場までのルートに当たる道路の片隅に駐車して、会場に向かうファンを車の中から観察しつつ、エアーエッジを使ってネットの書き込みを見ながらDVD三昧をしながら、夜まで待機していた時には、大活躍してくれたので、その価値は充分にありました。桜井和寿氏が小脳梗塞を患う少し前の事でしたね。

 

そんな中、同僚のOさんが、松山市の現地に、エアーエッジを持参していました。私は、そのエアーエッジを、度々、Oさんから借りては、おもしろ動画を検索しては、遊んでいたものでした。その頃、特に好きなHPは「恐怖と笑いの心霊写真」と言う、笑いもグロも恐怖も何でも揃ったサイトで、大いに笑わせて貰ったものでした。エアーエッジは32K程度の低速回線だったので、ネットサーフィン程度が限界でした。

 

最初に宿泊した旅館は、朝夕2食付きの3階建てでしたが、最初の契約時のミスで、宿泊日数に行き違いがある事が判明した事で、工事期間の半ばで出る羽目に陥ります。次の宿泊場所を何処にするかを皆で調べていると、責任者のKさんが、「じゃあ!いっその事、インターネット付きのホテルにしますか!」と言ったのでした。私は、目から鱗状態で、「えっ?そんなホテルが存在するんですか?」と半信半疑で聞き返したものでした。

 

すると、Kさんは、「ありますね!さっき調べたら、ここ松山にもありました。しかも、ホテルに聞いたら、回線速度が光回線でしたよ!」と言ったのでした。私は、そんなホテルが松山市にあるなら、願ったり叶ったりとばかりに、そこに決めよう!と強烈なプッシュを、Kさんや同僚に繰り広げました。するとKさんも同僚も賛成してくれたので、早速、そのホテルに予約の電話を入れたところ、丁度、人数分の部屋が確保できたのでした。

 

そのホテルは、「スーパーホテル松山」でした。仕事終わりにチェックインして、充てがわれた自分の部屋で最初にした事は、着替えでは無く、LANケーブルの差込口の場所の確認でした。見慣れた電話線のモジュラージャックとは違う形状を見て安心します。その出張では、自分のノートパソコンを持参していたのは、エアーエッジの持ち主のO君と私の2人だけでした。ですから、他の同僚はネット回線が光回線だと言われても関心がありませんでした。

 

責任者のKさんの配慮もあってか、O君の部屋と私の部屋は隣り合わせの部屋でした。その頃は、光回線が全室に完備されてるのでは無く、ネット設備がある部屋とない部屋が存在してました。その理由もあって隣り合わせになった様でしたが、その時は、Kさんの配慮だとポジティブに考えてました。早速、パソコンを起動させます。その後、予めインストールしていた回線速度計測ソフトを使って、スーパーホテル松山のネットの速度を計測したのでした。

 

結果は、何故か、当時、自宅に引いていたケーブル・インターネットと、何ら代わり映えのしない、僅か5Mbpsの速度しか出なかったのでした。何度やっても結果は変わりませんでした。私は、その時点で「これって、本当に光回線なん?」と思いながら、O君の部屋をノックして回線速度を尋ねたのでした。すると、O君は「確かに光回線でしたね。こっちは、20〜30Mbps程度の速度が出ていますよ!」と言い放ったのです。

 

その違いに納得がいかなかった私は、これは、部屋の違いもあるのでは?と考えて、自分のノートパソコンを持ってO君の部屋にお邪魔したのでした。そして、再度、インターネット回線の速度計測を行ったのです。結果は、自分の部屋と同様の結果となり、その不可思議な現象に頭を抱えました。当時の私のOSは、Windows Meでした。しかし、O君は当時の最新OSであったWindows XPでした。しかも、私がパソコンのCARD BUSにLANカードを挿してネット接続していたのに対して、O君のノートパソコンは、パソコン自体にLANの差込口が設けられている機種でした。

 

私はこれはOSの問題に違いない!と素人判断を下します。そこで、CDRで持ち歩いていた、Windows NTにバージョンしてみる事にしたのでした。夜中まで掛かってインストール出来たものの、結果は回線速度に劇的な変化を起こす事はありませんでした。後から聞いた話によると、ネット回線に対応したノートパソコンが、当時、既に売られていて、それがO君のノートパソコンであり、そのプラットフォームがWindowsXPだったのでした。