ウクレレのコード譜見ながら弾いてて、前後に込み入ったコードが並ぶなかAm7が出てくると「ラッキー」と思う。
なにもないって素敵、と。
今朝、普段なら普通に寝てる時間に親戚が来て母親となにやら大声でやりとりしてるのは聞こえてたし、うっすら起きてはいたのだけど、その後親戚が帰って母親がわたしを呼ぶ声で完全に目が覚めた。
話を聞くと「背中が激痛で耐えられない。いてもたってもいられない」とのこと。
背中の痛みと聞いて、真っ先に心臓が悪化してるんだと思ったわたしは、以前入院した病院に相談しようと電話。寝起き3分。
経緯を説明しようとしても頭が働かなくてなかなか言葉が出ない。
なんとか伝えた結果、まずはかかりつけ医の判断を仰げとのこと。
即かかりつけ医に連絡して診てもらえることに。
この2件の電話の間、着替えて必要な荷物をバッグに詰めて、電話を切ったあと洗面所ですぐ洗顔と歯磨きができる態勢に。
なんならコーヒーが飲みたかったけど、お湯を沸かす暇はないのでアイスコーヒーをマグカップに注ぐところまでした。
結果コーヒーは一口しか飲めなかったんだけど、それはまぁいいとして、起きて10分くらいで出かける準備が整った。
しかも絶対長い待ち時間があるのを見越してそのときメイクしようと道具がつまったポーチを持つのも忘れなかった。
もし状況が許すなら、わたしも内科で薬を処方してほしいと思っておくすり手帳も持ったけど、結果わたしが診てもらえるようなタイミングは訪れなかった。
頭はぼんやりしたまま、痛がる母をなだめて出せる限りのスピードで、最短距離で内科に到着。
連絡していたおかげでほぼ待たずに受診できた。
そして診察の結果、先生が放った一言。
「これは整形外科だねぇ」
すぐさま整形外科に移動することに。
一刻も早く痛みから逃れたい母はひたすらわたしのことも内科の看護師さんたちのことも急かす。
ただでさえ割り込んで受診させてもらってるのに失礼な言葉ばかり吐くので呆れはしたが、ぐっと呑み込んで、看護師さんたちに「お騒がせして本当にすみません、お世話さまでした」と言うと、「こんなに痛がってると焦ると思うけど運転気をつけてね」とやさしい言葉をかけてもらった。泣きそう。
整形外科ではわりとしっかり待ちの時間が発生。
やっと順番が来てレントゲンを撮っているとき、外の待合にまで叫び声が聞こえてきた。
技師さんの「痛い痛いって言っても痛みは治まらないよ、検査しなきゃなにもわからないんだから我慢して」という声かけに、外で「たしかに」と深く頷くわたし。
痛いのはわかるし可哀想だとも思うけど、理性をなくして周りに迷惑かけるのは違うよなぁと。でもそんなこと言っても理解できる人間じゃないという悲劇。
検査結果は「特に痛みの原因になりそうなものはないし、内科じゃないかな」。
えーーーーーーーー
内科に戻ってもっと検査してもらうか、総合病院行くかどっちにする?と聞かれて、
「内科は今行ってきたばかりで整形外科に行くように言われたので戻るのってどうなんですかね」
と言うと、「それもそうだけど、向こうが最初にちゃんと検査しないのが悪いし、内科の先生が症状やら診察の結果をこっちに伝えてくれなかったからなにもわからない」みたいな文句が返ってきて、正直「そっちの事情は知らんがな」と言いそうになった。
黙ってるとひたすら内科に対する愚痴が続きそうだったので、きっぱり「病院に行きたいので紹介状を書いていただきたいです」と言うと、先生は無言で引っ込んでいった。
なんだこいつ。
内科にしても整形外科にしても、医師はなんか態度が悪くて適当で、近くにいる看護師さんたちがひたすらフォローしてくれるという印象。
紹介状を渡してくれた看護師さんもとてもやさしく接してくれて、医師もこうであれと思うなど。
看護師さんやら受付の方に「お騒がせしてすみません」とここでも謝罪。
その後、総合病院へ移動。
この時点で家を出て2時間半経過。
母は「なんでこんなにめんどくさいんだ」とか「急いでくれって伝えろ」とか「もう早く楽にしてくれ」など宣いまくる。
ついに、痛いのはわかったしなんとかするために最大限努力するから、お願いだからちょっと落ち着いて我慢してほしいと伝えたけど、無意味だった。知ってた。
病院に着いても「早く早く」の連呼。
問診やら心電図やらの時間は付き添って、CT検査してもらえる段になって、やっとしばらく離れられる時間ができて心底ほっとした。
いったん車に戻ってメイクして、病院の売店でお茶とサンドイッチを買って、休憩室で本日1食目。
この時点で感情は無。Am7。
なにもないってほっとするんだよやっぱり。
検査結果待って、先生の説明を聞いて、痛み止めの点滴が終わるのを待って合計約3時間。
家を出てからは6時間。
検査の結果は「特に悪いところはなし」。
えええええええええええええ
「しいて言うなら筋肉痛とか疲労とか、そういうもの」
まじか。
あんなに死ぬ死ぬ言うほど痛がって、筋肉痛………
点滴を打ってもらってる本人に会いに行くと、痛み止めが効いたのかケロッとしてる。
いや、なにもなくてよかったけど。痛みが引いて良かったけど。なんだこのモヤモヤは。
なにもなくてほっとした、という言葉を素直に言えない気持ち。
挙げ句、帰りの車中で「お寿司食べたいから買ってきて」と言われたときは、スーパーのお寿司のコーナーに捨てて帰ろうかと思った。
教訓。
どんなにじぶんが辛く苦しくても、理性だけは失ってはいけない。
なにもなくてもほっとできないことはある。
今日仕事が休みでほんとによかった。
さっき仕事の担当さんから連絡があって、次の案件の打ち合わせをしつつ冗談を言い合って笑ったら一気に平常心に戻れた。
ありがたやありがたや。
今夜はご機嫌で過ごそう。
そういえば、病院での待ち時間はギターのレクチャー動画を見たりKindleで心理学の本を読んだりした。
どんなときも平静を保つ。
非情だと言われてもいい。
母親みたいな人間に心を持っていかれない。
帰宅してやっとコーヒーを淹れた。
休みが必要だ
テレビがそう言ってる
コーヒーで一息いれろと言ってる
なるほど
この曲にはAm7ないな。ざんねん。