国の借金についてスポットを当てて観ましょう。2015年6月末時点で約1057兆円に膨れ上がって居ます。その額は過去最大となり、国民1人当たり約832万円の借金と言う計算です。国の借金をGDP(国内総生産)と比較した場合、日本(2015年で233%超)は、経済危機の有ったギリシャよりも高く此の率は世界一です。1000兆円って一体どの位の大きさなのか?仮に1万円札を横に並べて行った場合、東京からアメリカの西海岸までの距離になると言われています。此の膨大な借金の主な背景は、年金・医療・介護などの社会保障費の増加です。日本は世界に類を見ない程の超高齢化社会です。高齢化率は2060年に約40%に達すると見込まれています。此の割合は実に日本人の5人に2人が65歳以上の高齢者という勘定です。こんなに借金が有って何故?沈まないのか?

理由その1 借金の中身

最も多いのは国債です。国債は言わば国の借金です。その割合は約9割以上を占めています。では誰が購入して居るのか?日本は、自国の投資家が5~6割の欧米主要国と違い、約9割以上が国内の投資家です。日本国内の投資家は、年金を運用する団体(GPIF)・ゆうちょ銀行・かんぽ生命・民間銀行・生保・損保などの投資機関がその殆どを購入しています。投資機関が買って居ると言っても元は国民が、預貯金や年金保険料として預けたお金です。言い換えれば、国は国民に多額の借金をしているに過ぎません。此れは家庭内での貸借の様なもので、父親が息子からお金を借りる様なものです。仮に、国が財政破綻の様な最悪の事態に至った場合、乱暴な言い方ですが、国は国民に債権放棄(借金の棒引き)を求める可能性もあります。従って、日本の国債(借金)は、他国の国債と比べより安全な資産と言われる所以です。

理由その2 国の財産額
国が保有して居る財産は約2,000兆円と言われています。その中身は、国が保有して居る土地や建物などの政府資産、外貨準備高、株式、米国債などです。いざと言う時は、此れ等の資産を売却すれば国債(借金)の返済に充てる事が十分可能な額です。

理由その3 経済規模と政治的安定等
日本の国内総生産(GDP)は、2009年以降中国に抜かれたのですが、アメリカ・中国に続いて世界第3位です。GDP国の経済規模や景気動向を表す重要な指標です。日本は経済規模に於いて大きな影響力を持って居る事は今も変わらないのです。加えて、政治的な安定やテロ・紛争などの地政学リスクも比較的少ない国である事もその理由の一つと言えます。

以上が国の借金の表しですが、決して安易にしている場合では無いと言う事を最後にさいなら!