
街並みは、街の共有財産なのだと思う。
その街で取れる土を混ぜた珪藻土の外壁だったり、
やはりその土地で取れる粘土を原材料とした瓦だ
ったり、その街らしい街並みというのは、その街
のアイデンティティと言っても過言ではない。
そしてそれは、継承して然るべきなのだと思いま
す。
海外の方が訪れた際に美しいと絶賛するのは、秋
葉原でもお台場でもなく、そんな街並みなんだと
思います。
多くの方がチンクエテッレを美しい街だと認識す
る様に。
ですが最近は、建材の発達にも助長されて、随分
と状況が変わってきています。
冒頭の様にその地域性を脈々と受け継いだ建物は、
かなり数が減ってきました。
代わりに台頭しているのが、量産式普及型住宅です。
これは各地の住宅展示場で、同じ様なスペックで販
売されている様に、均一化された安定感が売りです。
高度経済成長期には住宅を量産する必要がありまし
たので、このスキームが成立しました。
でも現在では、残念ながら必要とはされていません。
おんぼろ不動産マーケットで現在進んでいるプロジ
ェクトの一つに、駒沢公園の近くの物件があります。
中古マンションのリノベーションです。
その中古マンションは、東京オリンピックの頃に
建てられており、駒沢公園の五重の塔をオマージュ
した様な井桁が特徴の、意匠性の高いヴィジュアル
を誇ります。
バルコニーに植栽を植える努力義務が課されていた
り、皆で共同住宅の価値を維持していこうという意
識が非常に高い住宅です。
外構に使われている大谷石も、丁寧にサンディング
されて美しさを保っています。
こんな住宅は、現代のデベロッパーの販売戦略下で
は、量産出来ませんよね。残念ながら。
コモディティ化された住宅か、
個性豊かな中古マンション×リノベーションか。
本当に豊かな生活を送る為に必要なハードウェアを、
しっかりと見極めないと損をしますので、ご注意く
ださいね。
豊かな生活を送る為の中古マンション×リノベーシ
ョンは、おんぼろ不動産マーケットまでお気軽に
お問い合わせくださいませ。
空間ディレクター和泉