そろそろ重いテーマは止めて音楽の話でも書こうと思っていたんですが
最近お勧めに登場したとある動画が素晴らしかったのでもう少しだけ書きたいと思います。
気持ちや想いはしっかりと吐き出さないと次に行けないしね。
というわけで
ご紹介したいのはこちらの動画
の、まずは予告編です。
「日本人とは BEING JAPANESE」
日本人の奥さんと二人のお子さんを持つカナダ人ユーチューバーの動画です。
これはテレビで放送されるべきクオリティ!
前回のブログでは典型的な日本人についての日本人論をご紹介しました。
第二次世界大戦末期にアメリカの人類学者によって書かれた
主に昭和初期以前~平安時代までの日本人論
「菊と刀」
次に1980年代、戦後復興後の高度成長期に再びアメリカで書かれた続編
「公式 日本人論」
今回の日本人論は典型的な日本人について論じるものではなく
日本人なのに日本人にカテゴライズされない人たちのアイデンティティに視点を向けた作品になっています。
概要欄にはこう書かれています。
いったい日本人ってどういう人のことを言うんだろう?
それって体中をめぐっている血によるものなのか?
日本で生まれた親がいるってことなのか?
どこの国で育ったかっていうことなのか?
どんな見た目?どんな仕草?どんな話し方?国籍は?
日本人とは何かを探るドキュメンタリー
日本人であるという事とはを探るドキュメンタリー
(日本語字幕もちゃんとあります。)
パート1パート2合わせて2時間もの大作。
なのにとても編集が素晴らしくあっという間に過ぎていく2時間
教科書ではさらっとしか書かれていないアイヌや沖縄人
そして在日コリアン人・日系ブラジル人・ハーフ・帰国子女
日系人・難民・帰化・二重国籍
マイノリティだけどずっと昔から存在している人達のアイデンティティとは?
昭和、平成、令和を経て
着実に増えて来ている典型的ではない日本人、日本国籍の人たちのインタビューを中心に歴史を織り交ぜながら構成されているこの作品は
いわゆる典型的な日本人こそが知っておかなければならないことだと思いました。
この作品を観ていると
「そもそも純粋な日本人って何?」
っていうか、
純粋な日本人なんてこの世界のどこにもいないよね?
ってことに気が付くはずです。
カテゴライズした気になっているだけの典型的な日本人と
そんな人や社会に翻弄され外されてしまっている人達
日本人論を論じる時に出てくる「中空性」
どちらもその中で迷子になってしまっているようにも思えます。
環境と歴史が作り上げて来た日本という国とそこに暮らす人々
多様性なんて簡単に言うけど
他国の言うなりになってその中身が植民地みたいになってしまうのも違うし
でも寛容さや柔軟性を持って人と向き合っていかないと誰も幸せになれない
今、某宗教や隣国についての問題もまさに日本のアイデンティティの根幹を揺るがす事例ですが
軸がブレブレな政府やメディアの対応と
今にもそれを甘受してしまいそうな日本人と
結局それって
典型的な日本人こそが「自分たちが何者か?」ってことをよく分かっていないからなんですよね。
それは選民意識とか自国民優勢思想とかではなくて
「個人」より「家」が優先だった国民性の比重を変えて行かないといけない時期に来てるのかなと。
でもそう簡単に変われる習性ならこんなにみんな苦労してない訳で
世代を繋いで少しずつ変化するしかないのだろうけど
こういう時こそこの動画のような視点で気づかされる部分もあるんじゃないかと思うんです。
もちろん見ていて「ここはこういう問題や考え方もあるんじゃない?」って疑問とか出てくるんですが、そうやって考えることが始まりな気がします。
「俺たちって動物・・」