私は今から3年前くらいに
歯科矯正をするという
決断をしました。
決断を渋っていた理由は、
お金でもなんでもなく、
歯科矯正をするためには
上の親知らず2本を
抜かなきゃいけないということ。
今思えば
ちっちぇーなって話だし、
幼い頃に抜いとけよって
話なんだけど、
それは今だから言えること。
歯を抜いたことなんて
一度もない私にとって、
親知らずを抜くとなると
痛そうなイメージしかないし、
誰に聞いても
痛いよっていうし、
抜いた後しばらく
腫れるよっていうし、
ビビリの私は
ビビりまくったわけです。
そんな痛い思いまでして
歯並び綺麗にしなくてもいいか…
とまで思ったこともありました。
上半身全部に
タトゥーを入れるために
めっちゃ頑張ってる男の子に
出会ったのは、
ちょうどその頃でした。
そのときは本当に
偶然の巡り合わせで、
普段の私の生活圏内だと、
ファッションタトゥーはあっても
そういうガッツリの
タトゥーが入ってる人に
出会うことは
ほぼありません。
なんだけど、
そのときは
たまたま出会って
意気投合して、
あっというまに
食事をしながら
話をする仲になりました。
このとき
お互いに彼氏彼女がいて、
本当に友だちとして
ごはんに行きました。
それ以上の関係になることは
お互いに絶対なかったんだけど、
ある意味私にとって、
それ以上の関係に
なりました。
彼はその頃まだ25歳。
イカツイファッションが好きで、
バイクが好きで、
とにかく趣味にお金がかかる。
それだけじゃなく、
タトゥーを入れるとなると
まあまあなお金がかかる。
しかも、
そのために毎回
名古屋まで通うそうで、
お金も時間も
どれだけあっても
足りない様子。
プライベートは
とても充実しているし、
そのために
仕事も頑張るし、
人付き合いもするし、
話している姿も
とてもキラキラしている。
私にとって、
出会ったことのない価値観ばかり
持っている人なので、
とにかくすべてにおいて
新鮮すぎました。
もともと
好奇心の強い私は、
わからない世界を
わからないままにしておけず、
彼を質問攻めしました。
タトゥーのいいところって何?
そこまでのお金をかけて
やりたいと思う理由は?
いつ誰から
どんな影響を受けたの?
入れたら取れないけど
それでもいいと思えるほどって
すごくない?
タトゥー入れるのって
どのくらい痛い?
デザインは
どうやって決めてるの?
どこのデザインが
一番気に入ってる?
などなど。
そうやって聞いてくうちに、
私はとても大事なことに
気付かされたのです。
彼には明確な
「理想の自分像」があって、
その理想に
少しでも近づくために、
時間とお金という
自己投資をして、
痛いという苦難を
乗り越えている。
そして、
苦難を乗り越えた先の
素晴らしい未来を
確信している。
これって
素晴らしい生き方よね。
タトゥーを入れるかどうか
という論点に対して
否定する人はいるかもしれないけど、
理想の自分になるために
ピュアに一生懸命に
頑張っている彼の
考え方や努力や姿勢を
否定することは
誰にもできないと思う。
たまたま彼にとって
それがタトゥーだった
っていうだけで、
100人いたら
100通りの
自己投資の仕方があるよね。
こういう生き方
かっこいいなーって、
私は純粋にそう思いました。
やっぱり
タトゥーを入れるのって
震え上がるほど痛いんだって。
力を入れて耐えるんだけど、
痛みを感じやすい部分とかは
どんなに頑張ってても
ビクンビクンしちゃうんだって。
ラインを入れるときも痛いけど、
色を入れるときも痛くて、
涙ぐみながら耐えるんだって。
タトゥーを入れた後
普通に服を着ると、
その服が血まみれになるから、
包帯とラップを巻いてから
服を着るんだって。
ある程度の時間が経って
それらを外したら、
血まみれになってるんだって。
しばらくの期間は
赤く腫れ上がって
ヒリヒリするんだって。
でもだんだん馴染んできて
痛くなくなるんだって。
やばいよね。
完全に
私の知らない世界だった。
そして、
彼の話を聞いていくうちに
親知らずを抜くのを
渋っていた自分が
恥ずかしくなりました。
これがきっかけで、
よっしゃ!
親知らず抜くぞ!
と決断できたわけです。
人生いつなんどき
どんな人から
どんな影響を受けるか
わかりませんね。
そしてそれによって
自分の人生まで
変わってしまうんだから、
すごいですよね。
まさか
偶然出会ったタトゥー男から
生き方を学ぶなんて
思ってもなかった。
でも、
そーゆーもんなんです。
必要なときに必要な人が
現れるんです。
そして私は、
意を決して
歯科矯正の契約をしました。
レントゲンを撮ったり
歯形を取ったり
いろいろ準備を進めながら、
抜歯は来月頃かな?
なんて目処がたったときの
ことでした。
当時付き合っていた彼、
今の旦那くんとのあいだの
子どもを妊娠していることが
発覚しました。
親知らずを抜くときは
局部麻酔をかけます。
麻酔は妊娠中・授乳中の人は
よほどの理由がないとできません。
今回の抜歯に関しては、
痛いわけでもなく
病気でもなく
治療でもなく
単なる審美。
私が歯の矯正をしたいという
希望からくるもの。
絶対に今やらなきゃいけない
なんて理由は
どこにもありません。
とりあえず産後、
ある程度の時間が経ってから
授乳を調節しながら
抜歯やその後の工程を
進めていくことになりました。
ここでもまさかの出来事。
私の人生は
サプライズだらけだな。
というかもっと早く
決断しとけよというだけの
話かもしれないけど…
ということで、
今はめでたく矯正を開始し
半分くらいまできてるところです。
しかもこの話には
まだ続きがあります。
言えるようになったら
また書きますね^ ^