信じられないことが起こった。


彼と一切連絡をとらなくなって
半年が経ったある日、

突然彼から食事の誘いがあった。


あろうことか私は、

彼の誘いを受けて
食事に行くことにした。


あんなに酷い別れ方をして、

もう二度と会うことなんて
ないと思ってたのに。


また会うなんて

食事に行くなんて

自らまた自分の心の傷を
えぐりに行こうと
しているようなもの。


あの頃の私からしたら、
信じられないことだった。



でもそのときの私は

もう全然違った。



会ったところで、

何を言われたところで、

私の心が乱されることは
何もないと確信していた。


そもそも、
会って食事をするなんて、
可能性は2つしかない。


ヨリを戻したいか、

今の幸せな生活を自慢されるか。


わざわざ私に
罵倒を浴びせるために
会って食事するってことは
ないと思った。
さすがに。笑



そのときの私は

もう

あのときの失恋から

完全復活をしていた。


もし私がまだ、

彼との別れを
受け入れられてなかったら、

もしかしたら
ヨリを戻せるかも!

と、

期待を胸に
向かったかもしれない。


もしそうだったら、
私はまだ同じ苦しみを
繰り返すだけになったと思う。



でももう私は
戻らないと決めていた。


同じ苦しみを
二度も味わいたくなかった。


味わったところで、

同じ苦しみだったら、
成長するといっても
効率が悪すぎる。


今更彼が
何を言ってこようと、

私の決意は
揺るぎないものに
なっていた。



だから本当は、
行く必要はなかった。


行ったところで、

私にヨリを戻す気は
1%もない。


とすると、
ハッピーエンドはないのだから、

もはや二択ですらない。


ヨリを戻さない
ということが確定する

という、

ただそれだけ。


もしかしたら
むしろマイナス。


何かしら
嫌な気持ちに
なるかもしれない。


そこまでわかりきってるのに、

私がなぜ
行くという選択をしたか。


単なる好奇心なのか?

わからないけど、


ただどうしても

そのときの私は、

健全な気持ちで

再会を受け入れようとしていた。


もしかしたら
自分が傷付くかもしれないと

思うこともなかった。

傷付くような
心の隙間がないほど

私は満たされていた。


そして、


私のお腹の中には、

新しい命が宿っていた。