日付が変わってしまいましたが。
9月19日で、ユッキーがうちの子になって一年が過ぎました。
8月に、大阪で一人暮らししていた兄が亡くなって。
残されたユッキーをどうするかと、兄の友人の山本さんに相談され正直かなり悩みました。
だって、私は猫なんて飼ったことないし。
正直…好きじゃなかったから。
だって、私はずっと犬派だもの。
猫の可愛さなんてわからないし、いつも人間に寄り添ってくれる犬と違って、猫ってなんか…自己中で冷たそうだし、すぐに噛んだり引っ掻いたりするから嫌だった。
兄貴は、どうして猫なんか飼ったんだろう。
子供の頃、ずっと犬がそばにいたのに。
そう言えば、私の記憶にないぐらい昔。
我が家には【シロ】という名の真っ白い猫がいたらしい。
病気で短命だったらしいけれど、私より3歳年上の兄貴にとってはシロとの楽しい思い出があったのかも知れない。
父の葬儀のため久しぶりにいわきの実家に帰って来た兄が、気の強い、ちっとも可愛くない猫を連れてきた時には正直困惑した。
と言うか、嫌悪感すら覚えた。
飼ったのは、まぁ、個人の自由として、どうしてわざわざ連れて来たのか…。
理由は、
【金払って赤の他人に預けるのがかわいそう。】
との事でした。
尚更に嫌悪感。
そもそも兄は、生き物を育てるような人間では無かった。
子供の頃ずっと一緒に育った犬のモコさんの事も、【可愛がる】と言うよりは、まるでおもちゃのように扱っていたし。
自分がかまいたい時だけモコさんの気持ちや都合は無視してかまい倒し、逆にモコさんがそばに寄って来た時に自分がテレビやゲームを楽しんでいたり気分じゃないと、怒って追い払っていた。
そんな奴が、猫を飼った?
モコさんにまともに愛情を注いで来なかった兄貴と、兄貴にはベッタリのくせに私には近付いただけで牙を剥いて飛びかかろうとするクソ猫。
私にとって、セットで厄介者でした。
父の葬儀の数日後。
もう二度と会う事もないだろうと、満面の笑顔で平駅前で見送ったクソ猫。
まさかほんの数年後、私が引き取ることになるとは思いもしませんでした。
山本さんはご両親が保護猫活動をなさっていたので、子供の頃から猫を欠かした事のない人です。
しかしそんな山本さんですら、兄が入院するたびにどんなに愛情もってお世話をしても毛の一本たりとも触らせてくれたことはなく、少しでも距離を詰めようものなら牙を向いて来る状態に困り果て、自分が引き取って育てることは断念せざるを得なかったそうです。
山本さんから提案されたのは、知り合いの保護猫団体にお願いして里親を探してもらうこと。
しかし既に9歳と言う年齢で性格も難しいユッキーは、里親が見つかる可能性は低いだろうと…。
もし、誰もユッキーを引き取らなかったら?
それは…、想像がつきました…。
可愛くないクソ猫だからって、寿命の前に命を奪われる…?
死因 : 可愛くない
意外なくらい、ちっとも一切納得行きませんでした。
だったら。
一生なつかなくても、私が面倒みようと思いました。
一生クソ猫のままでも、せめて居場所や清潔な食事と水を得て寿命が来るまで安心して生きる権利はあるし、そうあって欲しいと思いました。
その事を知った友人知人で猫との生活に慣れている方たちは、みんな心配してくれました。
大変だよと。
中には、
『無責任!!綺麗事じゃ済まないんだよ!!いずれそんな綺麗事も言ってらんなくなるでしょ!!そしたらどうすんの?!あんた自分で保健所に連れて行けるの?!無理なので殺してくださいって!!』
と、辛辣な言葉を投げ付けてくださった方もいました。
でも反対に一人だけ、
『大丈夫だよ、必ず懐くから。』
そう言ってくれた友達もいました。
猫の世話の仕方、好きな食べ物、距離感。
そんな基本的なことから教えてくれました。
心配や否定する人が多くても、大丈夫と言ってくれた一人のおかげで私は勇気が湧きました。
一年前の9月19日。
山本さんに新大阪の駅まで車で送っていただいて。
もしもユッキーが車内で鳴き出したらどうしようと言う恐怖から、連結部に出るドアに近い一番前か一番後ろの席を希望したため、結構遅めの時間の新幹線しか空いておらず、しばし駅の中で時間を過ごした。
背中に背負ったリュックタイプのキャリーを肩から下ろし、前に抱えてみた。
ずっしりと。
命の重みと体温を感じた。
ギャーギャー鳴くどころか声ひとつ上げずに息をひそめ、雑踏に消え入りそうなほどか細くても、確かにここに存在する。
きっと、物凄く心細いんだと思う。
そう、この時が最初だった。
ユッキーに愛情を持ったのは。
少なくとも私の中で、【クソ猫】から【猫】に変わった瞬間だった。
そんなこんなで、ひよっこ猫オーナーの私も無事に1歳を迎える事ができました♪ヽ(*^◯^*)ノ♪
ユッキー……最近では、【ゆんちゃん】や【ゆんゆん】と愛称で呼ぶ事が多いけれど。
どれも自分のことだとわかっているみたいです。
ゆんちゃんはちょっと変わった子で、ドライブが大好きです(笑)
日中は暑すぎるので、夕方や夜だけですが。
22時に塾の授業が終わるイチゴちゃんを迎えに行く時は、ルンルンで必ずついて来ます(*^◯^*)ノ
おかげでイチゴちゃんの学習塾では、ゆんちゃんはちょっと有名になっています(*^_^*)
運転中はミカンやイチゴの膝の上に置いたキャリーを少しだけ開けて、顔だけ出しては外を眺めてご満悦の様子です。
ずっと部屋猫だったユッキー。
外を自由に歩かせたいけれど、きっとすぐに道路に飛び出し車にひかれてしまうでしょう。
だから、その思いは叶えてあげれないけれど。
その分、この子の残りのニャン生を、安心と幸せでいっぱいにしてあげると決めています。
ゆんちゃんが私達の家族になってから、ミカン&イチゴの笑顔が増えました。
あと、喧嘩も減った(笑)
ユッキーには、本当にたくさんの幸せや目に見えない宝物をもらっています。
私達家族はユッキーと出会ってから、本当に幸せで。
でもそれは、兄の死を無くしては得られなかった幸せです。
その事だけは、絶対に忘れてはならないです。
だから私は事あるごとに、幸せを感じれば感じるほど、娘達やユッキーに言って聞かせる。
『お兄ちゃんのこと、絶対に忘れてはならないよ。9年も一人でユッキーを育ててくれたんだから。感謝して、それから心配させないようにみんなで仲良く暮らそうね。』
だって。
家族なんだから🍀✨
P.S.
ちなみに。
ゆんちゃんは、ある意味今でも【クソ猫】です。
なぜなら。
朝から晩まで私達3人に、顔を見るたび『何コレ!!クソかわいい!!』って一日1万回ぐらい言われているので(笑)🍀✨