妊娠14週で医大に転院することになった。
この日は初めての診察。夫と2人で向かった。
待合室を見渡すと、お腹の大きい妊婦さん、
鼻にチューブを付けた乳幼児を連れたお母さんなどいろんな方がいた。
医大に通うくらいだから、みなさんそれぞれ何かの事情を抱えて
必死に通っているんだと思った。
どういう気持ちで乗り越えてきたのだろう。
医大ではこれまで通っていた産科と比べ物にならないくらい
じっくりエコーを見て、1時間くらいかけて詳細に状況を説明してくれた。
説明されたことは
・膀胱が大きいと尿の排泄に問題が出て腎臓の機能が悪くなり、
出生後に透析が必要になる
・肺の形成にも支障をきたし、生きられない可能性がある
・胎児治療の方法もあるが東京の生育医療センターでしか出来ず、
この治療を行っても障害そのものが無くなるわけではない
・今の段階で巨大膀胱の直接的な原因は分からず、
羊水がすでに少なくなっているため羊水検査もできない
ということ。
『これらを踏まえて、もし堕胎する選択肢も考えているのであれば、
来週までに、今後の方向性をおふたりで話しあってください』
と言われた。
最終決定でなくても良い、と先生は言っていたけれど、
命をどうするかたった1週間で考えるのか、呆然とした。