今日は歓送迎会でした。

何人かの新しく入った人の歓迎会と、社員食堂のおばちゃんの送別会。

食堂のおばちゃんが定年退職になった。

明日から食堂に行ってもおばちゃんがいないなんて、私には考えられない。

おばちゃんは、会社が開業したときから勤めていたという。

もちろん、私が入社してから今日までずっと、食堂にはおばちゃんがいてくれた。

小さい食堂なので、おばちゃんひとりで切り盛りしていた。

お昼が近付くと、毎日食堂からはおばちゃんの声が聞こえてきた。

厳しいけど、みんなのお母さんみたいな人だった。

どんなにこわい上司でも、役員でも、このおばちゃんの前では、みんな頭が上がらなかった。

会社の誰もが、おばちゃんのお世話になっていた。

私は時々、どうしてもお腹が空いて仕方ないとき、おばちゃんのところに行った。

そうすると、おばちゃんはこっそりパンをくれたりした。

お昼ごはんを食べに行くときも、時々、形が崩れて売り物にならないケーキをくれたりした。

おばちゃんが自分で漬けたぬか漬けは、とてもおいしかった。

入社したばかりの頃、私は食堂の細々とした物の発注を担当していた。

要領が分からなくて、いつもおばちゃんのところに行っては、どうしたらいいのか聞いていた。

事務所の場所が食堂に近いこともあって、いつでもおばちゃんの声が聞こえて、そのおばちゃんがいる食堂は、私の息抜きの場だった。

もう、おばちゃんがいないのかと思うと、それだけでものすごく寂しい。

明日からどうなっちゃうんだろう。

今日の歓送迎会の間、他の部署の人たちもたくさん来てくれて、みんなでおばちゃんに花束などを渡していた。

歓送迎会が終わって、おばちゃんは両手にたくさんの花束やプレゼントを抱えて帰っていった。

そんなに荷物が多いなら無理して持って帰らないで、また明日取りに来ればいいじゃん!て私は言った。

そしたらまた明日もおばちゃんに会えるのに。

別れが惜しくて、何人かでしばらく見送った。

みんな笑顔でおばちゃんを送ったけど、みんな泣くのを堪えていた。

花束を高く掲げ颯爽と帰っていくおばちゃんの後ろ姿は、とてもかっこよかった。

さすが、みんなのお母さんだ。

よかったら今度、お孫さんと一緒にでも顔を見せに来てくれるとうれしいな。

みんな喜ぶよ!

19年間、お疲れさまでした。

そして、本当にいろいろありがとう!



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