考えることなく地点へと 足は向かう

あの時のいまが 記憶となって

身体は勝手に歩いている

かつて日常であった景色が 目の前にある

消え去ったビルは 囲いに覆われ

残り続けるビルの影は 静かに街を彩る

日常の無常には気づかない

友情も無情も変わらない

倦怠も変態も見抜けない

記憶の眼鏡を外し 見える景色は

地点の変化を教えてくれる













迷うことなく地点へと 足は向かう

あの時の断片が 時間の螺旋で結びつき

記憶となって現れる

いつか“見たい”と 思った街は

思いが叶い “見たい”まま

消え去った過去は 世界から消え失せ

記憶の断片は 道端に咲き残る

妄想は創造を呼び覚まし 

創造がこの世界を作り出し

作り出した世界が窮屈だと感じても

この微睡みから目覚めとき

わたしが行きたかった地点は

ここに在ることに 辿り着くのです