命の時間⑦ | Tommy's40Ave. ~おけいこ三昧~

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お茶にお料理、習字にアロマに英会話・・・歌舞伎にジャニーズetc・・・いろんなことに興味津々。

時間が足りないよ~(^o^)でもね、人生楽しまなくちゃ。いつまで続くか自分探し。広くて浅ーい、そんな私の独り言Diary

「あなたの余命は1年です」
そんなことを突然いわれたら私はどうするだろう?

面談開始。
医師、がん専任看護師、病棟看護師長
母、私の5人。

医師は完全に母のみを見て、話し始める。
初めて病院に父が訪れた時から、先日の本人を含めての話しあいの日まで、一つ一つ確認しながら…
「…ここまではご理解頂けますか?」
「現状は理解してます、ただ…」
母はツマリながらも、あの時先生に言われてどうだったとか、友達に聞いた情報、その他いろいろ…それ、今話す内容?ってなことや、愚痴も含めて、全て真剣に受け答えする医師はすごいと思った。
私が聞いても、時系列が前後してよくわからない事も全て汲み取り、応えていた。
私は話の内容はよりも、その理解力に感心していた。

母は来るのを嫌がっていた割には良く話した。
中でも、
「お父さん、今病院で点滴もしてないし、トイレもシャワーも自分でできるから、家に帰っても同じだよね?私も1日置きに来るの結構シンドイのよー」といったら
「抗がん剤治療するから退院できないよ!」
と拒否されました…と。
その瞬間、医師がパッと顔を上げ、
「僕も今朝、調子良さそうだから一泊くらい外泊してみたらどうですか?といったら、私を見捨てる気ですか?と言われ、どうしたものかと考えていました。家に帰るなら今しかないです。これより後になったら本当に帰れなくなると思います。ご家族もそうお考えでしたら、安心しました!」

医師は父からの反応で、一時帰宅について私たちも同じ考えてだと思っていて、どう切り出すか、タイミングを見ていた様だった。

よく、病床回転と確保ために、すぐに退院を促す作戦があると聞いているが、どうもこの医師はそうではない様だ、と感じた。



一時退院の方向で話はまとまったが、本人が
退院=見捨てられた→絶望
になる可能性が120%あるので、父の性格と思考から、オススメの言葉は充分に気をつけて欲しい旨をコンコンと訴えた。

抗がん剤はもう、絶対にムリだけど、父は抗がん剤投与を目標にしているので、これはそのまま小さな希望として残してあげて欲しいと。
抗がん剤治療の準備のために自宅療養だと。
週に1回は通院予約するので、先生との縁は切れませんよ…見捨ててませんよ…
これが父の生きるモチベーションだから。

そして、
「父が病気に対して、限りある命に対して、どお思っているかわかりません。ただ、家族3人がわかっていることは先生を完全に信頼している事です。信者ですね。」
と付け加えると、2人の看護師も大きくうなづき同意した。

医師も
「やっとわかりました。お父さまのこと。僕と色々話した中の事が全て一致しました。そこまでわかれば話の仕方も対応できます!」

そう言う作戦で医師と看護師長でさりげなく促してもらう事にした。

最後に医師は、
「今日は本当に実りあるお話ができました。ホントよかった!」と今までに見た事のない晴れやかな、柔和な表情と声のトーンで語った。
母も
「今日は来たくなかったけど、来て良かった。すっきりしました。娘のおかげです」
と言ってくれた。

そして医師と母は握手をした…これにはホントびっくり。

訣別するかもしれない…そんな不安もどこえやら、結果、母が満足してくれた事で、少し肩の荷が下りた。
母が納得してくれるのが一番だから。

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