#3 APOFES2020『23歳』を観てきた! | アラカンおかんの「思い立ったが吉日」

アラカンおかんの「思い立ったが吉日」

年齢も、性別も、容姿も言い訳になんかしない。

笑って、泣いて、感動して

「思い立ったが吉日」

生きてるって素晴らしい!

 

『APOFES2020』  と言う、

 

芝居やお笑いやパフォーマンスやらのごっそり詰まったフェスに行ってきた。

1月17日、24日、31日の週の「金土日」の3日間、合計9日間。

11:30〜20:30まで約1時間の枠で、入れ替わり立ち替り色々な演目が続く。

 

今日は、最終日。

 

私のお目当は、11:30からの「川久保 晴」さん。

「晴」と書いて「さえ」と読む。

2017年の4月、CCBの公演でご一緒した役者さんである。

ご一緒した、と言っても、彼女と私はAチームとBチームの違いがあって

共演はしていない。

ただ、その時に初めて出会った彼女の役者としての印象は強烈で、

それ以来、私は彼女の大ファンである。

 

そんな晴ちゃん、今日は一人芝居をするという。

演目は「23歳」等身大の彼女を映して生まれた作品

作・演出・もちろん出演、全て彼女が手がけている。

 

いつも丁寧で上手い芝居を見せてくれる彼女、

今日はその才能をお腹いっぱいになる程見せてくれた!

 

ストーリーはシンプルなものである。

ドミトリールームになっている、ビジネスホテルの1室で

繰り広げられる一夜の話がメインである。

「23歳役者、川久保晴は何故ここに来たのか」

それは、舞台が始まって直ぐ分かる。

でも、何故だか次から次へと邪魔が入る。

そして、結局目的が達成できないまま、彼女は

ホテルを後にする事になる。

 

50分の舞台の中に、おもちゃ箱をひっくり返した様な

小技の数々が散りばめられていた。

 

一人芝居なので、当然、相手から何かを拾って、

つまり相手の芝居に助けてもらって演技をする事ができない。

でも、彼女の言葉やしぐさや目の動き、表情から

本当にそこに人がいる様な、実際に相手の姿が目に浮かんでくる。

彼女の様な役者さんからしたら、それは当たり前の事なのかもしれないが、

本当に...うまい...おねがい

そして、アレは、全て台本通りなのかアドリブなのか?

よくしゃべる。口からポンポンと言葉が飛び出す。

だからこそ、彼女が話さない静寂も、また怖いほど言葉になる。

 

演出も楽しかった!

小道具の使い方が絶妙。「ものボケ」をやらせたら

いい線いくだろうと思う。

音効の効かせ方が笑えた。うまいなぁ。

あ、彼女は芸人だったんだ...っけ。

 

一人で全てやっていると、ストーリーと演出は

同時進行だったり行ったり来たりするものなのだろうか?

上手くエッジを効かせながら、ストーリーを完成させている。

やっぱり彼女は頭がいい流れ星

 

そして、私には想像できなかった

何とも素敵な、心がぎゅーっと締め付けられる

ラストが待っていた。

作家としても素晴らしいキラキラ

 

あ、彼女は私の長女と同じ歳だったんだ。

出会った時にはまだ20歳だったね。

東京のお母さんになった気分で、

「成長したね」と目頭が熱くなってしまう。

 

『川久保 晴』

 

本当に素晴らしい役者さんである。

 

「23歳」と言う等身大の自分を映したこの作品は、

彼女が味わってきた心の、それこそ色んな心の声を詰め込んで

形にした作品なのかと思う。

一つの作品にまとめて上演した覚悟に拍手したい。

またどこかで上演して欲しいと思う。

そう思ってネタバレは避けたのだが...。

あ、でも「今」の彼女だからこそなのか。

こんな風に、生の舞台って一つ一つが他に変えられない

出会いだったりするから面白い。

 

彼女なら、更なる面白さを生み出してくれるに違いない。

今後にますます期待!