
監督:ティント・ブラス
出演:マルコム・マクダウェル ヘレン・ミレン
史上最も退廃的と言われたローマ皇帝カリギュラを描いた1979年公開の「カリギュラ」を再編集した「究極版」。ペントハウス誌の創設者ボブ・グッチョーネが製作し、倫理観を揺るがす衝撃的なシーンを散りばめ、カリギュラの狂気を独特の世界観で描いた。製作中に訴訟騒動や監督の解雇など様々なトラブルに見舞われたが、公開されると大ヒット。本作はオリジナル素材を脚本通りに再編集したもの。紀元1世紀、ローマ帝国皇室は第2代皇帝ティベリウスの下で堕落。孫カリギュラは祖父ティベリウスを暗殺し、第3代皇帝の座に就く。当初は民衆から絶大な人気を集めるが、次第に内なる欲望を抑えきれなくなっていく。
公開当時は子どもでもちろん見られなかったけど、話題になったことは覚えている。監督は途中で解雇され、脚本も勝手に変えられて脚本家はクレジットに自分の名前を載せることを拒否したらしい。当初の脚本では、絶対権力はいつか落ちるみたいなことを描こうとしていたらしいけど、撮影終了後、グッチョーネ自身が追加のポルノシーンを撮影し、ストーリー展開に必要ないのに加えられた。そんな映画だったのに、興行的には大当たりしてしまったという皮肉。今回の究極版は最初のオリジナルストーリーに忠実に編集されたんだとか。
結論から言うと、金と権力を持った王の悪趣味な世界を延々と魅せられただけ、という感じがした。いやらしいかと言えば、最初からみんなすっぽんぽんであそこも全く隠さないから、全然エロくなかった。見えそうで見えない、ずっとじらして最後に見せる方がやっぱりいやらしいよね。みんな裸でセックスしてるから風景のようにも見えてしまった。ストーリーで言うと、カリギュラがどんどん変な道に進んでしまったその理由が全く描かれないから面白くなかった。映画では描かれないけど、子どもの頃は戦場に出向いたこともあり、国民的人気者だったとか。王になると、いつ殺されるか、裏切られるかという恐怖との戦いで誰の事も信じられなくなってしまったのかもしれないけど、その辺も表面だけで薄かった。
☆☆(T)