プロローグ - SPIRIT -

◆金曜日午前８時

散々な朝だった。
バス停ではバスに置いてけぼりにされ、
歩き始めれば雨に降られ、
電車に乗れば車輛故障でダイヤは大幅に遅れた。
こんなにツイてない朝ははじめてだ。



◆土曜日午前３時

タクシーで帰宅。
眠気と酔いでメガネのズレを直すのにレンズを直接持って直す有り様。
指紋だらけのメガネを机の上に放り投げ、
シャワーも浴びずにベッドに倒れこむ。



＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋　ＳＰＩＲＩＴ　＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋



相変わらず　ぼくはしょうもないことで

おじけづいたりしてる　君の方はどう・・・？



いつか空を引き裂くＢｌｕｅｓで　塗りつぶしてしまおう

ぼくの心を・・・



夏のかわいた風がふきぬけると

てれくさいくらい　ガムシャラな気持ちにもどるんだ

きっと全てがうまくいくと思いながら

つまずいたり　時々うまくごまかしたり・・・



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◆土曜日午後２時

旅の支度を始める。
着替え、地図、レインウェア、ノート、筆記用具、文庫本を
パタゴニアのクリティカルマスバッグに詰め込む。
キャンプ道具はモンベルのツーリングバッグ。
工具はデグナーのサドルバッグ。
貴重品はパタゴニアのスーパーベガバッグへ。

　　　

レザーウォレットの中身をマジックテープ付きの
ウォレットに移して準備完了。
明日早朝に出発する。

東京湾に面した小さな街に住む僕は、
明日のうちに日本海まで突き抜ける。