人は死ぬと肉体から魂が抜ける。浮遊する魂だけの存在となります。
それから,しばらくは,自分の体(抜け殻のようになった姿)を眺めたり,
悲しい顔をしている縁者達を眺めることができるが,
じきに辺りは,真っ暗闇に包まれます。
この闇の世界を,仏教では冥土といいます。

冥には,暗いという意味があるが,

肉体を離れた魂は,この闇のなかに,いつまでもとどまり続けることはできないので,
自分の行く先を見つけないといけない。そのための旅をしないといけない。

人は,死ぬと,まず最初に,死後の世界へ向かう旅に出ることになるので,日本では,死者を棺に入れる時,旅装束をさせることが多いのである。

そして,その旅の期間は,死後四十九日と言われる。
四十九日経つと行き先が決定される。六道のいずれかの世界である。

この旅は,たとえば,事故などによって,同じ場所,同じタイミングで亡くなったとしても,誰かと一緒になることはない。
たった一人,今までの人生を振り返りながら,ひたすら歩き続けなければならない。一人が原則である。
生れてくる時も一人,死ぬ時も一人ということである。

 

 

死者の魂は,死後,七日区切りで法事をすることが望ましいが,現代では,なかなかそうもいかないので,

光明真言を唱えて,死者のいる冥土(闇の世界)に光が差し込むように,念を送るといい。そうイメージしてあげるのである。
 

このような追善供養をしてあげることで,故人をよりよい転生先へ導くことができる。
死者と,遺族(生きた世界の人間)は,あの世と,この世で,次元は変わっても,なお繋がっているのである。



小生は,行者現役の頃,死者が行く冥土(闇の世界)を視たことがあるのだが,
遺族の追善供養は,確実に,故人によい影響を与えているのが分かった。



ちなみに,魂磨きをして,魂のレベルが高くなっている人,目覚めている人は,
闇を旅することなく,すぐに死後の世界に入っていける人もいる。