啓蟄も過ぎ、一気に春めいてきました。
その言葉通り、春に向けて、動植物が
一斉にモゴモゴ動き出す様は、なんだか
生命の尊さを感じずにはいられず、
とてもワクワクしてしまいます。
さて、先日は長谷寺(鎌倉)で
復興祈願万灯会が行われました。
東日本大震災から早2年。
人々の記憶に、今なお鮮明に爪痕を残しながらも、
時間は着々と進んでおります。
万灯会で思った事。
それは、日本の灯りに対する文化が様変わりしてしまった。
という事。
戦後の高度経済成長期に端を発し、
まるで明るさが幸せや富の象徴であるかの様に、
スイッチ一つで部屋の隅から隅まで明るくする
蛍光灯文化が爆発的普及を遂げましたが、
本来我々日本人には、
ロウソクや行灯等の灯りに対して
「落ち着く」という感覚が
DNAに刷り込まれております。
月明かりで本を読む事が風情と感じながらも、
室内では陰翳を全く意識しない、
天井直付け型UFOランプを無批判に付けております。
なんだかとても矛盾を感じてしまいますね。
そんな夜は、蝋燭の灯りの元で陰翳礼賛を読み、
本来DNAレベルで自分の奥底にある感覚を呼び覚ます
事を、楽しんでみたいと思います。
ディレクター
和泉
