入学してから数週間後、私とさやかちゃんはお互い別々のグループに所属していた。
「おはよう、ゆい」
「おはヨーグルト食べたいから駅のコンビニまで買ってきて」
「朝から唐突にパシろうとすんな。しかも最寄駅にコンビニ無いじゃん」
私は入学式の次の日近くの席に座っていた古田あすかと仲良くなり一緒に行動するようになった。気も合うし親友みたいなものだ。さっきみたく私がボケれば「あすかはツッコミを入れてくれる。私達の朝はここから始まる。まぁいい奴だけど冗談で腹パンしようとしたら反射的にマジで殴ってくるしハンカチ持ってこないからあすかがトイレから出てきた直後はドアノブが濡れてるし本当に女子力が無い野郎」
「誰に何言ってんの?」
「つい説明とあすかの解説が口に出ちゃったんだよね。こういうことよくあるよね」
「ねぇよ!何が説明と解説だよ!途中から完璧に悪口だったよ!!…さっきのさ…水谷さんに言ってたの?」
「ふん!?」
ふん!?
「なななんなんでさやかちゃんが出てくんの…?」
「いや、だってさっきからチラチラ水谷さん見てたじゃん」
…完璧に無意識だった。確かにさやかちゃんのことは気になってたけど、こんなに表に出てるとは。
さやかちゃんが所属してるのは結構目立つグループ。聞こえてくるのは私が入学式で聞いたガールズトーク。メイクやらダイエットやら女子力の高い話題ばかりだ。ダイエットやメイクなんかしなくてもみんなかわいいし綺麗だよ。
私達2人は目立つわけでもなく、かといって空気みたいな存在でもない普通の生徒。あの時みたいに私とさやかちゃんが話す機会は少なかった。
だから、きっとさやかちゃんにとって私はどうでもいい存在なのかもしれない。それでも、今日も明日も明後日も、私はさやかちゃんと仲良くなれるように願っているだけなんだ。
CANDYからの投稿
