歌の途中で音をはずす時は、大抵の人が「息が足りていない」ことが原因です。
音程ははずさないのに、どことなく聴き取りづらいという歌の場合も大抵は「息不足」が原因です。

皆さんのイメージの中で、声と息は同時に出す!と思っていらっしゃる方が大変多いと思いますが
実は合っているようで微妙にニュアンスが違います。
実際は「息の道の上に声が乗る」というのが理想です。道路が息、車が声だと思って頂くと分かりやすいでしょう。
舗装されていない道路を車が走るととてもガタガタ揺れるように、整っていない息の上に声を乗せると
歌声も揺れて不安定なものになります。

まずは「息の道」を整えることが肝要です。これには呼吸法の訓練が良いでしょう。
まず鼻から息をゆっくり5秒かけて吸い込みます。そして吸いきったところで息を5秒止めます。
そして口からゆっくり息を5秒かけて吐きます。10秒ずつでも構いませんが、慣れてこないと難しいと思います。
これを1回5セット。一日3回気が付いた時に行って下さい。自分の呼吸をコントロールすることで
より安定した歌声を出すことが出来るようになります。

また、リラックスして歌う為には、歩きながら歌うのも良いでしょう。
出来れば手は大きめに振って下さい。腕を振り回してもOKです。
歩くことで神経がそちらにいきますので、喉の緊張が緩くなりますし、手を振る事で肩の強張りが
とけやすくなります。脇を開けると身体が解放されて、良い声が出やすくなります。
肩に力が入ると腹式ではなく、胸式の呼吸になりがちです。身体全体をリラックスさせましょう。

次に歌唱テクニックを少し。
まず顔を柔らかくしましょう。
顔が強張ると折角音程がとれても上手に声になりません。
また口の中に熱々のごはんをほおばった感じ(はふはふという状態)で声を出しましょう。
大切なのは口そのものを大きく開けることよりも口の中を大きく開ける事です。
こうする事で喉の緊張を少しでも和らげて下さい。

お気に入りの歌の歌詞に「ん」がある場合、どうしても「ん」の部分の音はつぶれてしまいがちです。
この「ん」を歌うことによって、歌の仕上がりがぐんと良くなります。
「ん」を歌う時は、唇を閉じて、口の中を開けて(これが大切です)音を出しましょう。
口の中を閉じてしまうと喉に負担がかかり、思うような「ん」を歌うことができません。
また、語尾のあしらいも丁寧にすることによって、厚みのある歌になります。
大抵の歌詞の語尾は、伸ばしたり、短く切ったりという指定が多いので、そのひとつひとつの作業を
丁寧に歌い込みましょう。他の人に差をつける事ができる事、請け合いです。

さて、ここまで字ばっかりで読み進めにくかったかもしれません。
最後までおつきあい頂いてありがとうございました。
また、有効な方法やテクニックを思い出し次第加筆して参ります。