平成の仮面ライダーの中では多分1番好きなのが「仮面ライダーオーズ/OOO」です。

放送当時もヒロインの高田里穂さんやメズール役の矢作穂香(旧芸名:未来穂香)さんが好きでしたが、劇場版「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」を観た時に、矢作さんが10年の時を超えてもメズールのままだったことに感動して他の出演作を探しまくりました!

そして見つけたのが檀一雄の小説を原作とする「花筐」という映画作品です。

ナント大林宣彦監督が撮影中に余命宣告されてもなおロケを敢行した作品です。

「花筐」の映像化は監督の終生の夢で、40年前から温めていた構想で制作したのだそうです。

戦争3部作といわれる「この空の花」「野のなななのか」に続く最終章で、大林監督の魂の集大成ともいわれています。

魂の集大成というと高尚っぽく聞こえますが、大林監督の反戦メッセージも強烈でストレート、映像も好き放題やっちゃいました!みたいな、心のままに創られた世界でした。

いかにも大林監督らしい絵作りでもあるのですが、時に鈴木清順や寺山修司っぽさも見え隠れしていたのが興味深くもありました。

わざとらしい合成映像や舞台劇のような台詞回し、淫靡な色彩も脳裏に焼き付きます。

1941年の太平洋戦争勃発前夜の佐賀県唐津市を舞台とする青春群像劇です。

17歳の榊山俊彦(窪塚俊介さん)は親元を離れ、佐賀県唐津に暮らす叔母・江馬恵子(常盤貴子さん)の元で暮らしています。

俊彦の学友の太陽のように激しく雄々しく美しい鵜飼(満島真之介さん)、虚無僧のような吉良(長塚圭史さん)、お調子者の阿蘇(柄本時生さん)、吉良の幼馴染の千歳(門脇麦さん)とその友達あきね(山崎紘菜さん)、そして俊彦の従妹であり肺病を患う物語のヒロイン江馬美那を演じるのが矢作穂香さんです。

それぞれの友情と恋愛とが絡み合って❝性❞と❝聖❞が❝生❞へのエネルギーを描き、しかし大切なモノを容赦なく奪っていく戦争の影がすべての登場人物を覆っている息苦しさが絶えません。

矢作さんの可憐さと儚さと妖しい神秘性を併せ持つ魅力も、映像的にも役柄的にも充分活かされていたように思います!

そして常盤さんの未亡人らしい奥床しい美しさと反則級に妖艶な美しさとのギャップには目を奪われメロメロになります(笑)

檀一雄はエッセイ以外では「火宅の人」くらいしか読んだことがないので、いずれ原作の「花筐」は読んでみるつもりです。