各種住宅系雑誌の誌面でも散々特集が組まれる
このテーマですが、本当の答えは果たして何処に
あるのでしょうか。
イギリスに始まり、欧州各国の持家率は軒並み
減少傾向にあります。
そして日本も然り。
今は60%台前半ある持家率が、2020年には50%
程度まで落ち込むことが予想されています。
これだけ聞くと、購入よりも賃貸派が増えている
のかと感じます。
確かにその傾向はあります。
持家を持つ大きなモチベーションの一つだった
「不自由」については、弊社のオーダーメイド賃貸に
代表されるクリエイティブな賃貸住宅が増えてきた
ことで、一昔前より格段に改善されましたので、
バランスが賃貸へとシフトしている感はあるでしょう。
と同時に、購買層の平均年収が年々下がっており
ますので、返済+ランニングコストへの不安があり、
いつでも自由に住み替えられる「賃貸」が注目されている。
というのが、構図ではないかと思われます。
ですが国策は間違いなく、中古ストックを流通させる
方向に進むでしょうから、やはり不動産を購入する事で
将来的な資産形成を行いたい、という層が根強いのも事実です。
不動産を購入する際には知っておいていただきたいことがあります。
それは、高度経済成長期の様に「所有するという事を目的にした」
購入の仕方は既に終焉を迎えた、ということです。
要は、自分のものにしたいから。というやつです。
所有と言っても多くの方は住宅ローンを組むわけですから、
その場合は厳密に言うと、完全に所有する訳ではありません。
ローン返済期間中は雇われ店長と同じで、真のオーナーである方
(この場合は銀行)に返済し続けることになります。
本当に大きな違いは何かと言うと、「将来に渡って自分の
資産になってくれるか?」ということです。
資産にさえなってくれれば、所有し続けることも出来ます。
時代は変わったとはいえ、生涯同じ家に住むという方も
少なくありません。
そういった方は、何の問題もないでしょう。
資産価値の上に住める訳ではありませんから、
出口においての流通性は考慮しなくていい訳です。
ですがこれは、あくまで結果論です。
結果、一生住んだよね。というに過ぎません。
現代のライフスタイルは定住型から、よりノマド的に
移行してきておりますので、やはりもう少し流通性を
考えておきたいですね。
購入当初は一生住むイメージでいても、自分の人生が
次のステージに進む際に、大きすぎる、小さすぎる等々、
ライフスタイルに合致しなくなることは十分考えられます。
その場合は、売却出来ないと怖いですね。
資産を所有しており、それが売却可能な状態であることこそが、
不動産を購入する事の最大のメリットであると言えます。
売却もできるし、終の棲家にする事も出来る。
そういった状態こそが、一番フレキシブルな訳です。
一方賃貸はと言うと、一昔前は「買えないから…」という
理由で賃貸に住んでいる方も多かったのですが、前述の様に
不自由さがずいぶんと排除され、ポジティブに賃貸をとらえる
ことが出来る状態になってきました。
もはや購入できない層が致し方なく賃貸へ流れる。
という存在ではなくなっております。
家賃を払いつつ、ある一定のストックが可能な経済状態でしたら、
賃貸で自由に。購入するかどうかの決定は先送り、
と言うのももちろん成り立つでしょう。
所有という概念を超越した、「シェア」という形態の
住まいも市民権を得てきました。
ある一定のステージに居る方にとってはとても有意義です。
購入した分譲マンションでは叶わない、フレキシブルな、
共同生活ならではの出会いや、刺激や、貴重な体験を
享受できる訳です。
さて、題名にもある賃貸vs購入で、結局のところリアルに
どちらが良いのか?という話ですが、不動産が資産に
なってくれるのであれば、そしてその資産になる不動産を
ご自身が買える(経済的・精神的・物理的)状態にあるのであれば、
購入しておいて損はない。と思います。
ですが、賃貸でなくては得られない生活もあります。
どちらが良いかは、よりパーソナルな判断が必要になりますので、
迷っている方は
お問い合わせくださいね。
それでは。
空間ディレクター
和泉